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中部発きらり企業紹介 Vol.27

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  株式会社カネミヤ
〜廃プラスチック分別洗浄機を製造販売するオンリーワン企業〜

  今回は、私ども経済産業省中部経済産業局の中小企業課で担当している補助金事業である「新連携対策補助金(事業化・市場化支援事業)」を平成18年度に活用して、「画期的な新洗浄機の開発による農業用廃ビニール等汚濁廃プラスチックの再生・製品化促進事業」に取り組まれている株式会社カネミヤ(愛知県半田市)の間瀬隆夫社長にお話を伺いました。

御社は平成元年に間瀬社長により創業されたとお聞きしておりますが、創業された経緯、きっかけなどについて最初にご紹介いただけますか。

株式会社カネミヤ 本社

 
間瀬社長:
  私は、もとは大手金属加工メーカーで営業及び技術の担当をしておりましたが、以前より自ら お客様に提案して満足いただける高品質な商品を提供する事業に挑戦してみたいと考えており、平成元年に半田市に本社を置く板金加工会社を立ち上げました。
創業当初は、金属加工メーカーの下請け企業 として、機械用部品の板金加工を行っていた
のですが、IT不況の影響を受け9割の仕事がなくなってしまう状況に直面しました。このような下請け体質では事業を維持していくだけでも大変だということから、創業当初から思っておりました自社製品(マイブランド)の開発に取り組んでいきました。
 

包装自動分別処理機
『Bun-Bun(ブンブン)』

自社製品の開発ということで、御社では、まず包装自動分別処理機の開発に取り組まれたわけですが、どういったきっかけからでしょうか。
   
  間瀬社長:
  おそらく、モノ作り企業の経営者100人に聞いたら100人が自社製品を作りたいと回答するように、当社も創業当初から自社ブランド製品を
 
世に出したいと思っていたのですが、当社の板金加工技術を利用して実際にどのようなものを作ったらよいか悩みました。そこで、IT不況に直面をした際にこれが契機だと決意し、これからの時代の流れから重要テーマとなるのは何かと考え、「バイオ」、「環境」、「IT」、「ナノテク」が思い浮かびました。この中から、お客様の関心が高く、自分でもある程度知識があった「環境」をテーマに選び、取り組むことに決めました。
  当時、お客様からも環境分野、特にリサイクル関係の要望が
 
 多く寄せられていました。その中で、特に注目したのが、“コンビニ弁当の処理に困っている”というものでした。これは、世の中の環境配慮に対する意識が高まるにつれて、一般消費者にも身近な問題として感じ取れる“生ゴミと包装材を如何に分別するか”ということに食品加工業者なども真剣に取り組まなければいけないと考えるようになったからです。
 
そこで、自社製品第1号として、パック・袋の分別を瞬時に行い、包装食品廃棄物の減容と再資源化を可能とする包装自動分別処理機『Bun−Bun(ブンブン)』(2つに分けるという意味で命名)を開発しました。その際、開発段階で一番重要だと考えたのが、“使っていただくお客様の立場でモノ作りをする”ということでした。そこで、徹底的にお客様の立場で考えるため、2年を費やして関係者100人以上から率直に製品の批判をしていただき改良を積み重ね、平成13年に完成に漕ぎつくことができました。
 

御社では、包装自動分別処理機『Bun−Bun(ブンブン)』の開発後、さらに分別・洗浄・脱水までを可能にした分別洗浄処理機を開発されておりますが、こちらはどういったものでしょうか。

ポリ袋自動分別洗浄処理機
『Bun-Sen(ブンセン)』


本社事務所にある三次元CADシステムと
工作機械等が光ファイバーで結ばれている
 
間瀬社長:
  先ほどの包装分別処理機で包装材と生ゴミに分別しても、汚れたビニールなどは煩わしさやコス トがかかることから埋め立て廃棄や焼却処分
 
されていました。調べたところによると、国内で発生する食品残渣付きの汚濁廃プラスチックについては、大半が産業廃棄物として約40円/sで焼却又は埋め立て処分されています。そこで、当社では、これらの汚濁廃プラスチックを低コストかつ短時間で洗浄できる機械を開発・製造し、洗浄したプラスチックを約5円/sの有価物として引き取るという、お客様にとっても喜ばれるポリ袋自動分別洗浄処理機『Bun−Sen(ブンセン)』を開発しました。
この分別洗浄処理機は、汚濁廃プラスチックが洗浄機内の高速回転翼を通過することによって摩擦力で汚れを落とす方式の処理機です。当社では、1年半を費やし、自社の高精度板金加工技術を駆使し、洗浄水使用量を20リットル/時間という少量に抑え、洗浄時間がわずか2秒という高効率で低コストの洗浄技術を開発しました。汚濁廃プラスチックを廃棄せず再資源化するためには、洗浄して脱水することが必要となります。この処理において、洗浄水及び排水が少なく、さらに作業時間が短いということは、大きな強みとなりました。
 

材料収納システム(料理も製品も素材が命)


職人の勘所を数値化したCNCベンディングマシン
 

ご紹介いただいた包装自動分別処理機やポリ袋自動分別洗浄処理機には、御社の高精度板金加工技術が随所に盛り込まれていると思いますが・・・。  
   
間瀬社長:

  一般的に板金加工の世界は、職人技という
言葉に代表されるように“職人の経験や感”といったもので成り立っている風潮がありますが、当

社では、三次元CADシステムや三次元測定器、工作機械などを光ファイバーを用いて組み合わせることで、職人の勘所をコンピュータ数値という誰もが見える形式値とすることを可能にしました。これにより、当社では、誤差0.1o以下という精度の超精密機械板金加工(シートメタルテクノロジー)を実現し、精密な設計による処理機を作ることができます。また、この光ファイバーを用いた仕組みにより人が介在しなくても よい加工工程が増え、レーザーパンチ加工機やベンディングロボットなどを無人化や自動化することができ、夜間無人作業等で稼働率を上げ、生産能力のアップとともに大幅なコストダウンと納期の短縮を実現することができました。  

経済産業省の新連携対策補助事業を活用されました理由をお聞かせください。
 
間瀬社長:
  当社の自動分別洗浄処理機に対しては、洗浄時間がわずか2秒ということと、排水や汚水も少なく、さらに処理漕内の消耗部品も少ないため保守費用がほとんどかからないことから、主な販売先となる汚濁廃プラの排出事業者から、洗浄能力への高い評価がありました。
 
しかし、販売当初は、洗浄後のプラスチックの引き取り手が少ないことから、販売が伸び悩んでいました。
  そこで、平成18年2月に中部経済産業局から新連携事業の認定を受け、多種多様な廃プラや廃ビニールをブレンドし、高品位ペレットとして再生する加工技術を有する(有)秋葉樹脂さんと連携を図ることになりました。その結果、洗浄後のプラスチックの引き取り手を確保することができ、 残渣付軟質プラスチックの完全リサイクルを国内で初めて商業ベースで運用できるようになりました。実際に、ペレット化され再生材料となった廃プラスチックは、ボールペンなどとして商品化され世の中で売られるようになり、当社の分別洗浄処理機が汚濁廃プラスチックのマテリアルリサイクルシステム構築に欠かせな設備の一部として認識されるようになりました。
 
 

御社のリサイクルに対する取り組み等は広く世の中から評価され、愛知県による愛知ブランド企業への認定や、今回、経済産業省が実施した「元気なモノ作り中小企業300社2007年版」に選定され、各方面から注目されていますね。  
   
間瀬社長:

  最近では、汚濁廃プラスチックなどの処理に困った全国の食品工場やリサイクル関係事業者の方が当社の工場見学に相次いで来られま

す。また既に、一部の大手食品メーカーなどにも採用されており、環境負荷低減に高い評価をいただいております。平成18年10月には、循環型社会の形成に貢献するとして財団法人クリーン・ジャパン・センターから会長賞もいただきました。
  このように、当社の製品に対して多くの関係者から評価していただいておりますが、まだまだ、皆様のお役に立てることは大変多く残されております。例えば、学校給食で出される牛乳の紙パックは、毎日相当の数が出されますが、夏場などはすぐに腐敗してしまうので全て焼却されています。そこで、学校現場における環境教育の視点からも、是非リサイクル化を検討していただきたいと思います。実際に、 愛知:滋賀:神奈川:四国の小学校では、当社の紙パック専用破砕・洗浄・脱水機(Bun−Sen)をご利用いただいて、牛乳パックをトイレットペーパーやティッシュペーパーとしてリサイクルしています。このことは、食品の安全に深く関係する食品加工業において特に言えることだと思うのですが、廃棄物が発生する現場でリサイクルすることによって、循環型経済社会と企業の社会的責任を同時に実現する手段となるのではないでしょうか。
 

御社の製品によって、廃棄物が有価物に代わり、さらに循環型経済社会にも貢献できることは、購入企業に大変メリットがあると改めて感じました。最後になりますが、御社の今後のビジョンについて、お聞かせいただけますでしょうか。


お客様への提案と同様、説明は動画を使って分かりやすいことを心掛ける間瀬社長

 
間瀬社長:
  当社にとって今後も大切にしていきたいことは、“使っていただくお客様の立場でモノを考える”ことです。これが商品開発のポイントと言え
ます。お客様からニーズを聞き出し、「売るので
 
はなく提案する」という姿勢が非常に大切だと思います。お客様から“カネミヤに頼めば何とかなる”というように思われる企業でありたいと思います。お客様の要望に応じることにより、知らない
 
うちにお客様の声から世の中全体のニーズがわかるようになってくると思います。現在、当社では、関東、中部、関西、台湾の4営業所を設けておりますが、今後は、アフタサービスを重視して、一層お客様の声に耳を傾けたいと考えています。
  もう一つは、モノ作り企業だからこそ“良いものでも売れない”ことを認識する必要があると思います。モノ作り企業でよく陥ってしまうのが、“良いモノを作れば売れる”という考え方です。良いモノでも売らなければ売れません。確かに、良いモノを作りたいあるいは高品質なモノを提供するのは当たり前のことですが、それは当然のこととして、それ以上にマーケティングリサーチに力を入れることが重要だと思います。当社の製品は、世の中に廃プラスチックが大量に存在することと、どのようなリサイクルであればお客様が参加していただけるのかを徹底的に調べ、「費用対効果」を考えて製品化しております。当社では、これまでに70台を販売してきましたが、さらに排水量の一層の削減、投入した固まりをほぐし、洗浄物を圧縮化する、無人化 が可能な商品バリエーションを増やして機械のシリーズ化を考えております。また、マーケティングリサーチにも力を入れ販路拡大を図り、年内に200台達成を目指していきたいと考えています。
 

本日はお忙しいところ色々とお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
御社の今後益々の御発展と皆様の御活躍をお祈り申し上げます。
 
              《《《 会 社 概 要 》》》
   
会 社 名 株式会社カネミヤ  

間瀬 隆夫 社長
本   社 愛知県半田市八軒町128  
設   立 平成元年4月  
代 表 者 代表取締役社長 間瀬隆夫  
事業内容 ポリ袋自動分別洗浄処理機 Bun-Sen、包装自動分別処理機 Bun-Bun、その他環境機器の開発・設計・製造・販売。CNCシートメタル(精密機械板金)に依る電子機器部品及び工作機械カバーの設計・製造・販売。  
資 本 金 2500万円  
従 業 員 30名  
U R L http://www.kanemiy.co.jp/  
T E L 0569−23−2871  
F A X 0569−23−2872  
取材:平成19年6月4日 総務課 情報公開・広報室


 中部経済産業局 総務課 情報公開・広報室

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