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中部ものづくり企業 Vol.8

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アドバンスフードテック株式会社(豊橋市)

〜世界初“食の安全安心”を大切にした「人に優しい」検出装置〜
 

 今回、経済産業省の実施した補助事業「平成16年度中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち実用化研究開発事業」を活用し、超高感度超伝導式金属検出装置「マイクロディテクター」の製品化研究に成功したアドバンスフードテック株式会社(愛知県豊橋市) 鈴木周一社長にお話をお伺いしました。
 



 御社は平成9年の創業ということですが、
どのような経緯で創業されたのでしょうか。

超伝導の実用性・有益性について語る
アドバンスフードテック(株)鈴木周一社長


鈴木社長:

 

 


 私は、もともと三菱レイヨンエンジニアリング(株)豊橋事業所に勤めており、豊橋市の廃棄物処理センターの建設プロジェクトに携わっていました。その一方で、食肉の安全について海外での技術調査を積み重ねる中で、超伝導を応用した食肉検査機器の開発、実用化をめざすことを決意し、平成9年、豊橋の地で独立創業しました。

 その後、平成16年10月、ここ豊橋サイエンスコアに拠点を移しております。
 
 

 創業されたきっかけについて、もう少しお聞かせください。
 
鈴木社長:  海外で技術調査していた頃、世界的に見ても、食肉の製造過程で混入してしまう金属片などの異物を検出するための有効な手段が、まだありませんでした。こうした中、オーストラリア・シドニーの研究所を訪問したとき、飛行機の後部に吊り下げた超伝導センサーによって、上空から地下鉱脈を探索しているシーンを見て、この超伝導センサーを食品の異物検出に応用できないか、と考えたこと が今に至った直接のきっかけです。

 

 今般開発された「マイクロディテクター」は、どのような特徴を持つものですか。
 
鈴木社長:  現在、世界で超伝導現象を利用した金属検出研究に関わっている国はドイツ、オース トラリアがありますが、その2カ国での取り組みも、ほとんど行き詰まっている状況です。
こうした中、食品を対象とした検査機器として超伝導を実用化したのは、恐らく当社の「マイクロディテクター」が世界初だと思います。
 

「マイクロディテクター」応用範囲は広く、包装食品、医薬品等の異物混入の検出に応用が期待できる。

 
 検出できる金属は 0.1mm以上と、非常に微細なものを検出できますし、検査対象物の性状や気泡に影響されれないので、非磁性金属(アルミ)で包装された食品を検出の対象物とすること もできます。

 
また、検査対象物が鉄、ステンレス等(危害異物)に限定されますが、従来からの異物検出法であるX線方式、磁気式などに比べ検出精度に優れています。さらに、機器の安全性の確保、操作性を重視しており、簡単に検査を行うことができるという特徴があります。
 

 「超伝導」を応用した、御社の独自の技術といえますね。
 
鈴木社長:  超伝導は、活用先によって応用のプロセスは実にさまざまです。超伝導とは、低温で電気抵抗がゼロになる現象ですが、この現象を利用し、僅かな磁力線でも、電流に変えて検出するメカニズムになっています。従って、極く微細な金属異物で発生する磁力線が少なくても検出することが出来るので極めて高度な検出装置と言えます。また、対象物に関与するものは磁力線であり、磁力線は極く低レベルで対象物には 何ら影響を与えません。超伝導を利用したものとして分かりやすい例では、最近話題が高まった「リニモ」がありますね。当社では、リニモよりもっと微細 、極小なレベルでの研究に取り組んでいます。

 

 昨今、「食の安全」への関心が世界中で高まっている中、「マイクロディテクター」のニーズは今後も大きくなりそうですね。
 
鈴木社長:  そうですね、国内外からお問い合わせが増えてきています。超伝導磁気センサー(SQUID)の関心は高まっていくでしょうから、市場拡大の可能性をかなり持っています。何よりも、食品そのものに損傷を与えないことが大きな魅力です。今後も、別の用途でさらに発展させた形で製品化していきたいと考えています。

 「マイクロディテクター」については、先月、北海道の「よつ葉乳業」に購入いただき、チーズ工場で運転を開始しております。今後、有効性を検証しながら、もっと広く普及させていきたいと思っています。
 

 


 
 その一方で、「マイクロディテクター」を開発される上で、苦労されたことは何でしょうか。
鈴木社長:


















 


鈴木社長:




 

  磁気センサー(超伝導センサー)の周辺環境は磁気のない条件が必須なので、外部から進入する磁気ノイズや内部に設置するコンピュータ等から発生する内部ノイズをいかに防護するかに苦心しました。食品に混入する微細な金属が発生する磁力線の検出が可能になるまでノイズを安定させることが大変で、特に、機器内で使用するCPU性能を高めるほど、パソコンが発生する磁気ノイズが大きくなり、困難を極めました。

 もう1つは、磁気センサーに液体窒素を供給するための方法です。さらに、磁気センサーの精度が高くなって、食品等の生産工場の機器が発生する磁力線や、自然界の地磁気などに反応してしまう、といった問題点も起きてしまいました。ただ、これは精度や信頼性の高さの裏付けと考えています。


 国の補助事業を活用されたメリットは何でしょうか?

 当社のような資金力に乏しい零細企業にとって、事業費の2/3補助によって研究開発ができるという点で、補助事業は非常にありがたい制度だと思っています。

 今年度も文部科学省の補助事業を利用して研究に取り組んでいますが、来年度以降も、新たな分野の開拓を行ったり、別の研究開発事業で補助事業制度をうまく活用していく機会があれば、また利用したいと思っています。

 



アドバンスフードテック(株)の入居する豊橋サイエンスコア(株)。現在30以上の企業・機関が入居。


 


ところで、現在取り組まれている研究は、どのようなものですか。
鈴木社長:  超伝導分野の専門家である豊橋技術科学大学の田中三郎教授、豊橋市などが出資する第3セクター「サイエンス・クリエイト」と一緒に、産学官連携でやっている超伝導を活用しようとする研究です。

 少し話は変わりますが、今、行っている産官学連携事業もその一例になりますが、国などの補助事業を利用したことで、人脈が広がりました。それから、豊橋サイエンスコアに入居できたことで、たくさんの企業、関係機関などと接触できる機会が多くなりましたし、研究を行うための施設としてスペースも広く、設備なども充実して大変助かっています。

 

「ものづくり企業」へ一言お願いします。
 
鈴木社長:  正直なところ、これまで失敗の連続でした。そうした中、お客様のニーズを追求した結果、商品化に至ることができました。企業は得意分野を持つべきで す。そして、魅力を秘めた見えない技術、他に真似されない技術を持つべきです。

 

最後に、今後のビジョン、事業計画を教えてください。
 
鈴木社長:  大きく分けて、プロジェクトと新規開発があります。プロジェクトとしては、名古屋市の中央食肉市場(平成18年竣工)の設計、工事管理 事業に取り組んでいます。新規開発関係としては、@主に食品、医療、工業用(液晶等)分野でSQUID技術を利用した新たな磁性金属検出装置 の開拓Aパルス電流による牛の不動体化装置「パルサー」の拡販B離れたところからでも食肉の製造管理ができるFG(フラッグスゲート)センサーの実用化、をメインに取り組んでいきたいと考えています。

 小規模企業でも、真の意味で特徴あるもの、キラリと光るものを手掛けたいですね。
そして、これからの時代は、癒し、安心を求めた技術の実用化を柱にしていきたいです。

 

 本日はありがとうございました。

 

  会 社 概 要




鈴木周一社長
 

  会社名:   アドバンスフードテック株式会社
  本社:   〒444-8113 愛知県豊橋市西幸町字浜地    
                   333-9 豊橋サイエンスコア302
  創立:   平成9年8月
  代表者:   鈴木 周一
  資本金:   2,900万円
  従業員:   9名 (平成17年11月現在)
  主要製品:   @超伝導磁性金属検出装置 A大動物(牛)不動体化装置 Bトレーサビリティシステム
C豚枝肉中の注射針検索装置
  URL:   http://www.aftweb.co.jp/
  TEL:   0532−29−9033
  FAX:   0532−29−9034

                                          取材:平成17年11月14日 総務課 情報公開・広報室 
 



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