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中部発きらり企業紹介 Vol.42

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株式会社名城ナノカーボン
〜環境負荷の少ない次世代型素材であるカーボンナノチューブの活用提案をする大学発ベンチャー企業〜
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  今回は、エレクトロニクス分野、バイオ分野等で応用可能な次世代の素材であるカーボンナノチューブを、経済産業省の中小企業ベンチャー挑戦支援事業や地域資源活用型研究開発事業を活用してカーボンナノチューブの応用方法や大量製造方法について研究開発されている株式会社名城ナノカーボン(名古屋市中区)の橋本剛社長にお話を伺いました。

御社は、大学の研究成果を産業化する大学発ベンチャー企業としてご活躍ですが、会社設立の経緯等についてご紹介いただけますか。

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カーボンナノチューブ

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橋本社長:
  当社は、カーボンナノチューブ(以下CNT)という新素材を扱う大学発のベンチャー企業として、平成17年4月に設立しました。もともと、私は銀
 
SP 行に勤めていましたがベンチャー・新事業の創出に大変な関心があり、既存のビジネスでマーケットを奪い合うのではなく、モノ作りの新しいテクノロジーでベンチャー企業を興したいと思っていました。そこで、次世代の新素材であるCNTに注目し、CNTの大量製造や応用分野を研究されていた名城大学の安藤研究室に飛び込み、2年間にわたり修行に努めました。名城大学には、安
 
SP 藤義則教授をはじめ、CNTの発見者である飯島澄男教授が在籍されておりCNTについての最先端の知識に触れることができる一方で、こうした最先端の研究成果が社会に還元される体制が十分整備されていないことや産業界に対してうまくPRされていない現状を認識しました。そこで、安藤教授の多大な理解のもと、CNTの産業応用というこれまでにない新しいビジネスをはじめることにしたのです。  
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「ラボセット」

 

CNTは、エレクトロニクス分野でよく使われているシリコンに替わる次世代の素材と聞いていますが一体どのような特徴をもつ素材なのか簡単にご説明にいただけますか。  
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橋本社長:   そもそもCNTとは何かというと、その名のとおり、炭素(カーボン)がナノのスケールで円筒状(チューブ)になっているものです。このチューブ
、1本だけでできているもの(単層CNT)もあれば、多層の同軸管状になったもの(多層CNT)もあります。これらCNTの特徴としては、細くて軽いのですが極めて丈夫なうえ、電気を通す伝導体でありながら、構造によっては半導体にもなるというものです。 SP SP
SP こうした性質を活かして、半導体やディスプレイの透明導電膜などのエレクトロニクス分野や燃料電池や二次電池の電極などのエネルギー分野、更にはバイオ分野など、非常に応用範囲が広い新世代の素材として期待されています。当社は高品質の単層CNTの製造に取り組んでおり、ある程度まとまった量で販売しているのは、当社しかないと自負しています。また、少しでもCNTが身近になるようにと、様々なタイプのCNTを少量ずつ取り揃えた「ラボセット」も製造・販売しています。高品質の単層CNTやラボセットをはじめとした当社の製品は、瀬戸の製造拠点において生産しています。  
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モノ作りの基礎技術を商品化するためには大変なご苦労があると思いますが、どのような課題があるのでしょうか。また、その課題解決のためにどのような取り組みをされているのでしょうか。

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  細胞培養に用いるディッシュにCNTを特殊な技術でコーティングしたもので、 細胞が根付く際の“足場”となり効果的な細胞培養が可能

  分材料にCNTをコーティングするため、凝集しやすい
  CNTを特殊な方法を 用いて水溶液に分散化させる
  分散液

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橋本社長:
  CNTは、これまでにない全く新しい素材であるため、様々な産業分野にあるそれぞれのニーズにあわせて、CNTの見せ方を
 
SP 工夫していくことが重要です。そのためには、ユーザーに対して、素材としてのCNTを提供するだけでなく、その活用方法まで含めてコンサルティングするビジネスモデルを構築しなければならず、また活用方法を提示するための新たな研究開発投資も必要となります。例えば、写真は、当社が開発した分散液で、凝集しやすいCNTを特殊な方法を用いて水溶液に分散させたものです。CNTを何かの表面に塗布、コーティングするためには、こうした分散液の形にするのが必須になります。
さらに、この水溶性の分散液を販売するようになると、アルコール系の溶液に分散させたもののニーズが極めて高いことが分かりました。そこで、経済産業省の施策である中小企業ベンチャー挑戦支援事業も活用し、新たにアルコール分散液を開発しました。このように、CNTのビジネスにおいては、常にニーズにあった商品提案、マーケット・研究開発戦略が必要であり、日々の活動において最も苦労するところです。
 
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CNTへの期待や御社の今後の展開について橋本社長の思いをお聞かせください。
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橋本社長:
 CNTは、用途によってはその活用方法が確立されておらず、まだまだ発展途上にあると考えています。半導体としての優れた性質を活かすためには、CNTの薄膜や積層といった技術が不可欠ですが、まだ確立されていません。私は、CNTを薄膜や積層するためには、イン
 
SP クジェットやRoll to Rollといったプリント工程の技術が必要になると考えています。当社が開発した分散液やコーティングの技術は、このプリント工程においても非常に重要な役割を果たすものです。また、これまで培った技術をさらに深化させるために関連する企業と協働することも大切だと考えており、当社の成果発表やアライアンスを目的に、ナノテクノロジーや新素材などをターゲットにした展示会にも積極的に参加しています。今後、CNTが発展するためには、まとまった量を安定的かつ安価に製造する方法を確立することも重要です。当社では、平成19年度から2年間の予定で、経済産業省の地域資源活用研究開発事業により、関係機関とともにCNTの大量製造を目指したプロジェクトを実施中です。このプロジェクトの特徴は、これまで主に石油由来であったCNTの大量製造を、植物由来原料として樟脳(Camphor)を活用することで、真に地球に優しいCNTを産み出そうとするものです。今、世界は希少金属や石油資源の枯渇という問題に直面しています。CNTは、人工的に作り出せるレアメタルとしての可能性を秘めています。当社は、様々な取り組みを通じて、こうした可能性が現実のものとなるよう、また、日本発、中部発のCNTテクノロジーの産業活用を促進させることにより、地域産業の発展に寄与していきたいと考えています。  
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 株式会社名城ナノカーボン  
中部発きらり企業紹介社長
橋本剛 社長
本   社 愛知県名古屋市中区丸の内3−4−10
大津橋ビル
 
設   立 平成17年4月  
代 表 者 代表取締役社長 橋本 剛  
事業内容

カーボンナノチューブ製造販売 、製造装置の開発、 受託開発・コンサルティング

 
資 本 金 2630万円  
従 業 員 5名  
U R L http://www.meijo-nano.com/  
T E L 05 2−971−2408  
F A X 05 2−955−3257  

                                   取材:平成 20年9月8日 総務課 情報公開・広報室


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

〒460-8510 愛知県名古屋市中区三の丸2-5-2

TEL:052-951-0535 FAX:052-962-0557 E-mail:
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