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ものづくり中小企業 魅力大盛りサイト 

最終更新日:平成30年2月8日

まだ見ぬクルマを走らせる、“一歩先”ゆくエンジニア集団。
株式会社 松村精型  【富山県高岡市】

  • 自動車の燃費に大きな影響を与えるエンジン部品“シリンダーヘッド”の金型、世界シェア 10%。
  • 自動車用無段階変速機(CVT)用の超高精度自動車部品“スリーブ”、世界シェア 15%。
  • 日本および中国、タイの関連会社と連携し、よりグローバルでオンリーワンの鋳造事業を展開。
  • 部署を超えた結束力が自慢。季節ごとのイベントを通じて、若手社員も“役員”として活躍できる。

高精度な金型づくりと、世界一の鋳造技術。クルマの心臓部の秘密、ここにあり。
いきなりですが、今、あなたが“自動車”の購入を検討するとしたら。 そのとき、あなたはどんな“基準”や“価値”を大切に車を選びますか?
「形が好き」、「デザインがおしゃれ」、「予算の範囲内」などなど、きっとその答えは千差万別のはず。

しかし自動車は、様々なコストがかかる乗り物で、ましてや気軽に使い捨てできるものでもありません。だからこそ、「できるだけ永く愛用したい」と思う人も、少なくないはずです。

とすれば、見た目を彩る意匠美や装飾美だけではなく、 目には見えないけれど、モノの“根幹”や“核”となるような機能美の存在も、 何より大切な要素になってくるのではないでしょうか。

では、ここでみなさんに質問です。
「自動車の“核”になるものがあるとしたら、それは一体なんなのでしょう?」

もちろん、人によって視点は異なるかもしれません。
でも一つだけ確かなことは、現存している車の 9 割は、エンジンがないと走れないということ。
そう考えてみれば、当たり前すぎて誰も気にしなくとも、「車の核は“エンジンが正確に動くこと”である」といっても、過言ではないかもしれませんよね。
そんなエンジン、みなさんご存じのとおり手作業でつくられるものではなく、共通する“金型”によって、大量につくられる工業製品でもあります。

そこで、トヨタやホンダ、スバル、日産など、日本はもとより世界の自動車メーカーに、 エンジンそのものをつくるための精密な鋳造金型や、アルミ鋳造製品を提供している名の知れた会社が、富山県高岡市にある。そう聞いた私は、現場を探るべく取材に向かうことにしたのでした。
株式会社松村精型 イメージ写真

今回伺ったのは、「株式会社 松村精型」。

富山県高岡市に本社を構え、中国とタイにも子会社を持つグローバルカンパニーです。
その 3 拠点合わせた社員数は、210 名。売り上げにして、約 30 億。
地元のテレビでは会社の CM も流れていることから、富山県民なら誰もが知る有名企業です。

その情報をもとに、取材当日は少し気を引き締めながら本社に到着。 社内に足を一歩踏み入れると、入り口にはなにやら大きな装置(?)のようなものが並んでいます。と、次の瞬間、社内全体に流れる軽快な音楽。 どうやら始業の合図のようなのですが、なんだか聞き覚えがあるような・・・。 「あれ、これはもしかして・・・自社のテーマソング!?」なんて、まだ取材が始まる前からいろいろ気になってしまうポイントが多すぎる(笑)、そんな松村精型の第一印象です。

そこへ、「お待たせしました!よろしくお願いします!」という第一声で取材チームを迎えてくれたのが、代表取締役社長の松村浩史さん。優しそうだけど、パワフル。また、少し言葉を交わしただけでも聞く者をぐいぐい惹きこむ会話術。そんな社長の話術にハマり、思わず聞き入ってしまいそうになる自分に、 「これではいかん!」と喝を入れ、早速社長に質問をしてみることにしました。
株式会社松村精型 イメージ写真
「あの・・・、松村精型って、一体どんな会社なんでしょう?」

その質問に、「うちが大事にしているのは『高品質へのこだわり』と『MOVE ON(ムーブ・オン)の追求』、この両方を、会社の礎にしています」と、松村社長。
ということで、今回はこの“2 つのポイント”から、松村精型をご紹介したいと思います。

技術を通して、世界をうごかす。 世の中を変えていくのは、一人ひとりの夢と情熱とこだわり。


松村
「うちがつくっているのは、自動車のエンジンやミッション関連(駆動部分)の“金型”ではあるんですが、ただ、金型といえば、たい焼きの型みたいなものを思い浮かべる人もいるでしょ?(笑)でも、エンジンの金型は、容器みたいな形をしているんですね。というのも、非常に複雑な構造をしている製品なうえに、物理的な機能はもちろんですが、油圧のシリンダーや温度を感知するセンサーなど電気的な機能も全て搭載しているから。だから我々がつくっている金型というのは、ある種の立派な“装置”とか“設備” みたいなものになってくるんです」

そう話してくれる社長の言葉を聞いて、先ほど入り口で見た大きな装置を思い出しました。
あれは、ミッションのカバー部分をつくるための金型なんだそうですが、エンジンもまさに同じ原理で、 金型の中に溶けたアルミを流し込み、“シリンダーヘッド”や“シリンダーブロック”と呼ばれる部分をつくりだしているとのこと。思わず自動車メーカーの工場で、この金型ひとつから 毎日数百単位のエンジンがつくられていくところをひそかに想像したのでした。

株式会社松村精型 イメージ写真
しかし、次の社長の言葉を聞くことで、私が抱いたちっぽけな想像が一気に崩れ去ってしまいます。

松村
「一つの金型からとれる製品(エンジン)の数は、多くて 1 万個、ものによっては 5000 個くらいかな。そこまできたら、実は金型自体が壊れちゃうんですよね」

え、ひとつの金型から多くて 1 万個?
製品を大量生産するために使う金型だと思っていたのに、なんと金型自体も大量に必要ってこと?
一瞬、はてなマークでいっぱいになった私の頭の中を見透かしたように、松村社長が続けます。

松村
「壊れたらまた次に新しい金型をつくりますよね。でも新しくつくった金型からできる製品(エンジン)は、以前つくったものと寸分の狂いもなく、全く同じものが確実につくられなくちゃいけない。我々はそんな同じ精度の金型を、世界中に供給しているんです。これ、どういうことかわかりますか?つまり、うちの会社に必要なのは、職人技のような感覚値に頼る技術じゃなく、過去の履歴や品質状態を確固たるデータとして保持する“管理技術”だということ。これが、うちの会社の最大の強みなんです」 

その言葉を聞いて、「同じものを大量につくるって割と簡単なのでは?」とほんの少しでも思った自分が、とても恥ずかしくなりました。
美術品や芸術品なら、もしどこかに小さなひびが入ったとしても、経年変化のなかで、それが“味”に変わることだってあるかもしれません。
けれど、工業製品においてその小さな綻びは、あってはならないタブーです。
絶対に壊れるとわかっているものをつくるなんて一見矛盾のように感じた松村精型のものづくりですが、同じものを同じように何度も確実に再現する技術こそ、品質の完成が何よりシビアに問われる。
そんなものづくりの真骨頂を、改めて強く感じたのでした。

実際、工場内では、松村精型独自の外段取りシステムがいくつも採用されています。
例えば、自社開発した特殊なパレットに材料(金属)をセットし、パレットごとワゴンからワゴンへ移動させていたり、あらかじめドリルなどの工具類を専用のワゴンにセットしたりなど、作業の効率化が徹底されています。

株式会社松村精型 イメージ写真石川樹脂工業株式会社 イメージ写真
また、金型の設計を担当している一人で、入社 3 年目を迎える松原功輔さんも、自身が仕事をするうえでこだわりを、こう語ってくれました。

松原
「僕は営業技術部の設計課に所属していますが、金型の図面だけ書いてればいいってわけじゃないんです。製品の発注をもとに、自分がつくった図面で本当に金型が組み上がるのか現場の社員と何度もすり合わせをしますし、それがクライアントの工場に納品されたあと実際に稼働するのか、そして、最後はクライアントが要望していた製品が安定して生産されるのかも、お客さんに最終確認するようにしています。そこまで全てうまく流れるのを確認して初めて、この仕事が“うまくいった”と言えるんじゃないかな」

そんな松原さんの前職は、電子部品の開発担当者。いまとは全く違う業種からの転職組で、さらには現在の設計業務に欠かせない CAD ソフトも、入社してから覚えていったというから驚きです。

企画提案から製品の形状設計、モデリング、自社のパーツを使った計画策定はもちろん過去のデータから逆算した納期のスケジュール管理なども一貫してできる松村精型だからこそ、製品になる前の金型をつくりながら、出来上がる製品のことまで、徹底して保証する。

これこそが、社長がひとつめに語ってくれた「高品質へのこだわり」に他ならないのです。
株式会社松村精型 イメージ写真

「MOVE ON」が合言葉。 未来を見据え、世界一のオンリーワンメーカーを目指していく。
しかし、高品質にこだわるがゆえのスペシャリストにとどまることなく、時代の流れやクライアントのニーズに応えることで、高い技術力をもった“ジェネラリスト”として成長してきたのが、松村精型。

実は 1946 年の創業当時、先代が木型をつくる工場として生業を成した松村精型ですが、時代の流れを経て、金型工場に転向。
 のちに、建設業界から自動車業界へと軸足を移し、鋳造技術や解析技術の向上、 それらを活かした部品事業の立ち上げに、海外進出など、常に一歩先をゆく事業を展開してきました。

その目覚ましい成長の背景にあったのは、
松村精型が二つめに掲げるスピリット、「MOVE ON」を追求し続けるというところ。

株式会社松村精型 イメージ写真
松村
「私の人生自体、一所に止まっていないから、もはやムーブオンそのものかもしれないね」
 そう言って茶目っ気たっぷりに笑う松村社長ですが、先見性があってチャレンジを止めない社長だからこそ、MOVE ON のスピリットで見据える“自動車業界のこれから”を、聞いてみることにしました。

松村
「やっぱり今とても勢いがあるのは、EV(電気自動車)へのシフトですよね。運転しても排気ガスや二酸化炭素が排出されないから、エコに配慮した自動車は大切だと思っています。しかしその一方で、EV 化に伴って車に搭載されるバッテリーのサイズが大きくなりましたし、電力をまかなうために、実は違う場所で石炭や石油、天然ガスが大量に使われて電気がつくられているという現実も、実際にあるわけです。それもあって、今は FCV(水素エンジン)という技術も開発されてきましたが、何がいいか悪いかという話ではなく、将来的に長い目でみたときに、本当に定着させるべきものはなんなのか。業界やメーカーとしてはもちろんですが、松村精型としてどう考えるのかという、そのスタンスをしっかり見極めていく必要があると思っています」

ただ目先の利益をとるのではなく、息長く続けていくために何を大切にしていくのか。その問いは、自動車業界や、ものづくりという仕事だけに留まらず、 会社で働く一人ひとりの人生においても求められる視点になってくると、松村社長は言います。

だからこそ同社では、若手社員がどんどん活躍できるように、ボトムアップ型の環境づくりを進めている真っ最中。なかでも、お花見やボーリング、バーベキューなど、部署横断の社内イベントを定期的に開催し、年齢や性別、社歴を問わずランダムに社員を選出して、各イベントを企画・推進する役員を任せているのだとか。そうやって、業務中はもちろん、仕事以外でも若手社員のリーダー性が磨かれる機会を積極的につくり、新しい意見や視点を大事にしようという風潮が、同社の魅力でもあります。
株式会社松村精型 イメージ写真
松村
「人って、どうしても最初はいいところしか見せないし、自分を最大化して見せようとするでしょ(笑)。でもね、自分が答えられないこと、わからないことがあったら、わからないって言えるかどうか。 それは恥ずかしいことじゃなくて、ちゃんと自分が今いるポジションを認識したうえで取る、 ある種のコミュニケーションだと思うんですよね。だって、100%物事知ってる人なんていないんだから」

ものづくりの仕事において、失敗してはいけないのは当たり前かもしれません。
けれど、「失敗するな」と頭ごなしに言うのではなく、「失敗してもいいからちゃんと伝えること」で、どこが原因か、どうすれば次うまくいくのかを一緒に考えてくれるのが、松村精型流の人育てです。
だからこそ、車が好きで、かつ成長できる環境のもと、最初から最後までものづくりをしたいというアツイ想いがあるなら、応援してくれる上司や先輩がたくさんいる松村精型に、ぜひ飛び込んでみてください。

普段は、私たちが“表側”から目にする機会が少ない自動車の“心臓部”をつくる同社ですが、様々なモノや人の“原動力”をつくる立役者として、また“世界一のオンリーワンメーカー”として、鋳造技術の未来を切り開くフロンティア精神をもち、これまでもこれからも、 日本と世界をつなぎ、ぐいぐいと前に進んでいくに違いありません。
 

会社概要
会社名:
株式会社松村精型
法人番号:
4230001010970
代表者:
代表取締役 松村浩史
住所:
〒933-0951富山県高岡市長慶寺805
URL:
http://www.matsump.com/index.html別ウインドウ

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 地域経済部 地域経済課 地域人材政策室 
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