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中部発きらり企業紹介 Vol.31

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  アスカ株式会社
〜自動車部品からロボットシステムまで技術力で勝負します〜

今回は、経済産業省中部経済産業局の企業育成総合支援室で担当している東海ものづくり創生プロジェクトのひとつ「ロボット技術(IRT)クラスター事業」に参画されているアスカ株式会社(愛知県刈谷市)の片山敬勝社長にお話を伺いました
 

御社は昭和28年に創業されたと伺っておりますが、創業された経緯、きっかけなどついて最初にご紹介いただけますか。

本社・本社工場
 
片山社長:
  当社は、私の叔父がプレス加工の経験を生かして、昭和28年に小物プレス加工業「片山工業株式会社」を名古屋市中区に設立したのが始ま
 
りです。設立の翌年には、三菱自動車工業さんと取引を開始し、自動車部品のプレス加工業として順調に滑りだしました。私は、学生時代から、当社でアルバイトをしていたのですが、叔父の“会社を起こしたら、いずれは上場会社を目指したい”という考えに大いに胸をふくらませ、昭和42年に入社して後に二代目として社長を引き継ぐことになりました。
 

主力の自動車部品事業

エレベータ・貯水槽ポンプ等の動力制御盤


ビル全体の総合監視盤
 

片山社長が入社された昭和42年には、御社の二つ目の柱となる事業である配電盤事業に参入されているわけですが、どういった理由から始められたのでしょうか。  
   
片山社長:   それまで、当社は自動車部品のプレス加工を行っていたのですが、徐々に様々なお客様から当社のプレス加工技術を評価していただき、自
動車部品以外の仕事をいただけるようになりました。その中の一社が松下電工さんで、配電盤外枠のプレス加工の依頼でした。この当時、仕事が増えてきたことから、工場を現本社工場の刈谷市に移したのですが、仕事の幅を広げるためにプレス加工以外の電機・電子技術も身につけたいと考えました。そこで、取引会社にお願いをして、社員を受け入れていただき、電機・電子技術の勉強をさせてもらいました。その結果、昭和42年には、配電盤・制御盤の完成品を生産することができるようになり、配電盤事業にも参入できました。第1次オイルショック後には、住宅などの建設ラッシュが起こったことから、その後、配電盤事業の需要は大きく伸びました。
 
 
 

その後、御社では、配電盤事業のほかに、新たにロボットシステム事業にも本格的に参入されたわけですが・・・。

ロボット溶接ライン

 
片山社長:

  配電盤事業を始めてわかったのですが、決められた仕様通りプレス加工をするだけでなく、設計から市場の動向まで考えるうちに、“これから

 
は、メカトロニクスの時代、デジタルの時代がくる”と強く感じました。また、叔父の夢でもあった上場について、“プレス屋だけでは、上場できない”とも思いました。そこで、人口が減少し、将来労働人口も減っていく中で、必要とされる仕事、生き残れる仕事は何かと考えました。なかなか、簡単には思いつきませんでしたが、『自動化』というキーワード、お客様に売っていく『自動化』をや
 
ろうという考えに辿り着きました。将来、労働力が減っていけば、業務効率が一層求められるとともに、危険な仕事に就く人も少なくなっていきます。『自動化』の仕事をすればおもしろいのではないかと考えたのです。この方針が固まったらすぐに、朝礼で社員に思いを述べ、会社の方向性を示しました。配電盤事業は既に自社で設計・生産をしていましたので、“電機・制御の技術はある”、“コンピュータの技術もある”、“電子技術もある”ことから自動化の仕事を進めていき、生産設備の自動化を事業の柱に加えることにしていきました。昭和57年に社内に自社製溶接ロボット1号機を設置し、昭和61年には組織的にもシステム機器部を設置して、ロボットシステム事業に本格的に参入していくことになりました。
   当時というのは、ちょうどバブル景気が始まった頃で、内需拡大の波に乗り、ロボットシステム設置の仕事も大変多くいただきました。
 

自動販売機スポット溶接装置


多関節ロボットシステム
 

バブル景気の崩壊から現在まで、時代は大きく変わっていくなかで、厳しい経済情勢の中、御社は着実に成長されていらっしゃいますが。  
   
片山社長:   バブル崩壊により、製品の価格などはどんどん安くなり、配電盤事業などは、建設需要が落ち込んだことから仕事も少なくなってきました。ま
た、海外との国際競争力なども激しくなってきたことから、一層技術力の向上を目指して、コスト力、開発力をつけるとともに、取引先に提案できる営業を展開するよう心掛け、かつ事業内容についても当社の強みを活かせるよう見直しを行い、自動車部品事業では、同業他社があまり扱わない技術力を要する 大型の自動車ボデー部品を扱うようにしました。 それまでの三菱自動車さんに加えて、トヨタ系数社からも受注を増やすことができました。
  一方、ロボットシステム事業では、近年自動車関連企業をはじめとした工場の世界同時立ち上げが頻繁に行われるようになったため、ライン設置に際し技術者も現地に派遣をすることが必要になりました。当社では、こうしたニーズに対応することができる体制を整えており、同時に数カ所の仕事をこなすことも可能としております。現在、4〜9人を1カ月程度派遣する事業も年間40件程あります。
 

御社は、「人と技術に優れた会社」を目指されているということですが、社内の人材育成についてどのようにお考えでしょうか。

人材育成について熱く語る片山社長(中央)
 
片山社長:
  当社では、まず第一に、お客様のことをよく知って、お客様に何ができるか、お客様が当社の製品によってどう変わるかを社員に考えてほしい
 
と思っています。その上で、自主性を持って何か新しいことに挑戦する気持ちを持ってほしいと思っています。私自身、日頃から、“失敗してもよいからやってみよ。”と言っています。実際に、やってみると意外と上手くいくものです。現在、改善提案を実施しているのですが、1カ月に一人あたり平均7件の提案が出されていま
 
すが、一つの成果だと思います。人材育成が組織を活性化することになりますので、社員の自由な思考や自主性を高めて柔軟な発想力を育てて、マンパワーを最大限に発揮できるようにしていくことが必要と考えております。私は、今後、当社の規模が一層大きくなったとしても“活性化された企業でありたい”と思っています。具体的には、社員一人一人が自分の仕事を意識しかつプライドを持って、絶えずお客様の考えを意識して取り組める企業でありたいと思っています。
 

将来の医療現場を支える内視鏡手術アシストロボット
 

ところで、御社では、将来を見据えた新技術の開発を少数で行っているということですが、現在どのようなことに取り組んでいるのでしょうか。  
   
片山社長:   当社では、他の事業部から完全に独立した開発本部を設けています。開発本部は、
定員三名ですが、収益をあげるとことを課題とせず、自由な発想で将来必要とされるかもしれない技術の開発を分野を問わず行っています。このような取り組みを社内で行うことによって、モノ作り現場で働く社員にも“夢”を持ってほしいと思っています。
  現在は、内視鏡手術アシストロボットや下肢麻痺者用装着型補助ロボットを開発していま
 
す。内視鏡手術アシストロボットは、内視鏡手術において、従来外科医や看護婦が行っていた「鉗子の手渡し」作業をロボットに代行させる目的で開発を行いました。今後の少子高齢化に伴い、ロボット技術は、医療・介護の現場で必要とされていくと思いますが、やはり新規分野での開発は、異業種との情報交換や連携が非常に重要であると感じました。
 

最後になりますが、御社の今後の企業活動の方針について、お聞かせいただけますでしょうか。
片山社長:
  当社は、各種セミナーでよく言われるような“オンリーワン、日本一、世界一”に届かなくても、社員がいつまでもアスカで生活できるように、いつまでも生き残れるような企業でありたいと考えています。そのためには、どのような状況下においても、品質や製造コストで最善のご提案ができる社内体制を整えるとともに、お客様や同業者を含む市場全体の現状や将来の市場の動向について注視して、それに合致した品質とコスト体制を確立し、変化する経営環境にスピードを持って対応していくことが重要だと思います。特に市場については、景気動向により大きく変化するため、経営者として当社の主要3事業の将来性について見極めていきたいと考えています。

本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
 
              《《《 会 社 概 要 》》》
   
会 社 名 アスカ株式会社  

片山敬勝  社長
本   社 愛知県刈谷市一里山町東吹戸11番地  
設   立 昭和28年12月  
代 表 者 代表取締役社長 片山敬勝  
事業内容 自動車部品事業配電盤事業ロボットシステム事業
 
資 本 金 9億円  
従 業 員 約500名  
U R L http://www.aska.co.jp/  
T E L 0566−36−7771  
F A X 0566−36−8090  
取材:平成19年 10月16日 総務課 情報公開・広報室
 


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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