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サポイン好事例

セラミックスシート(チップ抵抗器基板)への微小ピッチ,
極微細孔の精密打ち抜き金型の開発

大垣精工株式会社

選抜チームで挑戦した最先端技術の結晶

驚異の技術力を結集して挑んだ新しい挑戦
金型メーカー・大垣精工の名を世間に知らしめたのが、ハードディスクのサスペンション部品だ。パソコン、HDDレコーダー等に使用されているHDDには、サスペンション部品の先端に磁気ディスクから記録を読み取る磁気ヘッドが組み込まれているが、この磁気ディスクと磁気ヘッドとの隙間は同社が製造する超精密部品によって、8ナノメートル以下に保たれている。例えるなら「ジャンボジェット機が地上1mm以下で飛行する精度」に相当する技術と言われ、国内で2社・世界でも4社しか製造できない。この驚異的な技術力をベースに、サポイン事業では、モバイル機器等に内蔵されるチップ抵抗器基板の世界へ新たな限界に挑戦した。

選抜チームで挑戦した最先端技術の結晶

プロジェクトの中心となったのが、金型先端技術開発センターの主任研究員・日比庸之さん。サポイン事業にあたって集められた7名の選抜メンバーとともに、課題の洗い出しから新たな開発に取り組んでいった。「スマートフォンやデジタルカメラなどの電子機器には、小型化・軽量化・省エネ化が望まれ、それらに使われているセラミックシート(チップ抵抗器基板)も同じく小型化・高精度化が求められています。セラミックシートの面積を小さくしたうえで、穴をさらに小さく、連結穴数をいかに増やすかを考えた時に、懸念していたのが極めて微小な加工ゆえに起こる塑性流動(原子の拡散等によって表面が流動してしまうこと)や位置公差の問題です。予測できなかったような苦労もありましたが、これまでに培ってきた放電加工技術、ワイヤー放電加工技術、精密研削技術の集大成となる開発となりました。」
大学とのコラボレーションが不可能を可能に

普段は開発から製造まですべて自社のみで行っている同社だが、今回は岐阜大学と初めて共同研究を行った。「サポイン事業のいいところは、大学の研究機関と情報交換ができたこと。多方面からのアプローチによって、より深い研究開発ができたと思います」。
2年間のサポイン期間を経て、従来の面積1/3、連結角穴サイズの面積1/4、連結穴数約3倍増というセラミックシートの微小ピッチを実現。さらに量産化に成功、平成25年度には念願の事業化にこぎつけた。

職人技の実用化で量産が可能に
事業完了後には販売実績・累計8600万円を記録

職人技の量産化に成功

60×70mmのシートに3894個の穴。この精密すぎる打ち抜き金型は、精度よく円滑に可動させるために“職人による手仕上げ”という高い技術力なくしては実現不可能だった。「精密になればなるほど、数値では表せない領域、機械では真似のできない分野があるんです。人間の微細な、しなやかな感覚は、組付けや磨きなどの細かな作業に欠かせないもの。簡単に培われるものではありません」と話すのは営業部の森口幸彦さん。最先端のテクノロジーに必要なものは、常に「人の心」-。逆説的に思えるが、同社が常に独創的で高度な技術開発を成し遂げてきたのは、このぶれないこだわりがあってこそだろう。
事業完了後、販売実績・累計8600万円を記録

サポイン事業では、販売面でも目を見張る成果があった。苦労して実現したセラミックシートの微細打ち抜き金型は、協力関係にある台湾のメーカーに販売。また、サポイン事業等で生まれた微細孔の加工技術や微細パンチの加工技術を活用した精密金型部品は、自動車製造の分野で累計約8600万円の販売実績をあげるなど、事業としても順調な滑り出しを見せた。
医療用機器への応用も見据え新たな展開へ

現在はセラミックシートへの微細技術を応用し、医療機器の部品にも使われるマイクロギアの開発にも取り組んでいる。0.3㎜という微細精密部品は、米粒が巨大に見えるほど、小さな小さな部品。競合がないほどニッチな職人世界だが、日本の産業の発展を支えてきたのもまたこのような小さな部品なのだ。「サポイン事業を行って、難しい依頼にも果敢にチャレンジできるようになりました」と微笑む日比さん。人間の英知の結集が、夢をどんどん広げていく。大垣精工の挑戦は、まだまだ続く。
事業化&マッチング成功のポイント
スマートフォン・タブレット機器の普及によりチップ抵抗器基板の増産が見込めた
技術力を支える優れた技術者の確保と育成
技術者確保のため、同社は定年なし、給与もそのまま。「人財」を大切にする会社としても知られている。
職人技をCAE解析して生まれた新たな着眼
ア組付けや仕上げなど人の手でしか成せない部分をCAE解析して機械開発にも活かしている
展示会において技術レベル・試作品を示しながらの具体的なPR活動
活用のためのアドバイス

営業部課長 森口幸彦さん
モノ作りの環境は年々厳しくなっており、その中を生き抜くには工夫や創造力、時流を読み解く力、不可能を可能にする技術者の熱意が必要です。私たちもサポイン事業に参加し、短い期間の中で成果を求められるという厳しい状況の中、チーム一丸となりオンリーワン技術を結実することができました。
サポイン事業は、大学や他企業など情報交換もできますので、社内だけで解決できないテーマの研究開発を行うにはとてもよい制度だと思います。ぜひ果敢にチャレンジしてほしいですね。
紹介動画

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