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中部発きらり企業紹介 Vol.38

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徳田工業株式会社
〜航空機製作を担う難削材・新素材加工のスペシャリスト〜
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  今回は、私ども経済産業省中部経済産業局の製造産業課で担当している委託費事業である「戦略的基盤技術高度化支援事業」を平成19年度から活用して、「難切削金属材料に対応した切削加工技術の開発」に取り組んでおられる航空機・自動車関係の模型、マスターモデル製作から部品加工などを行う徳田工業株式会社(岐阜県各務原市)の徳田泰昭社長に岐阜県可児市にある可児第2工場でお話を伺いました。
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御社は昭和23年に創業されたとお聞きしておりますが現在までの沿革についてご紹介いただけますか。

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可児第 2工場

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モックアップ(実物大模型)
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徳田社長:
  当社は私の父(現会長:徳田周作)と叔父(現顧問:徳田寿恵雄)の2人で昭和23年に岐阜市で徳田木型製作所として鋳造用木型の製作で創業したのが始まりです。
 
SP 今日の航空機の仕事に入るきっかけとなりましたのは、昭和30年頃川崎重工からT33ジェット練習機のマスターモデル(木型)の注文を受けたことによります。その後マスターモデル以外に治工具の注文も受けるようになりました。一方、昭和40年代には自動車部品メーカーからの引き合いで自動車のマスターモデルの製作等を行い事業分野も広がりました。
  航空機は開発する時は必ず実物大の模型を作り、いろいろな設計審査をしてその上で実際に開発していくのですが、そのモックアップ(実物大模型)や風洞試験用の風洞模型(縮尺モデル)等を受注しました。金属で模型を作ることが今日の航空機部品の下地となりました。航空機の部品加工に入りましたのはボーイング777の時代です。従来は図面(線図)からマスターモデルを起こし
 
SP て治工具を作り、部品も板金ものが多かったのですが、777の時代から全面的に3次元CAD をを使い、マスターモデルの大部分は、3次元CADデータに置き換わり、治工具や金型なども直接CADデータから作ることになるわけです。部品も1つの板から削り出して立体形状した方が早く、多軸制御のマシニングセンターで一気に削り出してしまうという作り方に変っていきました。多軸加工につきましては、複雑な形状の自動車の型を5軸加工で既に行なっていましたので航空機に必要な5軸プロファイル加工のNCデータ作成用CAMソフト等も手元にあり、平成7年には5軸プロファイラーを購入して航空機部品の加工を開始することができました。
  現在の航空機と自動車の売上高の比率は6:4ぐらいで航空機の比率が高く、航空機でも部品の売上が模型、治具の倍近くになっております。
 
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高速横型5軸プロファイラ
 

御社はプレート材から直接削り出すプロファイル加工に特化され、高精度かつ高効率な加工技術を有していらっしゃいますが・・・・・・。  
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徳田社長:   航空機部品加工の参入が最後発でしたので、今から他社と同じことをするのではなく多少リスクはありましたが最初からプロファイル加工
に特化いたしました。通常プロファイラは縦型で、上からヘッドを突き出して加工するのが一般的ですが、当社は横型です。これはプロファイラは板から全て削り出すため材料の90数%が切り屑になり、切り屑の体積は元の40倍に膨れあがるといわれ、切り屑の材料歩留まりが極めて悪く、この切り屑をどう処理するかが問題であり、最後発で入るならこの切り屑の問題を全部解決したいということで横型にしました。上からですと積もっていきますが、横型だと切り屑が全部下に落ちるという単純なものです。横にしま
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すと温度的バランスが崩れ、機械の精度も悪くなり、リスキーな話でしたが、機械メーカーの方と相談しながら精度面等でもクリアできる横型機械を開発できました。以来当社の工作機械はほとんど横です。
 
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御社はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)等難削材加工で技術力を発揮され、当省の戦略的基盤技術高度化支援事業でも「難切削金属材料に
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チタン加工部品

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穿孔用治具(FRP)
SP 対応した切削加工技術の開発」として採択されていますが、難削材加工に取り組まれようとされました理由や問題点等をお教えいただけけないでしょうか。
 
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徳田社長:
  航空機は新しい機種が出るたびに加工機械や材質も替りますので、それに付随した加工技術等が常に開発されます。
 
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部品加工を行なう上では航空機会社の求める材質と技術水準を満たしていかなければいけません。従来はジュラルミンのプロファイル加工が中心でしたが、ボーイング787ではCFRPの比率が高まり、従来使えたジュラルミンが使えなくなり、チタン合金にせざるを得なくなりました。当社では、CFRP部品同士を繋げるフィッテイングという部品をチタンで作りますが、チタン合金はすごく粘りけが強く熱が伝わりにくいため、加工するには難しい材料です。
  また、CFRPは炭素繊維とエポキシ樹脂という、まったく性質の異なる材料で作られた複合材料であるため、これもチタン合金とは違った意味で、非常に加工が難しい材料です。

 
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更にCFRPの成型用金型には難削材のインバー材(鉄とニッケル36%の合金)が用いられますが、CFRPは金属と異なり、ほとんど伸び縮みしませんのでCFRPで部品を作るにはCFRPとほとんど線膨張率係数が同じものを型材として使用しなければならず、この点も課題といえます。
  現在は加工技術の確立を開発中ですが、量産体制に合う早くて安定した加工条件を見つけたいと思っています。顧客の要求に合致し、かつ安価で刃持ちも良く品質も損ねない加工方法を見つけるためにはエンドレスの研究となります。納期と加工速度も従来と同じものが要求されますが、部品加工は労働集約的な面が多く、現在の状況ではコスト面や生産速度でも量産体制といえるような状態にはいたっておりません。
  当社ではCFRPやチタン合金の加工に適した機械を投入して対応しておりますが、顧客の要望に合うような技術水準を確立していくには技術開発が常に必要であり、研究開発と設備投資が不可欠ですが、研究開発スタッフは限られており、かつ資金調達の面でも大変であり、戦略的基盤技術高度化支援事業は資金や人材不足の中小企業にとりましては国がリスクヘッジをしていただけるということで大変助かる制度です。
 
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徳田工業(株)の製品内容
 

最後に、御社の今後の方針をお聞かせ願えないでしょうか。  
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徳田社長:   顧客からの要求にフレキシブルに対応してきた結果、航空機と自動車事業が残り、この輸送機器分野で進んでい
こうということに今後も変りはありません。特に、航空機の需要を見ると輸送機器の中でも安定的に成長していく部門だと思いますのでもっと大事に育てていきたいと思っております。顧客の要求をできうる限り満たし、なるべく先取りして対応していきたいと考えています。横型のプロファイラやCFRPでも先に出た方が損な部分もありますが、後から出て後悔するよりも先に出た方が良いと思います。航空機は投資の額が増えてきますので、それだけリスクも増えてきていますが、いろいろな制度を利用して設備投資と資金調達をしております。
  今後とも、当社は日々新しい技術に挑戦し続け顧客の多様なニーズに応え満足と信頼を得ていきたいと思っています。 
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 徳田工業株式会社  
中部発きらり企業紹介社長
徳田 泰昭 社長
本   社 岐阜県各務原市金属団地209番地  
創   業 昭和22年6月  
設   立 昭和44年6月  
代 表 者 代表取締役社長 徳田 泰昭  
事業内容

ビデオカメラから自動車・航空宇宙等の産業分野における模型製作、成形、各種治工具の製作

 
資 本 金 3000万円  
従 業 員 135名  
U R L http://www.tokuda.co.jp/  
T E L 058-380-0003  
F A X 058-383-8484  


取材:平成 20年4月25日 総務課 情報公開・広報室


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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