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中部発きらり企業紹介 Vol.49

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イシグロ農材株式会社

イシグロ農材株式会社  
〜新たな農業を提案・支援する「未来派農業」実践企業〜

  今回は、東三河で取組が始まりつつある「穂の国GAIA構想」策定の中心人物であり、平成20年度産学官連携人材育成事業「産学人材パートナーシップ事業(ニューアグリビジネス展開のための農商工垂直統合人材育成事業)」においてカリキュラム策定を担うなど、夢の持てる永続可能なアグリビジネス「未来派農業」の実現を目指しているイシグロ農材(株)の石黒功社長にお話を伺いました。
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イシグロ農材(株) [本社]
イシグロ農材(株) [本社]
 
高品質な苗の生産
高品質な苗の生産
インタビュー

 御社は明治42年に創業されたとお聞きしておりますが、はじめに創業の経緯やこれまでの沿革についてご紹介いただけますか?

 
説明 石黒社長
 当社は、明治42年に愛知県渥美郡田原町(現:愛知県田原市)にて石黒薬局としてスタートしました。創業当時は医薬品の販売が中心でしたが、農薬の製造にも着手し、それから昭和40年頃まで石黒製薬所として農薬の製造・販売をしていました。昭和43年頃からは施設園芸が盛んになったことで施設園芸資材も扱うようになり、昭和45年に主にビニールハウスやガラス温室等の製造を行うイシグロ農材(株)を設立しました。
 平成3年には農業生産法人のイシグロ農芸(有)を設立し、野菜や花の苗の栽培を始め、農業への新規参入を果たしました。その後、農業生産法人として直営農場を順次開設し、高品質農産物の安定した生産と供給を目指す中、農場の総称を「くくむ農園」に改め、グループ企業が連携して総合的に未来派農業の実現に向けて取り組みができるよう努力をしています。
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インタビュー

 農業の発展のためには農家の後継者不足、農業従事者の高齢化、休耕地の増大、農地を所有する人と農業の運営に意欲のある人のミスマッチなど多くの課題があると思いますが、それらについてはどのような考えをお持ちでしょうか?
 
説明石黒社長
 日本には約39万haの休耕地があり、農地の流動化がうまく進んでいないという状況は確かにあります。農地の活用の仕方について現状は活用しやすい状態であるとは言い難いですが、近頃は農業に対する意識が高まってきている風潮もあり、農業への新規参入を希望する人も増えてきています。新たに農業を始めたいという人たち向けに新農業人フェアというものがあるのですが、3年ほど前と比べると集まる人数が非常に増えています。
 農業は外部からの参入に対して障壁が高いという側面があり、比較的狭い閉鎖的な世界の中で自己完結していた面がありますが、実は農業は「お百姓」と言われるように、様々な知識・経験、特にモノ作りの経験があった方がより生産性の高い農業ができる可能性があると思っています。農業は、異質なものと連携・交流することによってより進化できる余地が他産業より多くあり、高い付加価値を持った未来派農業を展開することができると思っています。
 農業・農家の独立支援をするという組織が少ないため、当社はそのお手伝いをすることによって農業の発展をさせていきたいと思います。当社が1次産業の農業と2次産業の工業、3次産業の商業を結びつける触媒として機能を果たし、農業が1×2×3の6次産業として成り立っていくためのソリューションを図ることより、農家の皆様に満足してもらえる企業となることを目指していきたいと考えております。
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農業のノウハウを研修にて習得
農業のノウハウを研修にて習得
 
独立後も販売をグループにて支援
独立後も販売をグループにて支援
インタビュー

 新たに農業に参入しようとする人たちに対する支援等について、特に人材育成という観点から御社の取組みを教えてください?

 
説明 石黒社長
 農業は作物が実るまで最低3ヶ月〜1年はかかり、そのノウハウも農作物という「生き物」生産する事ですので簡単ではありません。しかし、当社はお陰様で農業が盛んな地域にあるため、過去から社員として農家の子弟を受け入れており、その人たちは若いうちは社員として農業に関する様々な知識の学び、その後農家に戻っていくという流れが自然にできていました。この経験の蓄積を新たに農業を始めたいという人たちに対して研修という形で体系化し、1年半ほどで一人前にできるようなカリキュラムを組んで一昨年からスタートさせました。その内容としては、グループ内の農業生産法人の500坪ほどの農場にて当社の担当者がサポートをしながら、約1年間一人で作物を栽培し、栽培ノウハウを学びます。また、実践だけでなく経営学、土壌学、肥料学、植物生理学などの座学もあります。研修後には当社から後継者等がおらず遊休化しているハウス施設の情報を提供し、当社の経営支援のもとで本人が農業者としてその施設を借りるという形で独立してもらいます。
 今夏その第1期生が独立しますが、そこでできた作物はグループの農業生産法人の販売ルートに乗せて販売します。また、独立後も当社が様々なご相談に乗ることができるので、結果的に当社の顧客開拓にも繋がっていると言えます。
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「Kom in de Kas」の旗
「Kom in de Kas」の旗
 
一般市民に栽培温室を開放
一般市民に栽培温室を開放
インタビュー

 東三河地域、特に渥美半島は観光スポットにもなっていますが、御社はHPで施設園芸先進国オランダを例に農業の観光資源化にも着目しているように見受けられますが、その辺りのお考えはいかがでしょうか?

 
説明 石黒社長
 これからは農業と観光が日本の重要な産業になると考えています。
 施設園芸を開放して、観光対象にするというアイデアがあります。オランダでは、「Kom in de Kas(温室に来てください)」という一般市民に対して野菜や花卉の栽培温室を開放するというイベントがあり、そのハウスの骨組みも白で統一するなど景観への配慮も見えます。しかし、日本のハウスは生産第一なので景観を考慮していないところがほとんどです。例えば、渥美半島は日本一の花の生産地でハウスの中は全部花というところもあるのですが、その近くを通ったとしても外からはそれが全く見えません。これは非常にもったいないことをしていると思います。花卉類の販売、ハウスそれ自体も観光資源の一つと考え、ハウスの‘妻面‘にハンギングバスケットをするとかハウスの周辺に花を植える等の景観整備をして、農業生産現場そのものを観光資源としてもっとアピールする方法はないものかと考えています 。
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インタビュー

 農商工連携は地域活性化を図る有効な施策として経済産業省としても力を入れている分野ですので、支援制度を活用していただき他の模範となるような取り組みを期待しています。最後になりますが、今後の御社の方針をお聞かせいただけないでしょうか?
 
説明石黒社長
 農業が魅力ある産業になるために何かしらの情報発信をしていきたいと考えています。昔は農業といえば重労働というイメージがあったかもしれませんが、現在はIT技術の導入により自動化・省力化を図れる部分も多くなっています。また、単純な収入というものも確かに大切かもしれませんが、それだけではない社会的価値・公共性(経済価値の創造、健全な生態系の維持、豊かな人間生活と社会・文化の発展)といった本来あるべき農業の姿、さらに農業という産業ならではの“命を育む”という心の豊かさを実現する事業として発展していくことが夢です。
 この志を同じくしたプロジェクトがGAIAプロジェクトであり、他産業の人材、農家、市民の皆様を巻き込んで地域全体の発展を図っていきたいと考えています。
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。農業に必要なノウハウを総合的に扱うトータルアグリカンパニーとして情報を発信し地域の活性化を促す御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 イシグロ農材株式会社  
石黒 功 社長
石黒 功 社長
本   社 愛知県豊橋市若松町字若松146  
設   立 昭和45年6月  
代 表 者 代表取締役社長 石黒 功  
事業内容

ガラス温室・ビニールハウスなどの農業用施設の設計・
施工・販売
栽培システムの開発と施工・販売、農業用フィルムの
加工・販売
農業用資材の販売

 
資 本 金 2,800万円  
従 業 員 300名(グループ全体)  
U R L http://www.ishiguro.co.jp/  
T E L 0532-25-5711  
F A X 0532-25-5574  
取材:平成 21年10日 総務課 情報公開・広報室

 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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