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中部発きらり企業紹介 Vol.34

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フルタ電機株式会社
〜“風技術”を核とした、メカトロ化・省エネ機械の開発・製造・販売〜

  今回は、中部地域の産学官が連携して取り組んでいる“環境付加価値を創造する製品開発支援ネットワーク”『エコプロネット』への参加企業で、“流体技術”を核としたメカトロ化・省エネ機械の開発・製造・販売を行っているフルタ電機株式会社(本社:名古屋市瑞穂区)の古田成広社長に愛知県春日井市にある春日井工場でお話を伺いました。

御社は1936年に創業されたとお聞きしておりますが、創業された経緯、きっかけについて最初にご紹介いただけますか。

フルタ電機株式会社(春日井工場)
 
古田社長:

  当社は、モーター技術者であった祖父が、名古屋市瑞穂区にモーター販売・修理業として創業したのが始まりです。創業当時、当地は航空機をはじめとした多くの産業が発達した地域でありモーター関連の需要が多くあったと聞いております。事業は順調でしたが転機は戦後東海地方を襲った伊勢湾台風にありました。その頃、モーターの技術革新が進んでいましたがまだ大多数の工場は旧世代のモーターを使い続けていまし

 
た。しかし台風によって多くの工場が水没被害に遭ったためにモーターの取り替え需要が一気に来ました。一時的には好況でしたが「この流れを軽く見るといけない」という危機感があり、モーターを利用したセットメーカーへの道を模索する事になりました。その時最初に出会ったのが工場専用扇風機が欲しいというニーズでした。それを叶えるために大変な苦労をしましたが現会長である父の意志決定でファンの分野(流体技術)に進出していくことになりました。当地域は工業だけではなく農業、水産業等の分野も盛んであったことも当社にとって幸運であったと聞いています。
 

電動昇降式防霜ファン(DFG)


暑熱対策型換気扇RK
 

御社では、水産業・農業など非常に幅広い分野で事業を展開されていますが、各事業を簡単にご紹介いただけますか。  
   
古田社長:   当社は核となる流体技術を生かしてお客様と一緒に今までに無かったアイデアを形にしてまいりました。現在、施設園芸事業、畜産事業、
防霜事業、水産事業、たばこ事業、一般産業機械及び環境事業の6分野において、それぞれ独自の事業展開をしております。例えば1年を通してトマト等の野菜や果樹が食べられるのは、施設園芸の普及によるものであり当地はその先進地域でもあります。そこに当社は換気扇だけではなく吸気口、制御装置をセットにした「施設園芸専用トータル換気システム」を開発、同時に生産者にきめ細やかなサービス提供を行いました。これらが評価され現在市場占有率は60%を超えています。畜産事業においては酪農、肉牛、豚、採卵、ブロイラーといった畜種に最適な送風方法及び専用送風機を開発し、ストレス無く短期間で出荷するためのお手伝いをしています。水産事業と当社の関わりは板海苔自動製造機械メーカーに乾燥工程で使う送風機を納めたことがきっかけでした。その後、品質の良い海苔を作るために異物除去をする機械や裁断をする機械、濃度調整をする機械、色艶を良くする機械等を商品化しています。防霜事業はその名の通り霜害から作物を守るためのシステムです。これは送風機を使って茶園の霜害対策ができないものかというニーズによって取り組み始めました。霜は(1)晴れた(2)風の無い(3)温度が0度近辺まで下がる日に発生します。ならば上空にある逆転層と呼ばれる暖かい空気を専用送風機によって茶園に吹き下ろす事でこの(1)から(3)のAND条件を壊してやれば霜自体が発生しないと考えました。多くの苦労の末に当社は現在の基本原理である有角水平首振装置付送風機を考案、試験機を設置し、その後何年も葉面温度を測  
定しながら逆転強度と霜害の関係を分析し、実証試験を繰り返し本方式が有効である事を確認し製品化を行いました。その後も防霜ファンは改良を重ね、現在では霜害対策として無くてはならないものといわれるようになりました。当社の防霜ファンだけでも日本国内に数十万台使用され、市場占有率60%を超えております。2005年には文部科学大臣から「効果的な茶園及び果樹園用防霜ファンの開発」で科学技術賞を頂戴しました。
 

ご紹介いただいた農業、水産業以外に、最近御社では産業・環境分野に力を入れているとお聞きしたのですが・・・。

ミストコレクタ(エコノミスト)


低圧エアブロー(コンプレス)
 
古田社長:
  ご存じの通り、中部地域はモノ作り産業の盛んな地域であるとともに、近年の地球温暖化の問題などから、製品や作業環境などの環境対応や
 
省エネ化が注目を浴びています。そこで、当社としても、保有する流体技術を活かして少しでもお客様のお役に立てればということで、2000年以降、本格的に研究開発を始めました。その結果、まず、2003年に工作機械で発生するオイルミストを捕集する『エコノミスト』を発売しました。従来、作業現場では、各種加工機械を冷却するために使用されるオイルが霧状になるため、それが床におりて油汚れになったり、照明の汚れから何となく工場内がモヤモヤとするといった作業能率や冷暖房コストへの影響が出ていました。しかし、当社の『エコノミスト』の捕集力により、“工場内のモヤモヤが消えた”、“床掃除の回数が減った”などお客様から大きな反響をいただいております。また2005年には70Wで風速1メートルの風を20メートル先まで送ることができる省エネタイプの送風機『フォローウィンドFW35』を、2006年には消費電力を従来のエアコンプレッサーの1/3から1/10まで抑えさらに改正省エネルギー法にも対応した低圧エアブロー『コンプレス』を、2007年にはノズルを用いない細霧発生送風機『テンペスト』を相次いで発売しました。中でも『コンプレス』は低騒音で定期点検の不要な特殊ファンを採用し、専用ノズルと一緒にパッケージとして省電力なエアブローを提案できます。又、エア源を作業現場の間近におけるため大がかりな工場内の配管も不要となります。押出成形・加工・乾燥・洗浄の後で行う水切りや吹き飛ばしといった用途で効果的です



 

昨年11月に開催されましたモノ作りエコデザインシンポジウムで紹介されました省エネ環境対応製品の『フォローウィンドFW45』について、ご説明いただけませんか。
 
古田社長:
  『フォローウィンドシリーズ』のコンセプトは小電力で静かに遠くまで風をとばすと言うことです。FW45の場合150wの電力、そして騒音値52dBで風速1mの風を33m先まで送ることができます。従来でも風速1mの風を同じように遠くまで送ることは可能でした。しかしながらそ
場合にはこのファンよりもずっと大きな1500wクラスの電力が必要でした。さらにそれらのファンは約80dBというものすごく大きな騒音を発生させていました。ですから「設備はしたものの作業者が難聴になりそうなので動かせない」とか「動かすと電気代が馬鹿にならない」といった声が多く聞こえていました。FW45はそういった声に応えるために当社が持つ風をまっすぐ飛ばす技術を応用し開発しました。実際現場で運転をすると「音がしない」とか「本当に屋上換気扇まで風が届く」といった声が多く寄せられています。このファンは「工場内冷暖房の出口前に置くことで、ダクト工事を付加することなく冷気や暖気を狙ったところまで送ることができる」とか「大きな空気の流れを作り出すことにより局所的に発生する熱気だまりや冷気だまりを破壊し室温を平準化させることができるから設定温度を省エネに振れる」といったように現場の方々から「今まで諦めていた用途を実現できる」と評価して頂いています。現在は、用途に合わせてキャスター型のほか、アングルや電線ラックに取り付け可能な吊下型も販売しています。
 
   
フォローウィンド(FW45)


 
フォローウィンド(吊下型)


現在、積極的に環境対応製品を発表されている御社ですが、中部地域の産学官が連携して取り組んでいる“環境付加価値を創造する製品開発支援ネットワーク”『エコプロネット』へも参加されていますね。

風速1mの風が33m先まで
 
古田社長:
  エコプロネットに参加して始めてわかったことですが、非常に多くの企業が様々な形で環境対策を行っており、環境に対する色々な切
 
り口があることを認識でき、大変刺激を受けました。そんな中、先ほどお話いただきました昨年11月の中部経済産業局さんとエコプロネット主催の「モノ作りエコデザインシンポジウ
 
ム」では、当社の製品で多くの企業さんの省エネ、作業環境の改善に役立てればということで、プレゼンテーションをさせていただきました。また昨年12月に東京ビックサイトで開催されたエコプロダクツ2007でもエコプロネットのブース内に参加させていただくことができました。その後、多くの方からお声をかけていただき、お取引をさせていただいている企業もあります
 

フルタ電機が提供する商品


最後になりますが、御社の今後の企業活動の方針について、お聞かせいただけますでしょうか。
 
古田社長:
  私は当社が70年の歴史を持っていることを踏まえた上で、今後もお客様がイメージしている当社像と当社がご提案できる内容が常に一致するようにしていきたいと考えています。しかし同時にアイテムにおいてその制約を受けてはならないとも思っています。これからも当社の特
である「お客様とともに用途を特化した汎用品を提供する」ビジネスモデルを果敢に推進してまいります。そのためには今までと同様に経営陣が全国に出没して直接いろいろなお話を伺います。また当社が日本全国に展開する多くの拠点の設置目的である“産地のど真ん中でお客様の問題解決のお役に立ちたい”という考えを深化させてまいります。実際、拠点があることによりその地域のお客様と直に接することができ、それが地域にあったご提案や新しい商品づくりにつながります。おかげさまで現在、事業別に多くの開発案件を抱えている状況です。風を創造し演出する企業として今年も数多くの新商材を積極投入してまいります。このように既存事業のブラッシュアップをしながら新規市場への進出も準備中です。これからも、“お客様の近くへ”という気持ちを大切に、問題解決のお手伝いをしながら最終的には感謝される企業でありたいと思っています。
 

本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
 
              《《《 会 社 概 要 》》》
   
会 社 名 フルタ電機株式会社  

古田成広 社長
本   社 愛知県名古屋市瑞穂区堀田通7−9  
設   立 昭和35年1月  
代 表 者 代表取締役社長 古田成広  
事業内容 風力機器製造業  
資 本 金 3200万円  
従 業 員 189名  
U R L http://www.fulta.co.jp/  
T E L 052−872−4111  
F A X 052−872−4112  
取材:平成 20年1月17日 総務課 情報公開・広報室
 


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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