1. ホーム >
  2. サポインについて >
  3. サポイン好事例 >
  4. 低振動化・温度自律補正機能を有した、超精密加工機械の開発

サポイン好事例

低振動化・温度自律補正機能を有した、超精密加工機械の開発

株式会社ナガセインテグレックス

明確な見通しとお客様へのPR方法の工夫で、着実な技術開発と顧客の維持・獲得が実現

明確な見通しのもとで、自社技術改良による加工機の加工精度向上に挑戦

同社は研削盤、超精密加工機等の開発・製造等及びそれらを利用した受託加工を行っている工作機械メーカーであり、現在は平面研削盤が主力商品である。同社の機械は金型業界、特に超精密なものを製造する金型に多く使われている。最近では、ヘッドアップディスプレイやフロントライトの周辺等、自動車部品への利用も増えている。
サポイン事業に応募した動機は、特定の顧客のニーズに応えるためというよりは、自社技術を高めることで更に加工精度の高い加工機を開発するためであった。より加工精度の高い加工機を使えば加工品の精度の維持もしやすいので、顧客に対する付加価値を向上できると考えたのだ。
一方で、既存の機械を改良して加工精度をある程度の水準まで高めるとなると高額な費用がかかるため、まずは基礎的な研究を自社で行い、精度の高い工作精度の開発に向けた基礎的な研究を進めた。そして、ある程度の資金があれば残り2~3年で事業化を達成できるとの明確な見通しが立つ段階に至って初めてサポイン事業へ応募した。
発生し得る問題を予測し、サポイン事業期間中に事業化を達成

サポイン事業では、超精密加工機械の低振動化と温度の自律補正という2つの視点で加工精度向上に取り組んだ。
サポイン事業の実施にあたり、問題が起こりそうなことを板津武志製造本部副本部長が予測しており、その予測からずれる事態が発生した場合は、適宜現場に確

認を行う等の措置を取った。例えば、サポイン事業では温度のコントロール機構をできるだけ省エネ化しようとしていたため、機械の省エネ化に関する工程で今まで取り組んだことのない課題が出てくると想定された。そのような課題については、予め余裕をもったスケジュールや協力体制を設計した。
サポイン事業開始時点で向こう2~3年で事業化を達成する見通しを明確に立てていたことで、そしてサポイン事業期間中に発生し得る問題をしっかりと予測することで、想定通りの優れた技術を想定通りの期間で開発することができた。そして、優れた技術を開発できたからこそ、開発した技術が同社の扱う様々な装置に利用されることとなった。結果として、サポイン事業期間中に概ね事業化を達成した。
お客様の注目を引く形でのPRを通じ、サポイン事業が顧客の維持・獲得に寄与

サポイン事業の実施によって加工機の精度を全体的に底上げできたため、早速加工機の販売を行っている。国内に精度が高い大型加工機は少ない一方で海外の加工機は高価かつメンテナンスに時間がかかる等の問題があるため、「大型で精度の良い加工機が欲しい」という声を寄せていただいたお客様に、進んで声をかけてPRした。他に、海外の機械を使っているお客様の

買い替え需要の吸収も狙っている。
そのような場合は、顧客の開拓や顧客との関係の深化を図るうえで同社の試験センターが一役買っている。試験センターではお客様が実際に抱えている課題をテスト加工により解決して見せており、加工技術の高さに対するお客様の理解の向上、そして加工機の受注増加に貢献している。試験センターで使われる加工機械にも、勿論サポイン事業で開発した技術が全て盛り込まれている。
本来であれば、目に見えない加工技術の開発は顧客獲得や売上増加等の直接的な成果が出にくいものである。しかし、明確な見通しを持って研究開発を行うことにより想定通りの技術を開発できたことで、そしてお客様の注目を最も引く形で製品のPRを行うことで、着実に顧客の維持・獲得を実現している。
なお同社では、技術や製品の新たな用途に関する情報の収集・分析に展示会を活用している。2年に1度開催される「日本国際工作機械見本市 JIMTOF」には必ず出展しており、更にJIMTOFの開催されない年には、名古屋で開催される展示会に出展しているそうだ。年間で合計3~4件展示会に出展することで、お客様の情報を収集しているのである。
開発力の重要性
同社の機械の売り方には、①従来の機械をそのままリピート品として売る、②従来品を少し改造した機械を売る、③新規で製造した機械を売る、の3種がある。以前は②・③の割合が半分程度であったが、現在は3分の2程度にまで増えている。即ち、現在同社においては開発力が売上に直結しやすい状況になっている。「当社の機械の販売先市場の90%以上を占める国内市場では、開発要素の重要性が増しており、既存の機械の開発依頼が当社に来るケースも発生し得るだろう。そのような際に、サポイン事業で開発した技術を含め、これまで当社で培ってきた技術を活かしたい。」板津副本部長はそう語る。
そして、同社の開発力を活かして実現したいこととして、省エネ化を挙げている。例えば、温度の変化に柔軟に対応する機械を改良することで、温度が変わっても加工精度が変わらない加工機の開発を目指すとのことだ。また、省エネに対する取組みの1つとして開発した「スマートサーモニクス」という周辺環境自律補正機能を、今後も学会や展示会等いろいろなところで発表したいとのことだ。
事業化&マッチング成功のポイント
●明確な見通しが立ってからサポイン事業へ応募
残り2~3年で事業化を達成できる明確な見通しを立てていたため、想定通りの技術を想定通りの期間で開発できた。
●問題が起こりそうな工程を事前に予測
問題が起こりそうな工程について事前に予測し対応策を考えることで、研究開発を計画的に進められた。
●お客様の注目を最も引く形でのPRを実施
自分達が望む形ではなくお客様の注目を最も引く形で製品のPRを行うことで、お客様の関心を集めにくい内容の技術開発を顧客の維持・獲得へ着実に繋げられた。
活用のためのアドバイス

製造本部副本部長 板津武志さん
サポイン事業に応募をする際に、現状を踏まえて適切なゴールを設定することが重要である。サポイン事業に採択されるためには技術的に抜きん出たものが無いといけない一方で、事業化に繋げるための目標が高すぎると、採択はされたとしても研究開発をうまく進められない。全く実現可能性の無い話でも、簡単に達成できる話でも駄目なのである。適切なゴールラインの設定について考えをめぐらすことが、採択される段階においても、採択された後に成果を出す段階においても重要になる。
しっかりと目標を定め、是非サポイン事業を有効に活用して欲しい。
紹介動画

トップページへ

このページの先頭へ