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中部発きらり企業紹介 Vol.108

更新日:平成29年7月18日

卓越した技術力でお客様の強いモノづくりに貢献する

扶桑工機 株式会社
三重県桑名市  
  • 生産システム専用機
  • 金型
  • 部品
スター★ちゅぼっと君
 今回は、扶桑工機株式会社の服部岳(はっとりがく)代表取締役社長にお話を伺いました。 同社の創業は昭和28年で電気モーターのケースの加工からスタートし、トヨタ自動車やデンソーとの取引をきっかけに様々な部品を手掛け、 今では主に自動車関連の生産設備(以下「専用機」)の設計製作をされています。 事業の性質として取引先との機密事項が多く、作り上げた製品を他に展開できない側面がありながら、止まることなく進歩し続け、しっかりと自社の技術を育ててきたことが、 取引先からの信頼に繋がっています。卓越した技術力をもって、自動車以外の産業への挑戦も始まっています。
専用機、金型の設計製作が大きな柱
服部 岳 代表取締役社長の写真
服部 岳 代表取締役社長
(工場内のあちこちで「統創心(とうそうしん)」
の旗が。現場の士気が込められたスローガン。)
 当社の事業の内訳は、専用機の設計製作が約8割、成形金型の設計製作が約2割で、いずれも主に自動車関連産業向けです。 他に各種精密部品製作も手掛けています。 専用機の設計・組立は本社工場と第二東員工場、金型は東員工場、専用機部品・精密部品の加工は北勢工場で生産しています。
 専用機は、エンジン、ラジエーター、コンデンサー、車載用小型モーターなどの組み立てラインや足回りの溶接ラインが主です。 ターニングポイントは、昭和38年にデンソー、43年にトヨタ自動車との取引が始まったことです。お客様の生産技術が自動車業界の中で先頭を走っていたので、 お客様の要望を聞き、指導いただきながら、要請に応えようと勉強していきました。日本の自動車産業が質、量ともに成長した時代でしたので、当社も成長できたと思います。 当初はお客様の仕様通りに技術指導していただき、製作していましたが、徐々に自社の技術として確立され、提案型専用機の設計製作が出来る様になっていきました。
 そもそも強みとして誇れるのは、従業員の技能レベルが高いことです。設計や組み立て、加工、仕上げなどに携わる技術者や技能者は計280人で、 うち国家技能検定資格の取得率が9割以上と高く、しかもその多くが上級資格を持っています。 そういう人材を選んで採用している訳でも、会社の方針として明言している訳でもありませんが、従業員側は技術、技能を高めるためにチャレンジしよう、 会社側はサポートしようという風土が創業時からあったようで、今も続いています。これが現場の強さの根源だと感じています。 「統創心」と染め抜かれた赤い旗は、従業員の心意気の現れです。
         
自動化・合理化のシステムメーカーを目指す
 平成26年から全社展開している10ヶ年計画(FUSO-VISION 2023)の中で、特に力を入れているのは技術力の強化です。
 まずは「トータルプランニング技術」を醸成していきます。専用機に関しては、以前は製造ラインに組み込んでいく中で、 ここはA社の機械、ここはB社の機械、、、と個別に発注し、お客様自身がインテグレート(統合)していました。 ところがリーマンショック以降お客様の海外展開が進む中で、そういう技術者が海外に立ち上げに行ってしまい、足りなくなっていることもあり、 当社において一括でライン構築して欲しいというニーズが大きくなってきました。 また、金型に関しては、製品DR(デザインレビュー)から始まり、社内トライ機での成形確認を行い、社内検査を実施し、 製品保証した金型をお客様に提供できる様に自社で一貫生産することが求められているのです。すなわち「トータルでお客様の生産をプランニングする技術」です。 当社の専用機で製造ラインのシステム化が出来る、金型で一貫生産体制がとれる、というのが目指す姿です。
 更に、個別の組み立てや部品加工等については高い固有技術を持っているので、一層強化し、シナジー効果を出したいと考えています。 研修出向というかたちで、お客様のところに行って教えてもらい、教えてもらったことを社内で展開する、という方法も取っています。 お客様の技術の進歩にあわせて、私たちも進歩していかなければ明日はありません。神経を張り巡らせながら取り組んでいます。
 当社の事業、特に専用機は、“こういう製品を作りたい”というお客様のニーズから始まります。 まだ世に出ていない次世代のものなので、製品自体はもちろん、製造方法も機密事項が多く、例え良い専用機を作っても外にPRできません。 その中で会社の成果を出していくには、いかにお客様のものづくりに貢献できるかが鍵となるのです。 海外へ進出した取引先企業をサポートするために、当社が中国、北米、インドネシアに展開しているのはそのためです。
 

生産システムの専用機は、個別のステーションが連結しており、順番にモノが流れていくと、完成品としてあがってくる。
対象の製品は大きいものから小さいものまで様々。大型乗用車のフレーム溶接ラインだと、全長50mを越えるものも。
         
サポインを活用した金型開発
 平成27年度に経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポーティングインダストリー、以下「サポイン」)に採択され、現在、最終年度の3年目に入っています。 岐阜大学と三重県工業研究所と共同で、射出成形時に発生するソリ変形に対応した金型の開発に取り組んでいます。
 射出成形では、加熱溶融させた樹脂材料を金型内に射出注入し、冷却・固化させた後、金型から取り出し成形品(製品)が冷える段階で収縮・変形してソリが発生します。 そこで“変形しない”ではなく、CAE解析シミュレーション(設計した製品を実際に作る前にパソコンでシミュレーションをする技術)を活用し“先に変形を見込んだ逆ソリの3Dデータ”にて金型を製作し、 製品要求寸法を一発合格するのが目標です。もちろん、金型内で完全に冷えるまで待てば、金型に矯正されてソリは削減できるのですが、車の製造サイクルタイムに間に合いません。
 製造ラインのサイクルにあわせて、射出成形後かなりはやく、温かいうちに取り出すことになりますが、ソリのために成形後5~6回の修正が必要になります。 このソリとソリ修正回数を削減できれば、納期短縮が可能となり、お客様の競争力強化とコストダウンが実現できます。
 実際に取り組んでいるのは、シュラウドファン(ラジエーターを冷却するファンのカバー)です。大きさは大体600~800mmで、要求寸法に収めなければいけません。
※図は実際の出来あがりの形状を予測したものです。白黒で描かれてある正規の形状に対し、色が付いているのが変形箇所です。 現在、サポイン事業の目標値に対して約70%のところに来ています。


シュラウドファン実物

シュラウドファン金型

※ソリ変形の計測図

 サポインでは、外の広い世界を見せてもらえています。大学の先生は、私たちでは気が付かない基礎技術を指摘してくれます。 材料の組成はどうか?とか、ある特性は満たされているけど、別の特性に関してはどうか?とか。 企業としてはすぐに結果を出したいと近道をしたくなりますが、大学の先生はもう少し地に足をつけた観点からサポートしてくださるので、目から鱗なことが多いです。 学生さんたちとも解析結果をメールで迅速にやりとりするなど密に連携しています。 三重県工業研究所の3Dデジタイザー(物体の立体的な形状をスキャンして計測する装置)も頻繁に使わせてもらっています。 最初は研究員の方に操作・解析してもらっていましたが、今では従業員自ら行って作業出来るようになりました。
 私たちのような中小企業では、要素的な研究テーマを常に持っているわけではありません。ただ、金型での取り組み課題は当社の永遠のテーマです。 対象ワークは当社内で継続して生産しており、研究成果が即ものづくりに活かせて、顧客からの信頼度が向上しました。事業内容が実務に反映しやすい点が良かったと思います。
         
航空機産業への参入 部品事業への新たな柱へ
 当社はわずかながら、精密部品加工も手掛けています。部品事業の柱となっているのは半導体向けで、 高度な加工技術で半導体製造装置や検査装置の心臓部である部品をサブミクロン(1万分の1ミリ)のオーダーで作っています。 ただ、社内での規模は小さく、もうひとつ柱となるものが欲しいと思い、航空機関連部品に参入し、平成26年に航空宇宙品質マネジメントシステム「JIS Q 9100」の認証を取得しました。 始まりは部品の部分加工でしたが、現在は航空機・ロケットのブラケット・ヒンジ(継ぎ手)のアルミ部品の全加工を受注しています。 また、MRJの試作開発機の部品の検査業務も受注しました。0.001mm単位まで寸法検査をするため室温管理が要であり、±0.5℃で制御できる当社の環境が活かされました。 今後は、もっと高付加価値のあるエンジン部品などを視野に入れ、難削材であるチタン・インコネル材料の加工技術のテスト研究にも取り組んでいる最中です。 航空機分野に求められる加工技術を深化させ、さらに育てていきたいです。
         
会社概要
Company Profile
服部 岳 社長写真
服部 岳 社長
扶桑工機 株式会社
法人番号
7190001012531
〒511-8558 三重県桑名市大字増田500
事業内容
・各種自動化対応設備の設計製作
(自動車部品及び電気・電子部品関連)
・計測解析機器の設計製作
・プレス及びモールド成形精密金型の設計製作
・超精密部品加工
1953年(昭和28年)
代表
代表取締役社長 服部岳
資本
3,000万円
従業
360名
扶桑工機株式会社 ホームページ外部リンク
TE
0594-24-5050
FA
0594-21-9394

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0535
FAX番号:052-951-0557

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