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中部発きらり企業紹介 Vol.94

更新日:平成27年11月27日

「自社だけでなく周りの人も幸せに」を使命に、
食糧自給率の向上、使わない農地、街、お年寄りの活性化・・・楽しいことがどんどん広がるちこり生産

  • 岐阜県中津川市
  • 耕種農業
  • 野菜小売業
スター★ちゅぼっと君
 今回は、株式会社サラダコスモの中田智洋社長と中田光彦研究開発課リーダーにお話を伺いました。 同社は、昭和30年よりもやしの栽培を始め、岐阜県中津川市に「日本最大のちこり栽培施設である」ちこり村を運営されています。
清涼飲料水からもやしに変えて35年
 私の父が戦後すぐの昭和20年に、この町で清涼飲料水のラムネの製造・販売を始めました。 その後、昭和55年に35年続けた清涼飲料業から、もやしの野菜工場を始め今年で35年になりますので、併せて70年目となります。
 野菜に転換した経緯としては、昭和20年頃、清涼飲料水の販売事業は街角の零細企業の生業でしたが、昭和55年の数年前頃から、 上場企業が清涼飲料水の販売事業を手掛けるようになり、零細企業が出る幕がなくなりました。
 弊社ではもともと、冬の閑散期に副業として工場の一角でもやしを栽培していたので、私が30歳の昭和55年にラムネを止めて、野菜生産を本業に据え変えて、 今日までやってきたというのが大きな歴史です。
 現在では、売り上げの中心はもやしで、その他に芽物野菜である、かいわれだいこん、ちこり、ブロッコリーの新芽等10種類の野菜を生産し、主にスーパーで販売しています。
         
25年前のちこりとの出会い
日本で1番 新鮮でお得な ちこり
日本で1番 新鮮でお得な ちこり
 今から約25年前にオランダの農業視察ツアーに参加した際にちこりに出会いました。オランダはちこりの生産については100年以上の歴史があり、そこでちこり工場の見学もさせてもらいました。
 工場を見学して驚いたのは、これはもやしの工場と同じだということ。これなら私でも作れると帰国後アイデアを温めていて、今から約10年前にオランダのノウハウを輸入して、 ちこりの国産化を始めました。国産では弊社だけです。
 弊社が始めるまで、日本でのちこり生産はゼロではありませんでしたが、生産には難しい条件が多く、日本では定着していませんでした。 ちこりの根を畑で作ってそれを工場に持ち込んで3週間程度育てる必要があるため、2度手間が掛かります。生産性が悪くコストアップになり、価格の高い高級野菜になってしまいます。 ちこりの物流や販売については、当社のもやし販売のルートを使うことにしましたので、それほど苦労はしませんでしたが、ちこりの生産はたいへん苦労しました。
         
全てはちこりを知ってもらうために・・
約120人の雇用、年間30万人の来場者を生んだちこり村
ちこり村
ちこり村
 ちこり村は、ちこりの生産、見学、売店、通信販売、これらが一体となった事業となっています。
 約10年前にちこりの生産・販売を始めたのですが、予想外だったのは全然売れないことでした。ちこりには何も問題はなく、問題は日本ではちこりを誰も知らないということでした。 知らない野菜は売れない。ならば、ちこりを知ってもらうため、ちこり工場に見学施設を作ろうと思い立ったわけです。
 工場見学に来てくださった方に、お土産を買ってもらう売店を作ろう、食べてもらいたいからレストランも作ろう、遠方から来た方が再び食べられるように通信販売も始めようと、 どんどん事業が膨らみました。また、中津川へ来たらこの町の文化に触れることができるとか、年に何度か健康のための講演会を開催するとか、一言で言うと文化活動も始めました。
 売店で販売している商品は、スーパーで売っている物はなく、全て地元で生産した物やここで販売するために開発した商品です。他店と比べられることがないので、弊社で値段を決められます。
 レストランは、農家の家庭料理というコンセプトで、農家のお母さん方のグループが自主運営しています。米も味噌も全部地元産で、野菜中心のレストランです。 当初は、施設見学した人がついでにレストランに寄っていたのですが、今ではレストランを目当てに来てくれるようになりました。昼の3時間の営業だけで年間1億円の売り上げです。 開店して3、4年経ったらリーダーの方が「まさかこんなに忙しくなるとは思わなかった。くたくたになってしまった。」と言うぐらい繁盛しています。
野菜をおしいく食べられる手づくりのレストラン バーバーズダイニング
野菜をおしいく食べられる手づくりのレストラン
バーバーズダイニング
 来場される方は、週末は市外及び県外が圧倒的に多く、週中は半径50Km以内の方が多いです。 また、ちこり村は、観光地としても力がついてきて、観光各社の観光ルートで立ち寄り場所になっています。
 ちこり村では120人近くの雇用を作れました。地方で駅前はシャッター街になっている中で、ちこり村は昨年30万人の来場者に来て頂き、地域活性化の拠点となっています。
 話が逸れますが、私は地元の商業高校を卒業して東京の仏教大学に進学し、仏教の極意を勉強しました。仏教は自分が幸せになるための雑学です。 1番大切な使命は、人が幸せに生きるコツを教えること。自分の幸せって、実は回りの幸せということに気付くのが仏教の極意。 わたしはこの仏教のすばらしさを、企業経営とか社会発展に使えないかと若いときから思っていました。
 ちこり生産を通じて、食糧自給率を高めるとか、使わない農地の活性化、年寄りの活性化、街の活性化等、他にもいっぱい楽しいことを考えています。
         
南米の移民農業生産者を応援、他にはないほど意義深い事業
 海外事業としてやっている南米事業には、時間とお金をものすごく使いました。サラダコスモの本体は35年黒字ですが、南米事業は15年赤字です。
 終戦直後の昭和21年~23年、食べ物に困る世の中で、当時日本政府は南米への移住を奨励し、移住者だけで30万人いました。現地へ行くと決して幸せではなく、 結局勇気のある人が貧乏くじを引いた形となっています。
 当社が、現在、事業で関わっている国は、アルゼンチン、パラグアイ、ペルーで、日本から移住した農業生産者を応援しようとして、彼らが作っている農産物を買って、 それを日本で販売する事業を行っています。日本で高く売れれば良かったのですが、例えば、大豆やとうもろこし、ニンニクを輸入しても、アメリカからの輸入品とはコストで歯が立たちません。 意義深い事業だとは言ってくれるのですが買ってはくれませんでした。仕方なく、高く買っては安く売るを15年続けて今日に至りますが、意義深い事業だと思って続けています。 政府は教育や援助資金はたくさん投入しましたが、彼らは作られた農産物を購入したことは一度もないと聞いています。政府ができない部分は、民間でやろうと考えました。
         
海外からも注目の農薬、化学肥料を一切使わない生産技法
 弊社の特徴は、農薬、化学肥料を一切使わないでもやしやスプラウト野菜を栽培すること。 このノウハウは、35年間やってきているので当たり前と思っていましたが、中国とか東南アジアの視察団はすばらしいノウハウであると思っています。 毎月視察団が外国から来ますが、コストとか生産性を勉強することが目的ではなく、この無農薬、化学肥料を使わないノウハウを学ぶことを目的に来ています。
         
もやしの付加価値、機能性食品表示、新商品開発にものづくり補助金を活用
大豆イソフラボン子大豆もやし
大豆イソフラボン子大豆もやし
 各務原市の人参農家さんと連携して弊社の野菜ジュースを開発する事業で、岐阜県産業経済振興センターの農商工連携事業の助成金を使わせて頂きました。 その流れで、経済産業省の「ものづくり補助金」の紹介をして頂きました。
 社長から、「もやし事業はスーパー等で安く売られているが、もやしに付加価値を付けてもっと売れるように」との指示がありました。 こんなに長く売っている商品を、さらに売るというのは中々難しいなと思っていたところ、一昨年に消費者庁から機能性表示が始まるという報道があったので、大豆イソフラボンについて、 この補助金を活用して新商品を開発しようと思ったのがきっかけで、もやしの機能性食品表示を目指しました。
         
どんどん広がるもやしの可能性
研究開発課リーダー 中田 光彦さん
研究開発課リーダー 中田 光彦さん
 ものづくり補助金では、残渣を回収して、これから売っていくための材料も開発しました。洗ったときに出てくる残渣、捨てている部分をなんとか使えないのか。 捨てている部分にもイソフラボンが入っているので、残渣を回収する設備も導入しました。
 この事業により、コンニャク麺に大豆のペーストを入れた麺を開発することができました。 交ぜると中華麺みたいな色になって、味も美味しくなり、カロリーも中華麺の1/10になるのでダイエット用にも使えます。まずはコンビニで売っていきたいと考えています。
 その他にも、商品開発のネタがたくさん出てきました。もやしを食べて頂くのに、いろんな野菜と一緒にカップにいれて電子レンジでチンして食べる。 そんなことができると売れるだろうという応用商品のアイデアがでており、特許も取得できました。
         
大学と連携して健康志向の商品を研究
 大学との連携については2年ほど前から始めています。 野菜の中に含まれる成分については、まだ十分研究されていないことが多いので、岐阜大学や岐阜県産業技術センターとネットワークを組んで共同研究をしています。 研究の成果を生かして、機能性表示とか健康のカテゴリで新たな事業を展開していきたいと考えています。
         
がんばる中小企業300社に選ばれました
 経済産業省からは、2014がんばる中小企業300社の表彰も頂きました。 まだまだ満足できる経済性ではないですが、世間に注目頂いて、より多くの方にちこり村を知っていただくことができました。 このちこり生産と運営を通して、輸入物を国産化したということで、国産自給率の向上、農地の活用に貢献しました。また、地方都市は健康なのに仕事がない高齢者が多い中で、 ちこり村は60歳以上の高齢者中心で事業を展開してきたので、200人超の雇用も行いました。こうしたことがものづくり300社に選んで頂いていた理由かなと思っています。
         
夢は、社員も入社してよかったと思える世界一の野菜農家
 現在、岐阜県内に新しい野菜工場を建設する計画を進めています。 新工場は、農業と観光と文化の一体感を持った事業で、高齢者雇用や地域活性化等、社会問題解決業として民間企業という立場で取り組んでいくつもりです。
 また、南米で野菜の種の事業を始めます。現在は種を商社から買っていますが、南米のお世話になっている日本人の皆さんの指導を受け、現地に自社農場を造っており、まもなく完成します。 南米以外の海外展開としては、オランダの合弁会社で作ったちこりを日本に輸入したいと考えており、これもまもなくスタートします。 さらに、東南アジアで野菜工場を運営したいとも考えております。そして、売上高は、今年の83億から、来年は100億円を目指しています。
 世界一の規模の大きい野菜農家になり、社員もサラダコスモに入社していてよかったなと思えるようにしたい。今後もいろいろなアイデアを実現したいと考えています。
         
会社概要
中田 智洋 社長写真
中田 智洋 社長
  1. 会社 株式会社 サラダコスモ
  2. 法人番号 2200001023366
  3. 本社 岐阜県中津川市千旦林1-15
  4. 事業内容 耕種農業、野菜小売業
  5. 創業 昭和20年12月
  6. 代表者 代表取締役 中田 智洋
  7. 資本金 9,000万円
  8. 従業員 450名(うち正社員105名、パート・アルバイト345名)
  9. TEL 0573-66-5111
  10. FAX 0573-66-5236

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0535
FAX番号:052-951-0557

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