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中部発きらり企業紹介 Vol.33

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アルファ株式会社

アルファ株式会社
超微量粉粒体制御技術のプロフェッショナル集団

  今回は、経済産業省中部経済産業局の企業育成総合支援室で担当している東海ものづくり創生プロジェクトのひとつ「ロボット技術(IRT)クラスター事業」に参画されているアルファ株式会社(愛知県春日井市)の堀富士夫社長にお話を伺いました

御社は平成13年4月に創業されたと伺っておりますが、創業された経緯、きっかけなどついて最初にご紹介いただけますか
社屋
アルファ株式会社
 
堀社長:
  私は、平成2年に大手粉体機器メーカーに入社し、粉体機器の製造やプラント設計、営業などの仕事をしていました。バブル景気がはじけた頃だったと思いますが、世の中の多くの企業では、定年退職の年齢が延長されはじめ、当時40才だった私は、漠然とあと20年このまま働くことで良いのかと思うようになりました。また、当時、営業担当で強く感じていたのが、お客様には喜ば
 
れたいが、設計・製造部門からコストの問題などでお客様のニーズに十分応えられないもどかしさでした。
  そこで、平成13年3月に大手粉体機器メーカーを退職し、これまでの粉体機器の技術や経験を活かして、粉体機器の設計・製作・施工を手掛ける事業に挑戦することを決意し個人で開業しました。営業時代の経験では、大手企業は500〜1000万円程度の製品は利益幅が少ないため手掛けません。町工場も自ら設計図を起こして粉体機器を製造するノウハウはありませんので、ニッチ産業として十分やっていけると思いました。
 
ダストディパーチャα
粉塵供給装置
『ダストディパーチャーα』
 

大手粉体機器メーカーを退職後すぐに創業されたわけですが、大変ご苦労も多くあったのではないでしょうか。  
   
堀社長:   現在、当社では、基本設計と最終の部品組立は自社で行い、各部品の製作は協力会社さんにお願いしています。また、モノ作りに必要な旋盤加工・フライス加工・溶接などの基礎技術は社内で保有しています。創業当初は、工場がなかったため、協力会社先にお願いして工場の一角を借り、製品の組み立てと試運転・完成検査をしてそこから納品していました。1、2年は順調に進んでいたのですが、得意先の事情により仕事が減ってしまいました。
  そこで、まずは魅力ある製品を提供するため自社製品を作ろうと思いました。加えて、お客様に気付いていただくため、ホームページでのPRに力を入れました。当社は、平成16年1月に、“当社の製品を通じて、お客様、 協力会社さん、当社に何かプラスαが生まれればいいな”という思いでアルファ株式会社を設立したのですが、世界中にアルファという名前の企業が数多く存在するため、ホームページでは特に工夫を凝らしました。当社では、ホームページを5つほど持っており、粉体機器を探されているお客様が、検索されると思われる粉体関係のキーワードをページの内容に数多く盛り込み、検索結果に反映されるようにしており、問い合わせの約7割がホームページからです。「微量粉末供給機」と特定の用語で検索すると、検索結果トップページのほとんどが当社のサイトとリンク先になるものもあります。また、トップページに入らないキーワードの場合でも100件以内で何回も出てくることもあります
 

御社では、各種粉体機器を製造販売されていますが、現在、特に力を入れている製品をご紹介いただけますか。
ゼロバランサー
超微量粉末自動軽量機
『ゼロバランサー』
 
堀社長:
  当社の事業内容は、粉体機器製造からプラントエンジニアリング設計・製作・施工、省力化設備設計などを掲げていますが、現在、100%粉体機器の製造に従事しています。当社では、混合機、供給機、計量機、集塵システムなど各種粉体機器を製造していますが、特に力を入れているのが昨年の11月に販売開始した超微量粉末自動計量機『ゼロバランサー』です。
  このゼロバランサーは、電子天秤使用で
 
計量をなくした自動計量機で、粉末の供給量を微量調節できることによって±0.2rの精度で自動計量することができます。 この商品はお客様に育てていただいた装置です。当時±100rの精度で販売していたところへあるお客様が見え、「うちでは±15rの精度が欲しいのだが市場には無いのでお宅なら作れそうだから協力してもらえないか」と言われ1/10ならばと引き受け新規設計をして納入しました。±15rの精度を公表すると、「うちでは±5rの精度が欲しいのです」と依頼され大幅改良してできたのが『ゼロバランサー』です。その後も±5rの精度を公表すると、「うちは±0.2rの精度なんです」と依頼が続き微量粉末自動計量機でのニッチ市場に気がつきました。微量粉末の計量は、医薬品、試薬品、化粧品、化学品、電子部品 、自動車関連産業などの幅広い分野で重要とされていますが、従来、この作業はパートや派遣職員の手作業で行われていました。医薬品業界や研究機関では、研究者が手作業で行っています。つまり、多くの企業や研究機関では、この計量作業に時間や人件費を費やしているわけです。また、触りたくない劇物、吸い込みたくない毒物、爆発性のある粉末など危険を伴う場合あります。そこで、当社製品の自動化システムにより、安全性と人件費削減によるメリットをお客様に提供することができるわけです。ちなみに、『ゼロバランサー』を応用して開発した粉塵供給機『ダストディパーチャーα』はJIS粉体を用いた粉塵量実計量方式では業界初の粉塵環境試験装置になりました。
  また、当社では、コア技術である粉体を1粒子ずつ精密に供給できる技術により、お客様が取り扱う粉末の違いにあわせて、ゼロバランサーをカスタマイズすることもできます。世の中には、数百種類以上も異なる特性を持つ粉が存在しますので、まだまだ、多くのお客様のお役に立てる可能性があると思っています。
 

自動運転操作画面

メニュー選択画面 重量値設定画面
自動運転操作画面
メニュー選択画面
重量値設定画面
パウロ1
高精度粉末自動供給ロボット
『パウロ・リソッド』

パウロ2
高精度粉末自動供給ロボット
『パウロ・ブレンド』
 

御社では、ゼロバランサーの他にも、高精度粉末自動供給ロボットを9月に開催された「ロボットビジネスフォーラムin Greater Nagoya」において出展されたと聞いておりますが、これはどういったものでしょうか。  
   
堀社長:   これは、当社の粉末微量供給技術により、粉末で描画・散布あるいは固定積層化して立体成型する高精度粉末自動供給ロボット『パウロ』で
す。開発したきっかけは、当社の粉末微量供給技術に注目したお客様が、“マス目に粉末微粒子を正確に一定量ずつ供給することができないか”という要望からです。酵素菌開発研究現場では、菌床のバラツキで菌の培養結果にバラツキが生じるなど、この技術への期待が高いと感じました。また、もともと計量した微量粉末をビンやカプセルに直接入れたいというニーズも多いのです。
 従来の計量方法では容器を載せるたびに天秤の安定を待つ時間が必要なので、計量時間を短縮するためには、容器を載せ替えずに連続して計量することが必要となります。そこで、ロボットアーム装置と組み合わせ、粉末の供給機側を動かす工夫と、一度に多数の容器を載せることによって、連続して計量することが可能になりました。このロボットの開発・製品化には、東海ものづくり協議会アドバイザーの方々の助言が大変参考になり、世界で初めてのシステムが実現できました。
 

御社は、当局が推進している産業クラスター計画の東海ものづくり創生プロジェクトのひとつ「ロボット技術(IRT)クラスター事業」に参画されていますが、これらの取り組みについてどう思われますか。

パウロ・ソリッドによる
一定密度供給


パウロ・ブレンドによる
容器充填や比例配合
 
堀社長:
  当社では、ロボット技術(IRT)クラスター事業の他にも、東海ものづくり創生協議会、尾張・東濃ものづくり産学官ネットワークの会員になって
 
います。これらの会員になったことで、産学官連携の情報提供や各種展示会への出展、メールマガジンでのフォーラム案内、専門家アドバイザーの派遣を受けることができました。
  この中で、特にアドバイザーの方の技術評価やサポート、特許取得支援が大変役に立ちました。現在、当社は20以上の特許出願をしておりますが、当初は大手企業さんとの共同研究で、特許に関する取り決めをどうしたら良いかなど、特許や法律についての専門家がいない当社のような企業にとってはわからないことだらけでした。そんな時に、相談できる方がいることは、本当に心強いことです。また、ロボットビジネスフォーラムin Greater Nagoyaのほか、粉体工業展大阪、クラスタージャパンテクノフェ ア2007、国際ロボット展2007等に出展できたことで300社以上のお客様にも当社製品を知っていただくことができました。
 

微量粉末供給部の詳細

 

最後になりますが、御社の今後の企業活動の方針について、お聞かせいただけますか。  
   
堀社長:   まずは、当社 「ゼロバランサー」の販売促進に取り組んでいきたいと思います。そのためには、引き続き各種展示会に出展し、当社の技術、製品を知っていただきたいと思います。当社では、これまでの粉体技術の経験やノウハウを活かして、お客様の事細かな注文にも対応し、精度面での御要望に数ヶ月程度で対応してきた実績もあります。
  
また一方、粉体供給技術を新たな分野で活してみたいとも思っています。その内の一つが、プ
ラズマ技術を応用した、粉体粒子の結合や表面コーティングです。大学でプラズマの研究をされている先生からも“粉体粒子のコーティング研究はしているが、1粒子で供給できないので1粒子制御技術があるのであれば共同で研究をしたい”と言われています。
 当社の1粒子を提供する技術は、ナノパウダーが実用化になりミクロやナノレベルでの精度が求められる今日、大きな可能性を秘めていると思っています。
  最後に、ご指導いただきました、尾張・東濃ものづくり産学官ネットワーク、東海ものづくり創生協議会、中部経済連合会 、春日井商工会議所のスタッフ皆様に、心よりお礼を申し上げます。
 

本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
 
              《《《 会 社 概 要 》》》
   
会 社 名 アルファ株式会社  

堀 富士夫 社長
本   社 愛知県春日井市白山町6丁目6−8  
設   立 平成16年1月  
代 表 者 代表取締役社長 堀 富士夫  
事業内容 粉体機器製造
プラントエンジニアリング設計・製作・施工
省力化設備設計・製作・施工
粉体・流体関連機器販売
生産管理ソフト販売
 
資 本 金 2万円  
従 業 員 5名  
U R L http://www.zerobalancer.jp  
T E L 0568−53−5611  
F A X 0568−53−5612  
取材:平成19年 12月12日 総務課 情報公開・広報室
 


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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