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サポイン好事例

鋳放し高精度を有するアルミニウム合金ダイカスト鋳造品の
生産技術の開発・確立

寿金属工業株式会社

自動車部品に欠かせないダイカスト鋳造品を製造

同社は、自動車部品や産業機械を中心に、アルミニウム合金ダイカスト鋳造品の製造を行っている。ダイカスト鋳造とは、溶融金属を金型に圧入して鋳物を大量生産する鋳造方式のこと。1953年から培ってきた同社のダイカスト鋳造技術は、平成19年には愛知ブランド企業の認定、平成21年には素形材産業貢献表彰において経済産業大臣賞を受賞するなど、業界でも高い評価を得ている。
日本の競争力向上のため鋳造技術の科学的な解明に挑む

自動車業界において、先進国市場では環境に配慮された次世代自動車、また新興国市場では低価格車のニーズが高く、いずれも車両の軽量化やコストダウンが求められている。ダイカスト鋳造技術は、作業者の経験や勘に頼るところが多く、同社も優れた技術者の養成によって数々の良品を生み出してきたが、「科学的な手法で因子を明らかにすることが、日本の競争力向上のためにも大切である」、とプロジェクトをスタートさせたという。
情報共有により研究開発チームと現場を一体化

とはいえ劣化によっておこる歪みやバリの発生を予測することは難しく、歪みやバリ取りの工程をなくすのは不可能に思われた。「プロジェクトを進めるにあたって、研究開発チームとモノ作りの現場を一体化させなければならない」、と考え、新たな布陣を組んだという。定期的に報告会を開き、開発の最新情報を伝えるなど全社員がプロジェクトの全体像を理解し、応援する体制をとった。また、外部協力機関と常に連携して研究を進めた。
そして、いよいよCAEによる変形予測の精度を向上するなどして機械加工を必要としない生産技術の開発に成功。仮想空間での試作ができるようになったことで、スピード化、高精度化、低コスト化につながった。

プロジェクトをまかされ若い研究者が頼もしく成長

開発技術室室長でプロジェクトリーダーの谷川昌司さんに成功のポイントを問うと「あれこれ欲張らずに取り組む課題を絞って解明したことですね。何とかぶれずに乗り越えられたのは、プロジェクトの体制が良かったからだと思います」。また、開発技術室主任研究員の原田雅行さんも「何といっても外部の協力です。社内の力だけでは難しいことも、社内外から知が集まれば実現できた」と協力機関との信頼関係を強調。そして「サポインを終えて、若い研究員は明らかに顔つきが違ってきましたね。他流試合の中でもまれて、普段の仕事ぶりも変わってきたんですよ」と若き精鋭らの大きな成長に顔をほころばせた。
ダイカスト業界や日本の産業の未来に向かって

サポイン事業を終え、谷川さんのもとには学会や講演会の依頼が相次いだ。「学会発表も盛況で、質疑応答も活発に交わされ、まさしく本研究は、ダイカスト業界が切実に抱えている問題だったんだなと痛感しました」。今後は、箱型ダイカスト鋳造品にもこの技術を応用していくという。ダイカスト業界の将来、ひいては日本の産業の将来を見据えた大きな研究開発は、今、ゆっくりと歩み出している。
事業化&マッチング成功のポイント
ターゲットを明確にして課題を細分化した
業界全体の課題を見越しつつ、自社技術の見直しによって乗り越えられる課題から手をつけた
強固な協力体制
他企業・大学機関など長い付き合いの中で培われた外部機関との信頼関係があった
成果が問われる研究開発で緊張感が持続
スケジュールと達成目標がシビアに決められ、高いモチベーションとスピード感をもって実行できた
最先端機器への投資が可能になった
中小企業では必要性を感じながらも最先端の計測器を導入することが難しかったが、思い切って投資できた
活用のためのアドバイス

代表取締役社長 久保忠継さん
研究開発を進めるためには、課題の選び方も重要です。簡単に言うと「はじめから難しいものをやろうとしない」ということです。技術開発というのは、小さな山をいくつも越えていくようなもの。初めから難関を目指しても、必ず行き詰まるので、ターゲットを絞って、今の技術・体制等から手をつけやすいところから始めましょう。
また、外部との繋がりも非常に大事です。私たちは何十年も研究を続けている中から協力体制を作ってきました。お互い相談できる関係作りができてこそ、研究はうまく回るのだと思います。ですから、日頃から外部とのコミュニケーションを大切にしておくことが重要です。
実用化はこれからの課題ですが、顧客からの高い評価を感じています。そこで止まっていたら逆効果になるので、何が何でも事業化へという強い気持ちで進めています。
紹介動画

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