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中部発きらり企業紹介 Vol.2

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富士プラスチック株式会社(小牧市)
 

DB(拡散接合)プロジェクト
〜接着剤を使用しない樹脂接合技術を用いた多層マニホールド製品〜

 

 先月創設しました「中部ものづくり企業」。第2回目となる今回、14年度創造技術研究開発補助事業を活用し、従来の接着剤を使用しないで接合する技術を利用した樹脂形成品の実用化に取り組んでおられる富士プラスチック株式会社(小牧市)渡邊樹志社長にお話を伺いしました。
 




貴社の経歴・事業概要は?
 
渡邊社長:

受付ロビーに設置されたインテリア向けテーブル・イス。デザイン性・機能性を備えた技術を活かした「作品」といえる。

  昭和45年に実父が創業し、もともと国産旅客機のウィンドガラス加工を手掛けていました。その後、 オートバイの風防をはじめ、新幹線700系のヘッドライト(厚さ12ミリポリカーボネートをプレス成形し、ルータ加工したもの)といった微妙なライン成形加工品など、プラスチック関連素材 に関わる切削・形成・溶接・組立といったあらゆる加工を行ってきました。


 現在、製品としては半導体製造装置、液晶製造装置といったIT関連装置部品などが50%以上を占めており、約5万種類の製品を作っております。単に作るだけでなく、ヒトの手を使った多種・少ロット生産を行っております。

 

経営理念は?
 
渡邊社長:   基本的に「人間力」は「企業力」とみて、ヒトを中心 として物事を考えることです。人間の能力のうち、顕在化している部分は2割で、残りの8割は潜在化していると聞いたことがありますが、この8割の潜在能力を顕在化させるために何を行うべきかが重要です。 ここにスポットを当て、経営理念を次のように定めました。


     人間の素晴らしい可能性を最大限に生かし、新しい価値を創造することで
     社会に貢献する


 
当社では、7年前に組織改革を行い技術開発部を創設し、3年前にビジョン・中長期計画を策定しました。会社のめざす方向性も、受身的から能動的な 企業に転換しつつあります。 

 

メッセージ性の高いビジョンが目を引きますね。

 (1)2012年、プラスチックを通して、技術・デザイン・アイデアを生かし付加価値の高い
       創造的な 製品を提案することで、売上高100億円,経常利益10億円を達成する。
 (2)脱加工業を図り、みんなが知っているオリジナル製品を提供するメーカーとなる
       (自社製品)。
 (3)社員が輝き、会社が輝き、プロフェッショナルな人財がどんどん生まれるような企業となる。
   (富士プラスチック(株)ビジョン:http://www.fujiplastic.com/company/contents01.html
 
渡邊社長:

拡散接合(Diffusion Bonding)を活用した「アリの巣」技術。厚さ数センチ程度のプラスチック版に緻密な流路(空洞)が立体的に作られている。

 そうですね。特に3つ目の「人財」については、プロフェッショナルを目指していける企業として、単なるものづくりだけでなく、人と人との関係、チームワークなど人が携わるものに可能性があるものと考えています。バランスの とれた人材、総合的な組織力、そして「公器」な役割を果たす会社であり続けることが必要と考えています。

 

拡散接合DB(Diffusion Bonding) とは、どのようなものですか?
 
渡邊社長:

自社ブランド製品の開発について熱く語る渡邊社長(右)と西山技術開発部長(左)

 プラスチック製の板の中に、「アリの巣 」のような3次元的な「流路」を形成させ、接合加工する技術です。この技術を活用すれば、医療・化学機器分析装置マイクロ リアクター(微少反応装置)・バイオチップ等の分野で 樹脂製品を利用することができます。世界的に見ても、この技術を保有する企業は恐らく数例しかないのではないでしょうか。

 

商品化までの見通しは?
 

渡邊社長:
 
 現在の当社の力では、プラスチックの最終自社製品を作るのはなかなか難しく、自分たちの持つ拡散接合DBのような固有技術と、世の中 にある機能を合わせ持たせることによって初めて自社製品を作ることができます。つまり、自社の技術・技能と、他社の 企画力・設計力による完成品ですね。さらに、拡散接合を活かした医療機器装置等の製品化については、まだそのものの完成品のイメージまではありませんが、その中に組み込まれる「バイオチップ」を1つの完成品として、14年5月より開発しております。最初は用途が特定されていましたが、大学機関・大手企業との接点ができ、用途を拡大することができました。(現在、特許申請中)

 

今後、製品のPRをどのように行っていきますか?
 
渡邊社長:  当社のビジョンとして、目玉となるような自社のオリジナル製品を作ってPRをして いくことです。個別にPR営業を行うよりも、不特定多数の方が集まる展示会などを有効に活用します。これまで3度ほど東京の大型展示会場まで足を運び、積極的に技術のPR を行っています。実際、デザイン関係の事業者と接触することもできました。

 

一方、社員一人ひとりが潜在能力を発揮できるために何を行っていますか?
 
渡邊社長:

脳血管モデルの製造技術を利用して循環器系全体をシミュレータ化

16年度新規開発プロジェクトにより、部門横断的なメンバーによるチームを結成し、研究開発に取り組んでいます。また、勉強会などの研修を充実させて、社内職員のスキルアップを図っており 、会社の規模の割には人材のポテンシャルは高いと自負しております。

 技術系の人材については、専門知識を習得するだけでなく、製品づくりの考え方、研究開発へのアプローチなどを重視し、現場で育成して おります。現在、研究員として社員1人を名古屋大学へ派遣しております。




 それと、社員との接点を大切にしたいと考えています。社員の誕生日には、 直筆のメッセージを書いたバースデーカードを送り、社員一人ひとりとのコミュニケーションを常に大切にしています。

 


「ものづくり企業」の一員として、今後の抱負をお願いします。
 
渡邊社長:   プラスチック加工は、金属加工などに比べてまだまだ歴史が浅いので、例えば切削ひとつとってみても定められたマニュアル はありません。今後研究・開拓していく余地が大きい分野です 。さらに、プラスチック部品を使用する業界は限りなく範囲が広く、当社ではその中でも特に付加価値の高い高性能な製品の製作を行っていきます。

 こうした中、常に 、自社のイメージとして「プラスチック加工技術の研究所」や「プラスチック加工の総合大学病院」といった企業であり続けていきたいと考え、プロフェッショナル企業としてのマインドを一人ひとりが強く意識することで、 チャンスを呼び込み、目標を達成していきたいと思っております。
 


渡邊社長、本日はどうもありがとうございました。
 

 

 

会 社 概 要
 

  会社名:   富士プラスチック株式会社
  住所:   〒485−0052 小牧市多気中町453
  資本金:   7,200万円
  従業員:   120名
  事業内容:   プラスチック(エンジニアリングプラスチック)の部品加工、
機械精密切削加工、プレート加工(溶接・接着・各種成形など)、特殊加工等
  TEL:   0568−73−8681
  FAX:   0568−73−8687
  URL:   http://www.fujidenolo.co.jp/
※フジプラスチック(株)は社名を【フジデノロ株式会社】に改称


渡邊樹志社長

                                          取材:平成17年5月19日 総務課情報公開・広報室 
 



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