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中部発きらり企業紹介 Vol.36

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株式会社ナック
〜ナノレベルの微細加工技術や微細泡発生技術を有する総合モノ作りメーカー〜
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  今回は、東海ものづくり創生プロジェクトに参加されておられる株式会社ナック(岐阜県関市)の中島洋司社長にお話を伺いました。
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御社は昭和48年に創業されたとお聞きしておりますが、現在までの沿革やナノ加工に至る経緯等についてご紹介いただけますか。
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中部発きらり企業紹介画像
株式会社ナック本社 外観

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多面同時5軸立体マシニングセンタ
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中島社長:
  私は、建築現場で働いておりましたが何かしてみたいと思い、見よう見真似で機械を購入して作業経験のある溶接業を昭和48年に始めましたが、全くの素人で不安でした。
 
SP  最初は、溶接機と ボール盤があっただけで あとは毎月サンダーを買ったり、ドリルを買ったりという形で一つずつ増やしていきました。 自分自身が繰り返しやる ことが苦手でしたので、テスト品いわゆる単品物の仕事をしていきました。今の新しいものを開発していくという仕事はそのところからできあがってきたと思います。連品物、量産物の仕事をしていたら現在のような仕事はしていなかったと思います。 創業して10年近くは単品物を中心に仕事をしておりました。
  創業して8年ほどすると、単品物に機械加工の部品を取り付けていくという仕事が増えてきました。しかし、当社には機械がないため外注しておりましたが、そうこうしているうちに、機械加工の面白さが分かってきたので、溶接だけではなく、機械加工もできる会社にしていかないと駄目だろうと考えるようになっていきました。
    そして、知人から切削機械を一式購入したことが機械加工の始まりとなりました。その後、10年を費やして、 機械加工と溶接を一つの会社でやれるということが分かってきましたので、次の10年は開発をしようと考えました。開発を始めて4年ぐらいは機械の開発をし、洗浄機の開発等を行っていましたが、特許アドバイザーの松永さんから、岐阜大学のシーズ(フィルム加工)をしないかという話をいただ いたことが、ナノ加工に至るきっかけとなりました。
 
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5軸加工機で加工したブレード
 

金属加工業から異分野のフィルムの開発に携われた理由を教えていただけませんでしょうか。  
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中島社長:   知人からの紹介でしたから断ることも考えず引き受けました。
5種類ぐらいの商品を見せてもらいましたが、当社が機械の開発を初めて5年ぐらい経過し、資金も厳しくなってきたところでしたので、これから新しい商品開発となると、新しい金型を作らなければならず経費が掛かります。フィルムを見たときにこれは金型を作らなくてもいいということでやることにしました。その後、大学の新入生と共に、週2日ぐらい大学に通いフィルムとは何かというところから勉強しました。 SP SP
 

ナノ多孔質フィルム「モノトランフィルム」の特徴等についてお話しいただけますか 。
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マイクロバブル発生機

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モノトランフィルムを採用したコンパクトボンベ「静」
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中島社長:
 モノトランフィルムそのものは大学の先生が開発をされておりましたが、それを商品化するのが誰も出来ないことでした。 モノトランフィルムには、様々な機能があります。
 
     視界制御機能(フィルムを通した向こう側が正面からは見えるが斜めからは見づらい)、微細泡(マイクロバブル)発生機能(フィルムに不織布を貼ることにより、直径50μm以下のマイクロバブルを発生させる)、気体透過機能(塵・埃・細菌・ウィルスなどを通さずクリーンなガスを供給)、気液分離機能(液体から気化したガスのみを取り出す)等があり、これらの特徴をいかした様々な用途が考えられます。
   マイクロバブルの開発は、フィルムの開発を開始して、2年ほどしてから、「空気は透るが水は透らないかもしれない」との話 を聞き、これを表現してみようということで当社で開発することにしました。 開発中に名古屋の展示会に出店することになり、上に水を入れ、フィルムを境目に入れて圧力を加えました。そうしたら、5mmぐらいの大きさの泡が一分間に5個ぐらい出ました。しかし、一分間に5個ではどうにもならないため岐阜大学の先生に話をしたところ、撥水性が原因だろうと教えてもらい 、フィルムの表面処理などを色々試しました。
  その中の一つがコロナ処理(撥水性から親水性にするための表面処理を施すこと)というもので、実はこれも展示会で見つけたのですが、私どものブースの裏側で親水性の不織布を展示していまして、それを貼ってみたら細かい泡がパーッと出始めたのです。
 
      それが泡の第一号です。その後研究を重ね、生きた魚を持ち運ぶ時に利用できる微細な泡を生成できるモノトランフィルムを採用したコンパクトボンベ「静」(しずか)という製品を技術シーズを貰ってから約5年で商品化しました。これは世界でも画期的な商品だと考えています。
   また、泡の新しい機能で「水の浄化」という考えもあります。これまで水の浄化はバッキ式が主でしたが、静かに浄化していく方向に世の中が変わっていくと思います。比重による分離、泡が細かいことにより対流を作らずに、水の中で比重によって層を作ろうと考えています。一つの方法として、電荷を使い、ゴミに泡 を付着させ、それを泡で持ち上げていく。これについては特許の出願を終えています。

   

 


中部発きらり企業紹介画像
 

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携帯電話覗き見防止フィルム
 

研究開発の礎ともいえる社員の研修・教育についてはどのようにお考えですか。  
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中島社長:   普通は工作機械が操作できるまで3年ぐらい掛かりますが、当社は1年ぐらいでだいたいの商品が作れるぐらいになります。
    当社は教育というよりも、自分の実践というか体験で覚えるようにしております。そのためには、不良を出してもいいので実際に機械を使わせて体験から学んでもらっています。 また、お昼休みを使っていろんな話を毎日しています。会社の実情や経済情勢等々で、仕事を主眼においた社員教育ではなく、いつもと違うことがあったら、おかしいなぁと気づく、感じられるような人間になってほしいと考えています。

 

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東海ものづくり創生協議会に参加されていらっしゃいますが・・・  
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中島社長:   東海ものづくり創生協議会ではいろんな企業に連れて行ってもらい、いろんな企業が様々な事業を行っていることを体験でき 固定化した見方ではいけないことを実感しました。
    ナノテクではモノトランフィルムがブランド化しつつあるということが感じられ嬉しかったです。 展示会には何回か参加させていただいておりますが私どもとしては、企業の展示会というよりは、大学やいろいろな企業・団体等が参加するようないわば町全体の地域の展示会という方が魅力的です。この方が気楽に話せ、そこから様々なアイデア等が生まれてきます。 SP SP
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最後に今後の商品展開や課題についてお聞かせください。
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モノトランフィルム採用ボンベ
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中島社長:
  あと10年でフィルムとしてのメーカーを目指したいと考えています。使用用途の広いフィルムの加工会社と、もう一つは、クレーズフィルム及びその周辺の機能の開発そのようなものを主体としてやって行きたいと考えています。 商品開発は既存の製品メーカーさんとタイアップした形で行っていきたいと思っています。
    いろんなメーカーさんの力を借りて商品開発を行っていくのがベストだと考えています。 フィルムが使える用途はものすごく広く、商品メーカーさんがこんなフィルムを使いたいという要望に応えられるフィルムメーカーになりたいと考えています。また当社はクレーズフィルムという製造特許から基本特許を含め、多くの特許申請をしており、内的財産も確保していくことも重要だと考えています。
 
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本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
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              《《《 会 社 概 要 》》》
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会 社 名 株式会社ナック  
中部発きらり企業紹介社長
中島洋司 社長
本   社 岐阜県関市倉知藤谷西ヶ洞2900−1  
創   業   昭和48年4月  
設   立 平成5年8月  
代 表 者 代表取締役社長 中島 洋司  
事業内容

一般部品加工・溶接加工及び切消加工・冶工具製作組付け・産業機械・専用機設計及び開発・製造アイデア製品開発・ナノ多孔質フィルム加工・微細泡発生装置設計及び開発、製造

 
資 本 金 5000万円  
従 業 員 40名  
U R L http://www.nac-nmg.com/  
T E L 0575−24−2218  
F A X 0575−22−4266  


取材:平成 20年3月4日 総務課 情報公開・広報室


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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