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中部発きらり企業紹介 Vol.6

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めっき業界の環境パイオニアにチャレンジしています!

名古屋メッキ工業株式会社(名古屋市熱田区)
 

〜 社長が自社について30分語る意味とは? 〜
 

 今回、環境パートナーシップ・CLUB(EPOC)の参加企業であり、平成13年度、15年度経済産業省創造技術研究開発事業を活用し、既成概念にとらわれない「めっき技術」の革新に日々取り組んでおられる名古屋メッキ工業株式会社の菅沼延之社長にお話を伺いました。




 どのような経緯で社長になられましたか。
菅沼社長:  現在の会社は昭和21年に父が創業しました。最盛期で当時、200名程度の社員がいた時もあり、常に「めっき」の技術革新をめざしていました。
 私は28歳の時、それまで船乗りとして貨物船に乗って海外を航海していましたが、この会社を受け継ぐため陸に上がり、入社しました。昭和57年のことです。社長に就任したのは、平成4年のことです。

 

熱田区花表町にある熱田工場(正面入口)

 

 


 御社は、いろいろな素材にめっきを施す技術を開発されていますが、何か秘訣があるのでしょうか。

 
菅沼社長:  当社では、めっきの機械を中国で作って輸入しています。平成15年、中国に現地企業と当社との共同出資で「Kan―U 」(關羽)という設備メーカーを作り、当社の設備は全てそこで作らせています。他社に比べ、非常に安く高品質な設備です。Kan―Uでは、全自動バレル式めっき装置を製作しており、中国国内のみならず米国にも輸出しています。
 何といっても、中国で製作する設備はコストに見合っていて、顧客ニーズを十分に満たすことができる表面処理能力を持っているので、そこが当社の強みになっています。
 

 

 環境への取り組みを重視されておりますが、名古屋市内のめっき会社で御社が初めて
ISO14001を認証取得されたと聞いておりますが。

 
菅沼社長:  そのとおりです。認証取得準備作業の初めの頃は、資金的にも時間的にも当時の当社には大きな負担になりましたが、それ以上に社会的な責任・使命の大きさを感じて取得 に全社一丸となって取り組みました。
 取得したおかげで、当社を見る対外的な目も変わってきました。社員一人ひとりのレベルで、環境保全に対する認識も確実に高まりました。
 今では、その他ISO9001も取得していますし、来月10月にはOHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)を取得する見込みです。めっき業界では、この3つを認証取得している企業は、恐らく当社が日本で初めてになると思います。

現在開催中の「愛・地球博」愛知県館で展示されているメッキ模型


 


 




 ところで、御社がここまで成長できたきっかけとなったことは何ですか。

 
菅沼社長:  私が32歳のとき、新しい取引企業(当地域の大手メーカー)を持つことができましたが、この取引のおかげで、当時はめっきの対象物は鉄だけであったものが、セラミックやレアメタルといっためっきの難素材への挑戦ができ、新技術やたくさんのノウハウを蓄積できたことが、大きな転換期でした。多くのめっき会社はたくさんの種類の「めっき液」を持っていろいろな注文に応じていましたが、当社はめっきを施す対象となる「めっき素材」に着目しました。言ってみれば、発想の転換ですね。


 

 

 もうひとつ、御社が飛躍するきっかけとなった新しいめっき技術が「ターボチャージャーローター」へのめっき技術になるわけですね。

 
 

菅沼社長:  そうです。昭和61年タングステンへのニッケルめっきに成功しました。もともと、セラミック・ターボチャージャーへの特殊めっきの依頼を受けて研究を行っていて、この技術を開発したのです。その後、研究開発を重ね、タンタル、ニオブなどへの金めっきといった新しい技術も開発することができました。


 

 御社のサービスである「素材を選ばないめっき技術」のとおり、新しいめっき技術を次々開発されているのですね。

 
菅沼社長:  当社では、難素材への挑戦以外に「めっき液」にも注目しています。一般には、めっき会社にとって、めっき液はそれぞれ各社のめっき技術、めっき処理のノウハウを含んだ重要なもの、例えて言えば、うなぎ屋さんの秘伝のタレにあたるものですが、その特性分析を外部に依頼しているのが実情ですが、こうした中、当社ではめっき液の特性分析を薬品メーカーに外注依頼するのではなく、独自に研究所を設置して分析して、お客様の新しい注文に自社で研究開発した優れた技術、ノウハウをもって応えるようにしています。
 当社は、めっきに関するあらゆるものにこだわり、めっきを付加価値として、ブランドとして確立することが、当社の社会的使命と考えています。


 

 現在開発中で、今後、世の中に出される予定の新製品はありますか。

 
菅沼社長:  愛知県のベンチャー関連補助事業を活用して、従来のめっきコストを1/2に抑えることができる新しい表面処理技術を開発しました。ほぼ、出来上がっています。従来にはない、めっき工程を全自動化できるものですが、来年初めを目処に発表する予定です。また、これに伴って 、守破離(しゅはり)工場(港区)への設備投資も検討しているところです。
 研究開発にあたっては、これまでどおり公的機関などと協力したり、制度を活用して事業を進めていくことは大変重要だと思っています。


 

 その一方で、インターンシップの学生を積極的に受け入れられているとのことですが。


菅沼社長:


 昨年度は大学生、中学生で10名受け入れました。今年度は社会見学の一環として中学生が工場見学に来る予定です。学生自身でボールペンやゴルフボールを使った「めっきの楽しさ」を実際に体験してもらいながら、完成品を持ち帰ってもらっています。「ものづくり」現場で職場体験を行うという意味ではもちろんのこと、職場の活性化にもつながるインターンシップは重要と考えています。
 


 
 



 中部地域の「ものづくり企業」へ、一言お願いします。


 

工場入口では、多種多様の金属製品が積み上げられて出荷を待っている。(同工場)
菅沼社長:  これはいつも私が言っていることですが、1つは先代、創業者を尊びながら、常に先人に感謝することを忘れないことです。そして、2つ目は「ものづくり」に対する好奇心を持つこと。積極的な自助努力によって自分の道を探して、自分のカラー・自前の技術を見つけること。そのためには、できないと諦める前に自らチャレンジしてみることが大切です 。

 

 最後に、中小の下請け、孫請け企業では、自社の親会社の方針に従った形での経営が行われることが多いと思いますが、こうした中、独自の技術開発などに一歩踏み込んでゆくために、経営者にどのような視点が必要なのでしょうか。

 
菅沼社長:  企業の経営者は、自社について、何でもよいので30分間くらい語れる力量を身に付けていなければなりません。経営方針でも、従業員に対する評価でもよいのです。一方、社員は会社のために働くのではなく、自分のために働くという意識を持つことが重要です。
 私は社員約55人全員の給料管理も、自らの手で行っています。毎月、全て自筆で書いた明細票と給与袋を社員全員に手渡ししています。基本的に、会社で成果を出すのは社員ですので、経営者は対外的には表には出ず「黒子」に徹するべきという信念を持っています。


 

 菅沼社長の社員一人ひとりへの熱い思いが伝わってきます。菅沼社長、本日はありがとうございました。

 

  会 社 概 要


 

  会社名:   名古屋メッキ工業株式会社  
  代表者:   菅沼 延之  
  資本金:   2,000万円  
  従業員:   55名  
  事業内容:   めっき、表面処理加工・開発  
         
<熱田工場>  
住所: 名古屋市熱田区花表町16−11 〒456−0033  
  TEL:   052−882−5541  
  FAX:   052−882−5543  
<守破離工場>
住所: 名古屋市港区正徳町6−36   〒455−0075  
  TEL:   052−384−1823  
  FAX:   052−384−1824  
  E-mail:   supervisor@nagoya-mekki.com  
URL: http://www.nagoya-mekki.com

                                          取材:平成17年9月12日 総務課 情報公開・広報室 
 



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