トップページ > 中部発きらり企業紹介 > Vol.105 株式会社 MTG

中部発きらり企業紹介 Vol.105

更新日:平成29年3月10日

日本の「宝」を結集して新たな「価値」を創造し、
知財戦略を駆使してグローバルにチャレンジし続ける

株式会社 MTG
愛知県名古屋市  
  • 美容機器
  • 化粧品
  • 医薬部外品
  • フィットネス機器
  • Home & Office Delivery
  • 企画開発・製造
スター★ちゅぼっと君
 今回は、株式会社MTGの松下剛(まつしたつよし)代表取締役社長にお話を伺いました。 言わずと知れたヒットブランド「ReFa(リファ)」や「SIXPAD(シックスパッド)」を作っている会社です。 国内だけでなく海外からも高い人気を誇っていますが同時に模倣品も多く、知財戦略を駆使して製品と会社の価値を守り、ブランドを作り上げています。
「ReFa」、「MDNA SKIN」、「SIXPAD」など・・・ヒットブランドの数々
松下 剛 代表取締役社長
松下 剛 代表取締役社長
 私たちは「BEAUTY(ビューティー)」と「WELLNESS(ウェルネス)」の2つのカテゴリーで商品・ブランドを展開しています。
 「BEAUTY」では、肌を美しく引き締める美容ローラーを中心に展開する「ReFa」があります。 アカデミー賞やグラミー賞のギフトラウンジで紹介される商品に採用されたり、美容機器のカテゴリーとして国内初となる百貨店コスメフロアへの出店も実現しました。 また、世界のトップアーティストであるマドンナと共同で開発した「MDNA SKIN」というスキンケアブランドもあります。 彼女の本当に納得のいく商品を作りたいという姿勢で、自ら一品一品検証してくれています。
 「WELLNESS」では、サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手と「SIXPAD」というブランドを開発しました。 体に貼り付け、電気刺激によって筋肉を効果的に鍛える商品を中心に、国内だけでなく、アジア・ヨーロッパにも展開しております。
 弊社の強みはブランド戦略です。商品を作るという考え方ではなくて、ブランドを作るのです。ブランドを作ろうとすると技術ではもちろん、デザインでも他に負けられません。 家に置いていて、お客様が来たときに隠そうと思うか、見せたいと思うか。 オブジェのように、使っていないときもただ見ているだけで美しいか、使う人も美しく見えるか、そういったことも大切なポイントと考えています。
ReFa
ReFa
MDNA SKIN
MDNA SKIN
SIXPAD
SIXPAD
         
日本の「宝」を「価値」あるものにするための事業体制
 テレビのように、かつて日本メーカーがリードしていた業界も、今やアジアをはじめ海外勢が台頭しています。海外の企業がすさまじい情熱を持って日本にアプローチをした結果です。 目の前でこの状況を見ていながら、何もせず見過ごすなんてとても出来ません。私はいまいちど、日本のものづくりを世界に発信していきたいと思っています。

 弊社は、インキュベーション・マーケティング・ブランディングという3つの視点を軸に事業に取り組んでいます。
 まずインキュベーションについて。日本には技術や知恵、文化など多くの「宝」があり、これらを結集して新たな「価値」、ありそうでなかった商品を創造したいと思っています。 そのために、社内だけに留まらず、大学や異業種企業などと積極的に連携し、一流のものづくりに取り組んでいます。 全くの異業種でもそこにある技術に注目し、弊社の製品に活用できないか考えています。 連携先を決めるポイントは、ひとつの技術やテーマについて、その分野でナンバーワンの権威を探し出すことです。
 社内にはインキュベーションチームがあり、毎日大学や企業に出向いて情報収集し、月1回、私のところにネタを持ってきてもらっています。 また、「顧問会」という組織もつくり、大手メーカーで技術部門の責任者を務めてきた、日本が誇る十数名の開発者たちに「開発顧問」として在籍して頂いています。 技術や品質検証などあらゆる助言をしてもらっています。こういった「人材」も、日本の大切な「宝」なのです。
 日本の商品は、素晴らしい技術があっても認知度が上がらない、海外で戦えない、値引き合戦にまきこまれることがよくあります。 そのためにマーケティングとブランディングが欠かせません。ここには技術開発と同じくらいエネルギーをかけています。弊社のブランド・商品には全てストーリーがあります。 何故このブランド・商品が必要なのか?というところから徹底的に創りこんでいくのです。完成するまでのプロセスには数年かかることもあります。
 日本にはマーケティング、ブランディングが弱い会社が多いと思います。しかし冷静に技術だけを見ると決して海外に負けてはいません。 例えば、日本の伝統工芸品を求める人は世界にたくさんいるはずです。 伝統工芸品に対してブランディングとマーケティングを適確に行えばもっと売れるでしょうし、結果、地域の活性化にも繋がると思うのです。 地域のブランド価値を世界に売り込むべく、今、新たな商品の開発にも着手しています。
         
SIXPAD誕生秘話。一流のメンバーとの開発、行政や業界を巻き込んで作った安全基準、トップアスリートによるPR
MTG本社ショールームには、様々な商品がずらり
SIXPAD
 世界的な有名人とコラボレーションするきっかけは一言では言えませんが、一般的なやり方で普通にやっていたら100%不可能だったでしょう。 しかし最初からダメだと諦めずに挑戦したことで、普通ではありえないことが実現できました。弊社はロナウド選手やマドンナが契約した企業としては、世界一小さい会社です。 しかし彼らが直接コンセプトから開発まで携わっていて、彼らと直に会話が出来るのは世界でうちだけです。彼らと強固な信頼関係を構築してきたからこそ出来るのです。
 「SIXPAD」は、ヨーロッパで先行して発達していたEMS(Electrical Muscle Stimulationの略。 筋肉を電気刺激によって収縮させる器具)について、ロナウド選手に「日本で作ればもっといいものが出来るのではないか」と言われたのがきっかけで、開発プロジェクトが立ち上がりました。
 せっかく世界一のアスリートと組めることになったので、世界一の権威ある先生を探すことにしました。 EMSの権威は発祥のヨーロッパにいると思いきや、なんと日本にいて、それが京都大学の森谷敏夫 名誉教授でした。 長年の研究の中で20ヘルツという周波数が最も人体に効果的ということが導き出されていましたが、その条件で試作してみると痛くて商品になりませんでした。 そこで弊社の開発メンバーがこの周波数を活用しながらも痛みを感じないようにする技術を追求し、そこにロナウド選手が自分の肉体を使ってテストするというサイクルの中で、 最終的に出来たものがCMMパルス(クリスティアーノのC、森谷のM、MTGのM)でした。
SIXPAD
MTG本社ショールームには、
様々な商品がずらり
 商品化の目処が立つと、私が副会長を務めさせて頂いている日本ホームヘルス機器協会で、EMSを取り上げました。 製品が安全であると証明するには、社内のエビデンスだけでは足りない、国や業界を巻き込む必要があると思ったからです。 世界で最も安全意識が高い日本で、行政(厚生労働省、経済産業省)にも参画してもらい安全基準を作ることにしました。 色々なメーカーが一緒に取り組むことで市場も活性化することを訴え、同業のパナソニックやオムロンにも賛同してもらい、EMSのJIS規格化が実現しました。
 商品発表では、ロナウド選手自らPRしてもらいました。弊社は日本でまだまだ無名で、海外では更に認知度はありません。 しかし彼が動くと全メディアが注目してくれるので、多くの人に知ってもらえるし、チャンスも広がります。グローバルマーケティングが成功したと思います。
         
知的財産の重要性 諦めない模倣品対策
 ここまで苦労して作り上げた商品を悪用されないために、知的財産対策は必須です。商標、意匠、特許、全てにおいて重視しています。それでも新商品を出すとすぐに模倣品が出回ります。本体だけでなく、箱や取り扱い説明書までコピーされます。 これは完全な詐欺で、消費者に対してだけでなく、パートナーである企業や大学、販路の方々などにまで迷惑が掛ります。コストと時間は相当とられますが、頑として挑みます。
 模倣品の根絶のためには、「生産」「流通」「販売」の3箇所がポイントになります。
 まず「生産」については、模倣品を作っているところ、これはほぼ中国に集約されているようです。この出元を見つけては摘発しています。
 「流通」については、税関が1つのポイントです。中国から日本に入ってくる水際で流入を止めてもらっています。中国の税関にも申請しましたが、出て行くところで差し止められた例はまだありません。今後強化してもらえるよう要請しています。
 「販売」については、模倣品のほとんどはウェブ販売で取引されているので、定期的にパトロールし、模倣品を見つけたらサイト運営元に依頼し、即時サイトから削除してもらっています。中国では、ウェブ販売最大市場であるタオバオを中心に月一回実施しています。
 また、模倣品購入の未然防止のためには、消費者自身に訴えることも重要です。2016年12月、弊社のホームページ内に、模倣品対策の特設サイトをオープンました。摘発事例や模倣品の種類などを紹介しています。<http://www.mtg.gr.jp/anti-counterfeiting/別ウインドウ
 今後は、中国におけるアリババ(タオバオをはじめ、様々な電子商取引事業を運営する大手流通企業)の絶大な信用力もお借りしたいと思っています。例えば“模倣品が出回っていますが、このサイトなら問題ありません”と、弊社だけでなくアリババからも保証してもらうのです。

 模倣品対策は、会社によっては予算や人の関係でブレーキを掛けざるをえないという経営判断もあるかとは思います。特に、国内のうちはいいけれど海外にまで広がると追いかけるだけでコストがかかるからと、片目をつぶって諦める会社も多いでしょう。 しかし模倣品を放置することは、私たちのお客様が騙されているのを放置することになります。それに商品寿命も減らすことに繋がります。 開発、生産、販売のあらゆるパートナーにも迷惑を掛けることになり、彼らもやる気をなくし、売り上げにも影響するでしょう。 本来なら末永く市場に必要とされる商品でも、知財をおろそかにしたがゆえに、市場から無くなってしまうこともあるのです。弊社は、どんなことがあっても立ち向かい、模倣品を放置しない方針です。

模倣品対策の特設サイト。摘発事例や模倣品の種類を紹介している。
模倣品対策の特設サイト。摘発事例や模倣品の種類を紹介している。

 ブランド価値が上がれば上がるほど商標の価値は上がります。ヴィトンやシャネルなどは、これまで積み上げてきたブランド力があり、商標だけでも戦えます。 しかし弊社は違います。立ち上げたばかりは世間での認知度はもちろんゼロでした。ではまずは製品の意匠権から押さえていこうという経緯で取り組み始めました。 創業当初は、社外の弁理士の方に、よく会社が小さいのに知財戦略に積極的になれるね、と言われたものです。今改めて、知財で守っておいて良かったな、と思います。 知財なくしてブランドは作れない、と確信しています。
 弊社の知財は、特許、意匠、商標、国内外あわせて約1,100件あり、年間平均では約300件取得しています。今後ますます強化し、知財の成功事例の企業になるように頑張りたいです。
 経済産業省の知財に関する助成金は、有効に活用させていただいています。ひとつだけ利用者としての要望は、使用できる期間が限られていることです。 例えば、弊社の出願と助成金を申請できるタイミングが合わないと、残念ながら見送らざるを得ないということがあります。もっと時期を細かく分散して設定してもらえたら嬉しいです。
         
医療周辺の分野にも参入予定
 BEAUTY、WELLNESSの分野は、世界では45~50兆円のマーケットになり、今後も拡大していくと予想されています。 当面はこの2つの分野に注力するつもりですが、今後は、ライフケアのような医療の周辺段階にも事業を広げたいと思っています。
 例えばEMSの技術は、筋肉を鍛えるという目的が医療周辺にも展開できるでしょう。 ケガをして車椅子生活でリハビリしたくても出来ない人でも、ベッドの上で気軽にトレーニングができるはずです。
 家庭用のホームケア機器は、医療機器の認定を受けるものとそうでないものとに分けられますが、その間の“体調改善機器”というカテゴリーが作れないか、 日本ホームヘルス機器協会で現在行政に働きかけています。
         
チャレンジングな会社でいたい
 海外に行ったら日本の企業、特に新しい企業が驚くほどチャレンジしていません。 先日ラスベガスで開催された家電見本市「CES2017」に行ってきましたが、あれを見れば将来の日本はどうなるのだろうと思います。 そもそも圧倒的に出展社数が少ないです。中国や韓国よりもアグレッシブではありません。この状況が数年続くと日本は本当に取り残されていくでしょう。 しかし私たちのような中小零細企業がグローバルにチャレンジしていこうとすると、大手と比べて経験も経営資源も少ない中でやっていかなければなりません。 チャレンジしていくための行政施策があればと思います。特にまだ支援が手薄で、日本企業が財源投資するのが下手な、プロモーションのところで。 例えば、海外の展示会やあらゆる広告媒体で日本の経済産業省枠を作り、経済産業省の審査に通った企業がそこで出展する、など。 1社だけでは負担が大きいので、数社で分担するのです。
 行政と民間が一体になって、日本の価値をPRしていくべきです。私たちMTGは、日本の技術を結集して、グローバルでチャレンジしていく会社でいたいと思っています。
         
会社概要
Company Profile
松下 代表取締役社長
松下 剛 社長
株式会社 MTG
法人番号
6180001051390
〒453-0041 愛知県名古屋市中村区本陣通4-13 MTG第2HIKARIビル
事業内容
美容機器の企画開発・製造、化粧品・医薬部外品の企画開発・製造、フィットネス機器の企画開発・製造、HOD(Home & Office Delivery)キララ事業
1996年(平成8年)
代表
代表取締役 松下 剛
資本
1億円(資本準備金含む)
従業
839名
株式会社 MTG ホームページ外部リンク
TE
052-481-5001
FA
052-481-1124

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0535
FAX番号:052-951-0557

ページ上部へ戻る

Adobe Reader バナーPDFファイルをご覧いただくためにはAdobe Readerが必要です。外部リンク