1. ホーム >
  2. サポイン技術を探す >
  3. ナノカーボンを用いた耐熱性・放熱性に優れた熱可塑性樹脂の開発

プロジェクトの基本情報

印刷する

2017年3月24日更新

熱可塑性樹脂にナノカーボンを均一分散させた、機械的特性を確保しつつ、耐熱性、放熱性、耐衝撃性等を確保した画期的な複合材料

イイダ産業 株式会社

プロジェクト名 ナノカーボンを用いた耐熱性・放熱性に優れた熱可塑性樹脂の開発
対象となる川下分野 自動車、エネルギー
川下企業におけるニーズの対応 高機能化(精度・性能の向上など)
高耐久性(耐熱性、耐食性、耐摩耗性の向上など)
質量低減(小型化、軽量化など)
信頼性・安全性(信頼性の高い検査技術の実現など)
上記ニーズに対する具体的な数値 ・軽量化:アルミに対して、1/3の重量
・耐熱性:120℃、2MPa引張クリープで、10,000minでも破壊なし
(ナノカーボン無添加樹脂では130minで破壊)
・放熱性:熱伝導率 面方向:3.26(W/m・k)、垂直方向:0.82(W/m・k)
・体積固有抵抗値 5.5×10-1(Ω・cm)
・弾性率:アルミに対して、室温:3.5倍、150℃:5.0倍
事業実施年度 平成22年度~平成24年度
事業化状況 補完研究中(完成に向けて現在研究中)
対象としている素材 プラスチック

プロジェクトの詳細

プロジェクトに至った背景・経緯
環境対策としてCO2排出量の削減が求められる中で、自動車の燃費向上への要求が高まっている。このため、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車等のいわゆる「次世代自動車」の普及により、環境対策の実現が期待されている。これらの次世代自動車で用いられるモーター、インバータやバッテリーなどのケースは、鉄製からアルミ製へ変更され、軽量化が図られているところであるが、本研究開発では、さらに、金属製から樹脂製に代替することで、次世代自動車の軽量化に貢献するために実施した。
研究開発のポイント
モーターやインバータ、バッテリー等のケースを樹脂製とする場合、耐熱性・防音特性、および電磁波対策が課題である。それらの課題を踏まえ、本研究開発では、各特性に優れたナノカーボンを用いた熱可塑性樹脂の複合化を実施した。そのポイントとしては、
(1) 熱可塑性樹脂にナノカーボンを均一分散させる技術の確立
(2) 機械的特性を確保しつつ、耐熱性、放熱性、耐油性、耐熱衝撃性等の特性確保
(3) (1)と(2)の特性を保持した上での射出成形などによる効率的な成形技術の確立
である。

研究開発の具体的な成果
(1)熱可塑性樹脂にナノカーボンを均一分散させる技術の確立においては、ラボスケールでは、弾性混練法により、熱可塑性樹脂にナノカーボンを均一分散(解繊)させる技術を確立した。量産レベル(二軸混練押出機)においても、ラボスケールの再現が図れた。
(2)機械的特性を確保しつつ、耐熱性、放熱性、耐油性、耐熱衝撃性等の特性確保においては、ラボスケール・量産レベルともに、各種特性は、確保できた。
(3) (1)と(2)の特性を保持した上での射出成形などによる効率的な成形技術の確立においては、ナノカーボンが高濃度(溶融粘度が高い)でも、射出成形性は、良好であった。

利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等
研究開発にて実施してきた次世代自動車用モーターやインバータやバッテリーのケースおよびブレーキピストン等については、物性的には、満足しているが、コスト面の検証が不足しており、当初のシナリオよりは、若干、遅れる可能性がある。しかし、高付加価値が見込まれる用途である石油探索・掘削機用パッキンや動的(ダイナミック)シール材などには、セルレーション技術を活用出来るので、早期の採用が見込める。

事業化への取り組み

知財・広報活動 現在、特許1件出願中。
関連する学会への論文投稿やポスター提示等を実施中。
今後の見通し 次世代自動車用部品の適用においては、材料単価の見直しも必要であるが、設備のスケールアップは、不可欠である。物性とコストとの兼ね合いを鑑みながら、検討していく。なお、高付加価値が見込まれる用途である石油探索・掘削機用パッキンや動的(ダイナミック)シール材などについては、部品が小さく、かつ、数量も、自動車と比較して、多くはないため、現状の規模で十分に生産は可能である。あとは、効率的な生産工程が構築出来れば、事業化への近道となると思われる。

研究開発の体制

事業管理機関 公益財団法人 名古屋産業科学研究所
法認定事業者 イイダ産業 株式会社
研究実施機関 イイダ産業 株式会社
日信工業 株式会社
愛知工業大学
国立大学法人 信州大学

PRコメント

イイダ産業 株式会社の自動車用部品の研究開発理念としては、「環境」・「安全」・「快適性」を満足させることを視点におきながら、ユーザーニーズに応える活動を実践している。今回のサポインプロジェクトに参画したすべての機関が、弊社の考えに共感して頂き、コンソーシアムを構成することが出来た。また、自動車メーカーも、環境対策としてはCO2排出量の削減が求められる中で、自動車の燃費向上への要求が高まっており、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車等のいわゆる「次世代自動車」の普及により、環境対策の実現が期待されているが、これらの次世代自動車で用いられる部品において、鉄製からアルミ製への代替化により、軽量化が図られているが、既存の駆動用バッテリーは1回あたりのフル充電による航続距離が十分でないという問題があり、現状、重量の大きなバッテリーを多数搭載しなければならず、航続距離の確保と軽量化という一見して相反する課題を解決する必要がある。さらに、それらのモーターやインバータ、バッテリー等の衝突安全性・信頼性に配慮する必要性から、板厚の厚いケースやその固定のためのクロスメンバーフレームが用いられており、これらが重量増加を助長する要因であるとされている。そこで、本研究開発では、それらのケースを金属製から樹脂製に代替することに着目し、次世代自動車の軽量化に貢献することを目的としており、当初目標であった樹脂にナノカーボンを均一分散させた画期的な複合材料を製造できる技術を確立出来た。この技術を、海外展開出来るように、生産拠点を確立しており、全世界に浸透させていくつもりである。なお、その技術を自動車分野以外にも普及させるため、航空機・医療・環境エネルギー分野への新事業展開を検討している。

企業情報

社名 イイダ産業 株式会社
(法人番号:5180001034082)
所在地 〒492-8547 愛知県稲沢市北麻績町沼1-5
電話番号 0587-36-5781
社員数 207名 (男性  146名、女性  61名)
資本金 2億490万円
業種 ゴム製品製造業
事業内容 自動車、建築、鉄道関連向けの防音材、制振材、補強材、接着剤及びシーリング材の製造・販売
URL http://www.orotex.co.jp/
保有する生産設備と
スペック
押出機:20機、射出成形機:6機、混練用ミキサー:5機
生産拠点エリア 国内 所在地:愛知県稲沢市
海外 所在地:中国・タイ・インド・アメリカ・メキシコ
海外生産対応 可 対応可能エリア:中国・タイ・インド・アメリカ・メキシコ
主要な取引先 トヨタ自動車 株式会社、三菱自動車工業 株式会社、マツダ 株式会社、トヨタ車体 株式会社、 日産自動車 株式会社、本田技研工業 株式会社、富士重工業 株式会社、スズキ 株式会社など
本プロジェクトに
関する問い合わせ先
部署名
技術部 調査室

おすすめのページ

条件から探す

業種から探す

製造業

年度 ~ 年度
事業化状況から探す
ニーズから選ぶ
エリアから探す

サポイン技術登録数

203
(2017年01月17日現在)

サポイン技術を探す

  • サポイン技術検索
  • サポイン技術一覧
  • 現在研究実施中のサポイン事業一覧はこちら
  • アクセスランキング
  • マンガでわかるサポインマッチナビ中部(PDF)

    PDF形式:11.3MB

トップページへ

このページの先頭へ