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プロジェクトの基本情報

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2018年11月8日更新

世界最小ロスを達成したミリ波LTCC基板

平井精密工業株式会社

プロジェクト名 高Q・低誘電率高密度実装用LTCC基板の開発
対象となる川下分野 自動車、航空機、産業機械
川下企業におけるニーズの対応 高機能化(精度・性能の向上など)
高耐久性(耐熱性、耐食性、耐摩耗性の向上など)
質量低減(小型化、軽量化など)
効率化(生産性・作業性の向上など)
信頼性・安全性(信頼性の高い検査技術の実現など)
低コスト化(ランニングコスト低減、ロス削減、 省力化など)
上記ニーズに対する具体的な数値 ・伝送線路(MSL)ロス≦0.5dB/cm ・LTCCはECU等で車載実績多数
・LTCCは多層=小型軽量化が特徴(携帯電話等に使用)
・LTCCは同時焼成多層基板の為、製造プロセスが簡単
・LTCCは高温焼成の焼き物で非常に安定=信頼性・安全性を有する
・多層化されたLTCC基板は小型で低損失故に低コストを実現する
事業実施年度 平成23年度~平成25年度
事業化状況 実用化済み(完成はしているが販売実績はなし)
対象としている素材 LTCC基板用、セラミックス誘電体材料

プロジェクトの詳細

プロジェクトに至った背景・経緯
マイクロ波通信の次にと目されたミリ波応用は、デバイスコスト高等の理由で光に主役を奪われ、40年間陽の目を見る事がなかった。半導体微細化競争でPC,TV,スマホ等々で汎用のC-MOS又はSiGe ICの動作周波数がミリ波帯に迄延び、自動車衝突防止用レーダ、ミリ波WLAN(WiGig)等へ使用準備が整って来た。一方、デバイス実装用の基板は大きな遅れを取り、ミリ波帯で使用可能な導波管、アルミナ基板等は高価過ぎ、ミリ波帯で好ましいアンテナとモジュールの小型集積化を可能とするミリ波多層LTCC基板の開発が喫緊の課題であった。
研究開発のポイント
小型携帯電話で重宝される従来の多層LTCC基板用誘電体材料は、アルミナ粒子にガラスを半量以上混ぜたもので、銀(融点960℃)との低温同時焼成を実現した。このLTCC基板をミリ波帯で使用した場合、ガラスのQ値が周波数に反比例して劣化し、ロスが過大となり使用不可能である。従って、ミリ波帯で低ロスを目指す為、先ずガラスを混入しない高Q材料を開発する必要がある。ウィルマイトは高Q値を有するが焼成温度が約1,400℃と高い為、ウィルマイト粒子に低温焼成化助剤を添加しグリーンシート化後、新コンセプト“接着焼結”の同時焼成でLTCC基板の作製を試みた。
研究開発の具体的な成果
ウィルマイトを母材とする新材料を開発、グリーンシート化を行い金ペースト導体と同時焼成した試作基板の伝送線路(マイクロストリップライン、MSL)ロス≒0.45dB/cm @67GHz の世界最小ロスが得られ開発目標値を満足する事が出来た。比誘電率=6.6と低誘電率で、パターンのライン&スペース≒60/60um、その他機械的特性、加工・安定性等々も目標仕様値を略満足する事が出来た。現在は、残る1つの課題である高密度実装性に関し、低コスト化に必須な銀導体の使用が可能となる様、補完研究を進めている。

利用イメージ、今後の活用が見込める分野・製品等
ミリ波帯全般のアンテナ、モジュール、コンポーネント、機器等に適用可能。特に、低ロス・ローパワー・低消費電力を要求されるバッテリー駆動のモバイル、ポータブル機器の場合、アンテナとモジュール間の接続ロスを最小化するアンテナ+モジュール集積化基板を使用する事がに必須となるが、ミリ波帯ではアンテナが小さい為、本LTCC基板を使用する事で容易に達成される。このLTCC基板にアンテナ取り込みは、従来のモジュールのみに比しLTCC基板の販売面積を増加し、LTCCミリ波新市場の創成と業界の活性化を取り戻すものと期待される。

事業化への取り組み

知財・広報活動 ・新聞発表:2012年化学産業新聞(JFCC)、2013年電波タイムズ(平井)
・展示会:岐阜愛知三重主催日産展、マツダ展、Global Symposium on Milli-meter Wave2013併設展示会、MWE2013に出展(何れも2013年、平井精密)
・学会発表:MMA2014, Idaho,USA, 2014.06,もう1件(何れも大里氏)
・特許、実用新案:特に出願も、該当するものも無し。今後、特に材料の改質、Ag拡散対策に関し発生する可能性有り。
今後の見通し Agペースト仕様のLTCC基板の評価用サンプリング基板の試作品完成の目標を10月に予定(暫定)して補完研究を行って居り、少しずつではあるが、Ag拡散のメカニズムに迫り、誘電体材料の改質でも改善の兆しが現れ始めて来たと言える現況である。10月時点の結果によっては補完研究終了の来年3月に向け少し大幅な見直しが必要な場合も想定される。又、事業・量産化(特に原料(丸ス釉薬合資会社)、グリーンシート(㈱ヤスフクセラミックス))に関しては、参加各社の各々の事情を勘案し対処を求められる局面も予測されて居る。
当初の目標を踏まえた
上での達成度や
新たな課題
上述の通り、掲げた開発すべき”高Q・低誘電率・高密度実装用LTCC基板”の3つの内、前2者は目標使用を達成済みである。3つ目に関るAgペーストのAuメッキのみが課題として積み残され、現在その要因であるAg拡散対策に取組んでいる。
量産に関しては、先ずグリーンシートは1度の実験と言えども従来の材料開発程度の量(コウ鉢、ビーカーレベル)より大量の材料を要する為、コウ鉢レベルを中量化に換えて作製すると不純物生成等の問題が発生したり、又、グリーンシートの厚み制御が現用ドクターブレード実験機では叶わず、オプションとして厚みコントロール機能を備えた機器は相当高額(投資)の為、厚み誤差の仕様値を達成出来ない状態を余儀無くされている。問題解決の為、外部専門業者依託の検討を開始し始めた所である。
川下産業からの引き合い状況
(件数等、内容)
自動車レーダー、ミリ波WLAN製造の主たる計4-5社にアプローチ済み。又、ミリ波帯LTCC基板として唯一販売されている軍需向け米Ferro社使用指定のLTCC基板試作依頼(軍用Auペースト使用)に対し、このミリ波新基板の試行使用を打診したが(誘電率の僅かな違い(Ferro 6.0 vs. 開発基板6.6)から、再設計は困難との回答が戻って来た。
Auペースト使用のアプリケーションに関して、サンプル基板(有償)評価のアプローチを行い、現在試作中。客先が出来映えを見て
正式注文書を発行する予定。評価結果が良かった場合は、開発用としての受注(但し、少量)が、当面継続する筈である。

研究開発の体制

事業管理機関 一般財団法人ファインセラミックスセンター
法認定事業者 平井精密工業㈱、㈱ヤスフクセラミックス、丸ス有限合資会社
研究実施機関 国立大学法人名古屋工業大学、学校法人名城大学、国立大学法人東京工業大学、一般財団法人ファインセラミックスセンター、独立行政法人産業技術総合研究所
アドバイザー 一之瀬昇早大名誉教授、小林埼玉大名誉教授(現、サムテック有限会社代表取締役)、大林和重氏(日本特殊陶業㈱総合研究所)、大森靖男氏(㈱ディーマテリアル)、島方幸弘氏(太陽誘電㈱R&Dセンター開発研究所)

PRコメント

ミリ波帯で初めて使用可能な多層LTCC基板で、アンテナ+送受信RF回路+CMOSベースバンド・ロジック・マイコン迄をも集積する事により、小型・低損失・低消費電力を実現し付加価値を備え、機器の価格競争力で他社を圧倒する事が可能です。先ずは、サンプル設計でこのミリ波LTCC基板を御評価頂く事を御願い申し上げます。試作に際しましてはご要望に応じまして、ミリ波帯測定(Sパラメータ等)、ミリ波回路の設計サポート(ADS, HFSS)等々のサポート/御提供をさせて頂きます。

企業情報

社名 平井精密工業株式会社
(法人番号:3120001069573)
所在地 〒530-0035 大阪市北区同心2-10-17
電話番号 06-6351-6712
社員数 400名
資本金 101,996,000円
業種 電気機械器具製造業
事業内容 エッチング加工を中心とした金属加工及びセラミック(LTCC)加工のメーカー
URL http://www.hirai.co.jp
保有する生産設備と
スペック
エッチングマシン、レーザー加工機、ワイヤー加工機、セラミック基板焼成炉、スクリーン印刷機、温水ラミネータ装置、各種測定器
生産拠点エリア 国内 所在地:岐阜県大垣市横曽根5-145
主要な取引先 京セラ、キャノン、シャープ、ソニー、トヨタ自動車、富士通
本プロジェクトに
関する問い合わせ先
部署名
大垣工場 LTCC技術室
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社屋など
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