トップページ > 中部発きらり企業紹介 > Vol.114 カジレーネ 株式会社

中部発きらり企業紹介 Vol.114

更新日:平成30年9月3日

薄い、強い、美しい MADE IN 北陸テキスタイルの価値 を世界へ発信

  • 石川県かほく市
  • 日本製・北陸の繊維織物
  • 一貫生産体制
  • 自社ブランド構築
  • 衣料・メディカル・環境
スター★ちゅぼっと君
梶 政隆 代表取締役社長の写真
カジレーネ株式会社 代表取締役社長 梶 政隆氏
 今回は、カジグループの織物生産会社である、カジレーネ株式会社の梶 政隆(かじまさたか)代表取締役社長にお話をうかがいました。 同社は日本最大の合繊長繊維産地の一つである石川県にて、世界の有名ファッションブランドやスポーツメーカーも魅了する「丈夫なのに薄くて軽くて風合いが抜群」という特徴をもった業界最高峰の高品質な繊維織物を生産しています。
 同社はMade in 石川の繊維にこだわり、繊維機械製造から糸加工、織、編、縫製までの繊維製品製造工程のほぼすべてを一貫して手掛ける世界でも珍しい一貫生産体制を持つカジグループ内の企業です。 同グループは衣料系の繊維製品製造にとどまらずその技術力を生かして人工血管や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ウェアラブルデバイスといった新規分野にも積極的に取り組まれています。
“薄くて軽くて強い“ 高品質な日本製の繊維織物の生産が可能な高い技術力
繊維機械~繊維製品製造まで手掛けるグループによる一貫生産体制
 当社はグループ内で生産加工した糸を使った繊維生地を主に生産して差別化しています。当社の繊維生地は超極細糸を使用して織られており、薄くて軽い上に丈夫でしわになりにくいという点が特徴です。 その確かな品質を求めて国内外の名だたるアウトドアメーカー、スポーツメーカー、ファッションブランドなどから生地の引き合いがきます。
 グループ内で繊維機械の製造から糸の生産、加工までを手掛けているため、最終製品である生地に求められる品質にあわせて柔軟に糸を加工することが可能であり、他社ではなかなか出すことのできない生地の質感や特徴を出すことが可能です。 繊維業界においてここまでの一貫生産体制を構築している企業は、世界中を見渡してもおそらく当社と日本国内のとある付属製品大手企業の2社だけです。
 グループ内の繊維機械事業については繊維関連メーカーなどへの生産設備を供給するためのグローバル拠点として中国、インドネシアに現地法人を展開しておりますが、糸の生産、加工や生地の織、編、縫製については海外進出へのお声がけは多くいただいておりますが日本国内、 石川県内で行うことにこだわり、あえて進出しておりません。グループ内企業それぞれが各工程に付加価値をつけ、産地内の技術を掛け合わることで最終製品である生地に高い付加価値がつき、品質の良い日本製の生地の生産が可能となります。
織物に使用する糸を整える作業を行う機械
織物に使用する糸を整える作業を行う機械
織物に使用される超極細糸1本の糸に見えるが実は5本の糸から出来ている
織物に使用される超極細糸1本の糸に見えるが実は5本の糸から出来ている
織物の重要工程である経糸の準備工程の様子
織物の重要工程である経糸の準備工程の様子
         
自社ブランドを立ち上げ
石川県の良質なテキスタイルの正しい価値を日本中、世界中に知ってもらいたい
 当社のテキスタイルビジネスの形態はBtoBの委託加工がまだまだ多く、もちろん、自社でオリジナルの最終製品を開発製造し販売するといった経験は全くありませんでした。 しかし、北陸の繊維の品質に対する評価をもっと上げたい、自社のテキスタイル開発能力・提案能力を向上させたいという思いから5年ほど前に自社製品ブランドを立ち上げました。
 北陸の良質なテキスタイルは世界の一流ファッションブランドの多くの商品に使われているにも関わらず、その存在は表に出ることなく一般の方々には殆ど知られていません。
 ましてや欧米のメゾンブランドに北陸テキスタイルが沢山使われていることなど、誰にも発信されることが無いので生地は「どこかで作られた服の部品」でしかない状態です。
 せっかくこだわって苦労し世界に類のないテキスタイル製品をつくってもその価値が正しく理解されなければ、コモディティ素材同様、価格競争に晒され不当に価格を下げられるなどの憂き目にあいます。 そういった現状を改善していくためには、北陸の繊維を使ったBtoC向けの自社製品をつくり、北陸の繊維が沢山の素晴らしいブランドに支持されていることをPRしながら販促活動を行い、話題性をもたせて広く多くの人に北陸のテキスタイルの素晴らしい価値を知ってもらうことが必要だと考えました。 BtoCで生地の価値を高め、BtoBのテキスタイルビジネスにつなげていくことが目標です。こういった取組を積極的に行うことで多くの方々に北陸の生地の素晴らしさを理解してもらい、北陸繊維産業全体の発展につながればと考えています。
トラベルグッズブランド「TO&FRO」 すべての商品が軽量かつコンパクトポーチ、リュック、バッグ、帽子、レインコートなど様々な商品が展開されている。

トラベルグッズブランド「TO&FRO」、メンズファッションブランド「Timone」を立ち上げ
 現在自社ブランドとしてトラベルグッズを手掛ける「TO&FRO」(トゥーアンドフロー)、メンズファッションを手掛ける「Timone」(ティモーネ)の2ブランドを展開しています。
 トラベル用品を展開する「TO&FRO」は2014年12月にデビューし、「軽量・コンパクト」という機能性の高さをコンセプトに掲げトラベルバッグ用のオーガナイザー、ネックピロー、ネックウォーマー、レインコート、傘、歯ブラシ、Tシャツなどの商品を展開しています。 このブランドは奈良の老舗の中川政七商店さんのコンサルティングを受けながら立ち上げました。自社での製品開発経験がなかったため苦労もありましたが当社の社員が企画、デザイン、開発と必死に取り組んでくれて自社製品が完成しました。 ブランドPRのための展示会出展やHP制作、試作品開発などについては国の下請中小企業・小規模事業者自立化支援対策費補助金を活用しました。 商品は中川政七商店さんの全国様々な箇所にある店舗に置いていただいたり、羽田にある自社店舗で販売したりと現在では累計130以上の店舗で販売実績があります。インバウンド需要のおかげもあり、ありがたいことに売り上げは立ち上げ以来ずっと右肩上がりです。 これからもどんどん売り上げを伸ばしていきたいと考えています。
 メンズファッションを手掛ける「Timone」(ティモーネ)は2015年9月にデビューしました。生地の価値を高めてブランド化を目指していくためにはトラベルブランドだけではなく、ファッションブランドにも進出したほうがいいのではないかという考えからスタートさせました。 2016年にはグループ内企業のカジナイロン㈱が国のふるさと名物応援事業補助金(地域産業資源活用事業)を活用し、展示会出展やTimoneターゲット層の読者をもつ媒体への広告掲載、新商品の開発などを行いました。
 今年で立ち上げて3年になりますが、厳しい審査をくぐり抜け、ファッションの本場イタリアのフィレンツェで開かれた見本市ピッティウォモ、フランスのトラノイといった一流の展示会に出展することができるようになりました。 欧州の一流展示会への出展権を獲得することはかなりハードルが高いのですが、審査の過程で日本では珍しい日本国内に自社工場を持っているファクトリーメーカーだという点が高く評価されました。世界の名だたる高級ファッションブランドは自国内に自社工場を必ず持っています。 自社の専属の職人がいて彼らが自社の工場で生産を続け、地域でその価値を認められてブランドを創り上げてきたという歴史があります。一方で日本のアパレル企業のほとんどは日本国内に工場を持っておらず、海外工場で生産された衣服を輸入し日本国内で販売するという形態をとっています。 日本のファッションブランドとして世界に認めてもらうためには日本国内の工場でこだわりを持って生産をしているというストーリーが大切だということが分かりました。
 いずれは中国にも進出していきたいと思っていますが、中国で認められるためにはMade in Japanの生地、縫製というだけではインパクトが足りません。
 まずはヨーロッパで認めてもらい、その後越境ECなども駆使しながら中国などに進出していけたらと考えています。
メンズファッションブランド「Timone」
MADE IN JAPANにこだわりクラシカルなデザインのジャケット、パンツ、コート、カットソーなどを展開。しわになりにくい生地でつくられておりビジネスにおける出張の際も使いやすい。メンズファッション誌にも度々掲載されている。


自社ブランド構築による様々な効果
 自社ブランドの立ち上げは会社に様々な効果をもたらしました。自社内の生地の開発力、取引先に対する提案力及び営業力が向上しました。BtoC向けの製品を作ることでお客様の商品に対するたくさんの生声が聞こえくるため、お客様目線を持つことができるようになり、商品開発に関する感度が高まりました。 また、以前は取引先企業からの要望どおりに生地を生産販売することが多かったのですが、今ではほぼ100%当社から生地の提案を行って生産販売をすることができるようになりました。さらに展示会に出展した際にも自社製品が置いてあることで生地からできる製品のイメージがバイヤーに伝わりやすくなりました。 また、これまで全く取引のなかった業界の企業からも当社とコラボして商品を作りたいというお話をいただく機会も増えました。そういったお話にも自社工場があるため柔軟に対応することが可能です。
 そして、人材確保の面においても、自社ブランドを持っていることでこの会社は何をしていて何を作っているのかが学生に伝わりやすくなり、以前に比べて格段に当社に興味を持ちエントリーしてくれる学生が増えました。

         
社員を何より大切に



 私は社員のことを何よりも大切にしています。お客様より社員が大事だと思っているくらいです。厳しく指導することもありますが、社員への愛情はずっと持ち続けています。会社が社員のことを大切にしている姿勢をもつことで社員も会社のことを大切に思ってくれてその結果いい仕事が生まれていくはずです。 何より社員とのコミュニケーションが一番大事だと思っていますので、総務部のほうでコミュニケーションアップ委員会を立ち上げたり、ボーリングやBBQといったイベントを企画したり、年に1回社員大会を開催し、グループ内の動きの共有やファッションショーの開催、 優秀な社員に対する表彰を行うなどコミュニケーションが取れる環境づくりを大切にしています。
 こういった取組を通して私の愛が伝わっているのか(笑)、過去5年で80人ほど入社してもらっていますが、辞めた人は1人しかおらず極めて定着率がいい状態が続いています。従業員は地元出身者が多く、若い人材もかなり多いです。
 社員には常々、この糸、生地は何に使われていて、誰が使っていてどのような製品になるのか、自分たちの仕事がどのように社会に貢献しているのかを説明できるように理解しながら仕事をするように伝えています。 考える癖をつけることでよりよい仕事が生まれやりがいをもって働くことができるようになるのではないでしょうか。
         
今後のビジネス展開
日本中のユニフォームをかっこよくしたい!

【カジレーネ 株式会社 本社】
クリスマスシーズンなどに本社前の道路沿いの樹をイルミネーションで飾りそこを通る地元の人々の顔を明るくしたいという社長のお考えのもと、現在道路沿いの敷地内に植樹を行っている。パリのシャンゼリゼ通りのような空間の創出を目指しているとのこと。 道路沿いには、対面にある梶製作所と共にシャンゼリゼ通りと同じマロニエの木を沢山等間隔で植えてある。
 私は工場で働く人々のユニフォームをかっこよくしたいと常々思っています。ユニフォームがかっこよければ従業員の働くモチベーションは向上します。
 会社帰りに着替えずにそのままスーパーに寄ったり、どこかに出かけたりすることも可能になりますし、ユニフォームがかっこよければもしかしたら社内恋愛が増えて少子化にもいい影響を与えることもあるかもしれません。(笑)
 まじめな話、日本企業であるならば社員に地元で作られた日本製のユニフォームを着せるべきです。確かに海外製に比べれば価格は高いでしょう。 従業員に着せるユニフォームにお金なんてかけたくないという考えを持つ経営者もいるかもしれませんが、お金をかけ、品質・デザインのよいユニフォームを着てもらうことで会社は従業員のことを大切にしていますよというメッセージも伝わるはずです。
 ユニフォームがかっこよく美しければ入社前に見学に訪れる人材に対して好印象を与えることもでき、人材確保の面でもよい効果が現れます。 また、当社に工場見学に来られる世界の一流ファッションブランドの担当者は必ず社員の動き、出で立ちをチェックしています。工場がきれいであることは当たり前で、働いている従業員の服装や動きがかっこよくきれいであることが求められます。
 まだ当社も地元企業のユニフォーム作製の仕事については始めたばかりですが、このようなユニフォームの地産地消の仕組みが日本中に広まっていけば各地域の繊維業界は潤います。日本国内で日本の製品を消費して経済をまわしていくことが大切です。 目先のコストに気をとられて海外製の安い服だけを日本国民全員が着だしたら高い技術力を持っている繊維業界は衰退していきます。本当にそれでいいのでしょうか。日本が日本の技術にプライドをもって日本製品を愛することが大切です。

衣料×メディカル×環境 3つの柱を軸に新規事業を展開
 カジグループは、繊維事業だけにとどまらず培ってきた繊維技術を応用して社会に貢献していくため、大学や企業と連携しながら環境産業である炭素繊維、医療産業である人工血管、ウェアラブルデバイス、義肢義足などの分野にも挑戦しています。今後のカジグループの更なる発展には新規事業の成功が必須です。 ただ、あまり挑戦分野を広げすぎてもうまくいきませんので、衣料、メディカル、環境の3つの柱を軸としてグループ全体で日々アンテナを張り、最新情報のチェック、人脈形成に取り組むとともにグループ内企業のそれぞれの強みを持ち寄りながら事業を進めていきます。 カジグループ内の企業は単体ではできることが少ないですが、それぞれの専門分野を磨いて強みを持ち寄り相乗効果を出していくことで大きな成果が出せます。
 当グループは地域で一番輝く企業を目指して今後も様々なことに取り組んでまいります。
         
会社概要
梶 政隆 社長写真
梶 政隆 社長
  1. 会社 カジレーネ 株式会社
  2. 法人番号 1220001017375
  3. 本社 〒929-1215 石川県かほく市高松ノ75番地2
  4. 事業内容 合繊長繊維織物製造
  5. 創業 1950年(昭和25年)創業
  6. 代表者 代表取締役社長 梶 政隆
  7. 資本金 2500万円
  8. 従業員 86人
  9. HP カジレーネ 株式会社 ホームページ外部リンク
  10. TEL 076-281-0118
  11. FAX 076-281-0164

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0535
FAX番号:052-951-0557

ページ上部へ戻る

Adobe Reader バナーPDFファイルをご覧いただくためにはAdobe Readerが必要です。外部リンク