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中部発きらり企業紹介 Vol.40

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                      株式会社平松食品

〜“世界の食卓につくだ煮を”を目標にした三河伝統の味〜
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  今回は、社員と目標を共有し、外部評価を積極的に活用して社員のモチベーションを高める経営を実践されるとともに、私ども経済産業省中部経済産業局の経営支援課が担当している「中小企業地域資源活用プログラム」を活用して“三河つくだ煮”の国内外マーケットの開拓に積極的に取り組んでおられる株式会社平松食品(愛知県豊橋市)の平松賢介社長に愛知県豊川市にある御津工場でお話を伺いました。



この豊橋地域には、食品工業の集積がありますが、当地に創業・立地した要因は何でしょうか?また、全国のつくだ煮産地にはどんな地域が
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社屋
工場

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小魚の甘露煮の煮付の様子
SP あるのでしょうか?御社の沿革を含めてご紹介いただけますか。
 
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平松社長:
  ちくわで有名なヤマサさんは江戸後期の創業であり約180年の歴史があります。一方、当社の創業は大正11年で約90年近くの歴史があり
 
SP す。この地域に食品産業が立地した理由としては、三河湾から小魚、貝、海苔等の豊富な海産物がとれたこと、醤油や味醂、味噌等の生産地が近隣にあり調味料の確保が容易であったこと、東海道に面し東西の交通や信州方面への交通の要衝であり流通に適していたこと、豊橋に師団が置かれ軍隊の保存食等の需要があったこと等があげられます。
全国各地につくだ煮産地はありますが、主な産地は、東京、広島、愛知、兵庫などです。その他、素材別のつくだ煮産地として、イカ・昆布の北海道、エビ淡水魚系の茨城、遠洋ものの焼津、琵琶湖の鮎の滋賀、ごり、クルミの金沢などがあります。主なつくだに産地の一つである愛知は三河湾の小魚系と名古屋の野菜系のつくだ煮に区分されますが三河湾から小魚が豊富にとれたことが当社の創業の大きな理由としてあげられます。
  このような理由で創業した当社は、昭和63年に豊橋工場の新設や株式会社化等の組織変更を実施し、平成12年にHACCP対応の御津工場を建設、平成16年にISO9001とHACCPの認証を同時に取得し、平成17年にはISO22000の認証も取得しました。
 
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厳しい衛生管理のもとでの作業の様子

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ISOの登録証及びHACCPの適合証明書
 

社長が経営改革に向けこれまで努力されてきたことや今後、新たな発展を目指して取り組まれていることについてお聞かせください。  
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平松社長:   つくだ煮は鮮魚を用いる生炊きつくだ煮と昆布・ちりめん等を用いる乾燥つくだ煮に大別されますが、生炊きつくだ煮は原料となる鮮魚等の
魚介類の入荷に生産が左右され、不安定要素が多く、販売までに手が回りませんでした。そのため、OEM生産に頼りがちな業界となりました。私が実家に戻ってきたころから、冷凍原料を用いた計画生産も可能になってきて、自社ブランド化を進める動きを始めました。流通ルートも新しい分野を見つけ取り組んだ結果、現在では、自社ブランドとOEMが約半々となってきています。また、自社ブランド化を進めたことにより社員のやる気が格段に違ってきました。それと食品の安全性確保のためのHACCPや品質マネジメントシステムのISO等の外部評価を積極的に導入することにより、社員が一丸となってそれにチャレンジする雰囲気づくりが醸成されました。ISOの取得は社員教育そのものであり、あわせてHACCPを定着させるための取り組みでもあります。また、HACCPの取得は世界のマーケットへのパスポートであり、“世界の食卓につくだ煮を”という目標を社員と共有化できたのでした。このように外部評価の導入や目標を共有化することにより社員の意識やマインドは格段に高まり、共通の目標を達成するための新たな展開として、万博への出店や、世界的な食品コンクールであるモンドセレクションに挑戦する素地ができあがりました。
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モンドセレクションの最高金賞を既に受賞されているのにその後も毎年挑戦されているのはどうしてなのでしょうか。
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モンドセレクションの最高金賞、金賞受賞の
トロフィー、メダル等


中部発きらり企業紹介画像モンドセレクション受賞と受賞した商品


SP また、世界のマーケットの獲得に向けどのような取り組みをされているのでしょうか。
 
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平松社長:
  モンドセレクションに、「さんま蒲焼」「いわし甘露煮」をエントリーし、各々金賞3回、最高金賞1回を受賞しています。毎年エントリーしているの
 
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は、モンドセレクションの事務局とのコミュニケーションを通じて国際的な情報が得られること、他のエントリー企業との交流によりモンドセレクション仲間といわれるようなネットワークが形成され、新たな気づきが得られるからです。このように世界的なコンクールにエントリーすることは、社内に次も連続して受賞するぞという緊張感が生まれ、つくだ煮を世界に広めるという共有の目標達成と相俟ってシナジー効果を生み出す有効な手段として機能しています。世界に向けての販路開拓については、国の「地域資源活用プログラム」の補助金を活用して米国や台湾等の食品見本市への出展や国内で開催するFOODEX・JAPANへの出展を通じて“テリヤキフィッシュ”としての商品イメージの確立・定着を目指し、米国、台湾、中国、シンガポール等のディストリビューターと商談を進めています。日本食ブームの中で、まだつくだ煮の認知度は低いため、世界の料理素材として発展できるような商品開発をしていきたいと考えています。なお、今回北米路線の航空機の機内食の食材に採用されることになり、量的には少ないのですがつくだ煮の認知度を上げる良い機会だと思っています。

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最後に、つくだ煮を世界の料理素材に発展させていくための御社の取り組みについてお話ください。
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世界のマーケットに通用する食材として
”ご飯につくだ煮”という固定概念を変える。

 
平松社長:
  つくだ煮を世界の料理素材としていくためには、国内マーケットを活性して足元を固める必
要があります。日本の食卓は多様化してきており、多様化する食シーンに合う食の提案や変化への対応をしていかなければなりません。私たちは現在、“ご飯につくだ煮”という黄金律を否定することにより、そこから新しいマーケットを見いだしていけたらと思っています。お米を白いまま食べる文化を持っているのは、案外日本だけなのかもしれません。その食文化の中にだけ留まっていては世界的な広がりが得られないと考えたのです。また、意外かもしれませんが、つくだ煮は外国人にとってまだ新しい日本食素材です。外国人とコミュニケーションをとりながら、食材として外国の食文化に適った変化をしていけば、つくだ煮は世界共通の食材として発展していく可能性があると思っています。SP SP
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 株式会社 平松食品  
中部発きらり企業紹介社長
平松  賢介
本   社 愛知県豊橋市梅藪町折地2番地の  
創   業 大正11年  
設   立 昭和 63年9月  
代 表 者 代表取締役社長 平松   賢介  
事業内容

佃煮の専門店。あさり・さんま・いわし等、三河の佃煮や甘露煮を加工、販売

 
資 本 金 1000万円  
従 業 員 136名  
U R L http://www.bisyoku.com/  
T E L 0532−52−6163  
F A X 0532−56−3434  


取材:平成 20年7月14日 総務課 情報公開・広報室


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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