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中部発きらり企業紹介 Vol.1

 

  有限会社竹内可鍛工業所(豊橋市)
 
  生体適合性に優れた合金と精密鋳造用鋳型材
〜医療福祉用の生体用新チタン合金の研究開発〜

 
 

今回号より、この地域の企業で当局の施策等を活用して開発を行われた新技術・新商品をご紹介する「中部ものづくり企業」を掲載していきます。(隔号・原則第4金曜日)第1回となる今回、豊橋技術科学大学と医用新チタン合金の共同研究を実施されている有限会社竹内可鍛工業所(豊橋市)竹内力社長にお話を伺いしました。

 


貴社の事業概要は?


高圧自動造型ライン

 


  竹内
社長:


 もともとは、現会長である父が昭和33年に鋳物工場を開業し、まずダクタイル鋳鉄、続いて昭和34年には高クロム鋳鉄の製造を開始しました。ダクタイル鋳鉄も高クロム鋳鉄も手がけ たのは国内で最も早い頃と思いますが、その後、高クロム鋳鉄に特化しました。現在は耐摩耗鋳鉄、耐熱鋳鋼を主に手がけています。耐摩耗鋳鉄品としては、ショットブラスト(研掃機)部品、製鉄用ライナー、コンクリートミキサー用ハネ、砕石用ハンマーなどがあります。また耐熱鋳鋼では、ゴミ焼却プラントの部品などを製作しています。
     

 

研究の目的とテーマは?

 
  竹内社長:

 豊橋技術科学大学(生産システム工学系新家光雄教授)で、人工骨などの生体用を目的として、無毒性で低弾性率(人骨のそれに近い)を特徴とした、非常に優れたβ型チタン合金が開発されておりまして、この合金の歯科精密鋳造による実用化を目指して、豊橋技術科学大学、山八歯材工業(株)、当 社で地域新生コンソーシアム研究開発事業を実施しました。鋳造の際にチタン合金と鋳型の反応によって生じる界面反応硬

歯科用チタン合金(クラウン)

   

化層を抑制するため、@合金の融点を下げること、A合金に適した鋳型の開発の2点がテーマでしたが、その結果、クラウン(歯にかぶせる冠)の実用化に成功し、現在2件の特許を出願中です。

 

 

研究での成果は?

竹内社長:

 鋳型材としてカルシア(酸化カルシウム,生石灰)を用いた開発鋳型により、界面反応硬化層の抑制が可能となりましたし、また合金の融点をある程度下げることにも成功しました。

 

 

 

新チタン合金のセールスポイントは?

 

竹内社長:

 電子合金設計理論に基づいて設計されており、新開発のカルシア鋳型により表面が異常硬化する問題も解決できました。従来型のチタン合金やステンレス鋼とは全く違い、非常に生体に対する安全性が高いため金属アレルギーを起こしにくく、生体親和性が極めて高い特性があり、さらには機械的性質にも優れています。また、コスト面のメリットがあります。現在、クラウンに使用される金やパラジウムと比べてチタンは材料費が安く上がりますし、加工費もそれ程かかりません。
 

 

 

 

商品化までの見通しは?

 


 

精密鋳造用鋳型材試験研究設備

  竹内社長:

  寸法の精度を上げるために鋳型の安定性を高めるなど、製品としてのレベルを上げていきたいですね。商品化に至るまでには長くても1〜2年で目処をつけたいですね。

 

 

 

 

チタノミックス研究会の創立の目的・内容は?

 

竹内社長:

 地域新生コンソーシアム研究開発事業の実施をきっかけとしまして、ここ豊橋を中心とした東三河地域にチタン合金加工産業集積ゾーンを形成しようという気運が高まりました。そして豊橋商工会議所、中部経済産業局などのご支援・ご協力の下で、平成15年7月に「チタノミックス研究会」が創立されました。研究会には生体応用技術分科会、加工技術分科会、マーケッティング分科会の3つの分科会があり、現在80社ほどの地元企業が参加していますが、ここ豊橋から「チタノミックスブランド」による商品を世に広めていこうと熱心な活動を続けております。最近も豊橋技術科学大学による卒業論文テーマの募集がありましたが、当研究会もチタン合金に関するテーマで応募している最中です。

 

 

 

今回の研究開発に関して一言お願いします。
 

 

竹内社長:

 新技術の研究や商品化にあたっては、地域新生コンソーシアム研究開発事業など国の施策はありがたいですね。新商品を作る際、どのように進めたらよいか分からない企業もあると聞きますが、もっと国等の施策を活用するチャンスを持つと良いでしょう。補助事業の成果として、現在、私どもの会社では質の高い特許出願をすることができました。ただ、補助事業の申請書では、記載内容や方法が細かく、もう少し自由度が高くても良いと思います。

 

 

「ものづくり企業」の一員として、今後の抱負をお願いします

  竹内社長:

 新しい特殊合金の開発ですね。特殊合金といっても、成熟した既存技術のものは徐々に海外生産にシフトしていくので、今後とも高付加価値の独自製品を作っていきたい。鋳造技術を活かして、現在開発中のチタン合金以外、そして生体以外の分野でも。

 また、新製品の開発に関して、よく偶然のアイデアが取りざたされますが、まずは自分自身が製品に対して常に熱心でないといけない。例えば、鋳型開発に関しては、試験鋳型が割れてしまうトラブルに散々悩まされましたが、それを何とか克服したいという思いが常に頭の中を占領していました。無意識の内のこうした熱意の継続が大事だと思います。

 チタン合金の現状についてですが、昔モノクロが当たり前だったテレビも今は液晶などの最新型が広く普及しつつあるように、製品には様々な発展段階があります。チタン合金の世界もまだまだ多くの課題が残されていて、今まさにその発展段階と考えています。

 

 

 

竹内社長、本日はどうもありがとうございました。

 



取締役社長 竹内 力氏

  会 社 概 要

  会社名:   有限会社 竹内可鍛工業所
  住所:   豊橋市南大清水町字元町203番地
  資本金:   300万円
  従業員:   30名
  事業内容:   耐摩耗鋳鉄、耐熱鋳鋼の製作
  TEL:   0532−25−2101
FAX: 0532−25−2102
mail-to: ttakeutchi@himika.ne.jp
 

URL:

  http://61.196.224.14/~sk/toyo84.net/takeuchi/


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