トップページ  > 施策のご案内 > 地域人材 > ものづくり中小企業 魅力大盛りサイト > 株式会社モールデック

ものづくり中小企業 魅力大盛りサイト 

最終更新日:平成29年1月23日

走るチャペル?生産者直の野菜のECサイト?
「型にはまったらあかん!!」を理念に掲げる技術者集団。
株式会社 モールデック【岐阜県各務原市】

  • チャレンジは、新しいチャレンジを産む。
  • 人がやっていないこと×世の中が必要としていること。
  • 型にはまったらあかん!!
  • やりたいことを、どうすればできるか考える。
  • 受け継いでほしいもの。

大起産業株式会社 イメージ写真
みんなで同じ時期に、同じスーツを着て、就職活動をする。人と同じことをしたくない、自分が勝てるフィールドで勝負したい、と思っているのに、仕事選びは、それでいいのかなぁ。



なんて気持ちでいるあなたへ。
「型にはまったらあかん!!」という企業理念を掲げ、社長自身、「人と同じことをしたくない」と、創業以来、常に新しいこと、初めてのことにチャレンジをし続けている。
そんな会社があったら。一度どんな社長か会ってみたい、話を聞いてみたいと思いませんか?

あるんです。そんな会社が。岐阜県各務原市に。
その会社の名前は、株式会社モールデック。「モールド(=金型)エンジアリングコーポレーション」の略で、その名のとおり、プラスチックの「金型」を設計している会社です。「えっと…キンケイ?カネガタ?」と読めなくても大丈夫です。「かながた」と読みます。と言われても、ピンと来ないですよね。

大起産業株式会社 イメージ写真
金型とは、何かモノをつくる際に、素材を流し込む金属製の型のこと。同社では、プラスチック製品をつくる際に必要となる、プラスチックを流し込むための金属の型を設計しているということです。そう。気づかれたかもしれませんが、「型」を設計しているのに「型にはまったらあかん!!」と言っているのです。

ホームページを覗いてみてください。「プラスチック金型」をメインに掲げながらも、そのすぐ下には「トレーラーハウス」のバナーがあったり、ネットショップでは岐阜の農産物を販売していたり…。「確かに、型にはまっていないな」と思っていただけるかと思います。

一体、どういうことなのか。とにかく話を聞いてみようと、訪ねてみました。

すると!

駐車場に、見慣れないものが置かれていました。

大起産業株式会社 イメージ写真
建物…っぽいけど、タイヤがついている。では車か…と言えば、運転席がない。でも、側面には確かに「モールデック」と書かれている…。いろいろと聞きたいことを胸に秘めつつ、オフィスへお伺いしました。

迎えてくださったのは、株式会社モールデック・奥村靖社長。
さっそく、駐車場に停めてあったものの正体を伺ってみました。

チャレンジがチャレンジを産んだトレーラーハウス
大起産業株式会社 イメージ写真
「あれは、『モバイルプロジェクショントレーラー』と言って、いつでもどこでも動画広告を表示できる移動式広告媒体です。いま、デジタルサイネージと言われる電子看板が話題ですよね。でも、固定されていて、今だと限られた企業が出稿して、大多数の人に見てもらうという構図になっている。それを、誰でもどこでも利用できる、大多数対大多数の広告にすることができるという商品です。言わば「走る電子野立て看板」ですね。映像の配信だけじゃなくて、飲食店などの移動販売にも活用できます。」

――そもそも、なぜ作ろうと思われたんですか。

「趣味で恵那の山奥に山小屋を買いましてね。自分でも作れそうなログハウスにしようかと思ったんですが、高いんですよログハウスって。安いものでも300万円くらいで、1000万円以上するものもある。『クラインガルテン』と言って、地方の自治体なんかが菜園付き別荘風のコテージをつくって都市部の人たちをレジャーや移住のために呼び込むという地域振興事業があるのですが、それが今すごく人気らしくて。それを民間企業でできないかなと考えて、建物を建てると高くなるから移動式にしようと・・土地は借りようと・・・そんな訳でトレーラーハウスをつくり出したのがきっかけなんです。」

おもしろいなぁと思いながらお話を伺いつつも、やはり浮かんでくるのは、「なぜ、プラスチック金型設計の会社が、そんな製品を手がけるようになったのか」という疑問。社長にぶつけてみると、次のような答えが返ってきました。

「きっかけは、リーマンショックでした。長く取引していた企業からの仕事が止まるかもしれないという状況に直面して、『あ、もらうだけの仕事ではいかんな』と思ったんです。ちょうどその頃、山小屋を買ってからクラインガルテン民間版の構想を練っていたタイミングだった訳です。」

大起産業株式会社 イメージ写真
モールデックは、豊田合成で金型設計を担当していた社長が、仲間と一緒に立ち上げた会社。当時、まだ手書きが主流だった設計に、いち早くCAD(キャド)と言われる設計ソフトを導入し、大手からの引き合いが増加。その後も2次元だった設計をすべて3次元でできるようになるソフトが登場した際も、他社に先駆けて導入し、順調に業績を伸ばしていましたが、リーマンショックを機にストップする仕事などもあり、新たな事業を模索し始めたそうです。(現在は、本田技術研究所をはじめ、1次サプライヤーの会社でホンダのエアバッグの設計や燃料電池車を設計するチームに同社のエンジニアが参加しているほか、国内唯一の国産3次元CADを扱う企業とタッグを組んで、企業へ3D-CADの技術指導をするという事業も展開されています。)


もともと簡易の移動できる小屋という位置づけで、山間部などで貸農園の事業をやるために開発したトレーラーハウス。メディアに取り上げられるなど注目を浴びると、予想もしなかった方たちから反響があったそうです。

「まず、神戸のウェディングドレスのデザイナーをやっている方から連絡をいただきました。『走るチャペル』を作れないかと。結婚式と言えば、各地にある結婚式場で行うのが通例になっているが、『走るチャペル』があれば、新郎新婦の思い出の場所や好きな場所で挙式できるだけでなく、病気や高齢で移動がむずかしい方のところへ行って参列してもらうことだってできると。おもしろいことを考えますよね。クラウドファンディングで資金を集めるなど、新しいことにチャレンジする人には無条件で応援したくなるので、実際につくりましたよ。」

大起産業株式会社 イメージ写真


この『走るチャペル』は現在、『ルーロット』というサービスとして提供されており、日本初(世界初?)のこの試みはNHKの『あさイチ』や日本経済新聞、Yahoo!ニュースに取り上げられるなど話題を呼んでいるそうです。


鳥獣被害の救世主?
さらに、Facebook友達になった岐阜県の職員の方が社長の「トレーラーハウス」の投稿を見ていて話を持ちかけたのが、社長が今もっとも注力しているサイズのトレーラーを活用した『ジビエサテライトユニット』です。

ところで、ジビエってご存知ですか?「聞いたことはあるけど…」という方も多いかもしれませんね。ジビエとは、狩猟によって得た野生の動物の肉という意味のフランス語から来た言葉。ヨーロッパでは貴族の伝統料理として、古くから発展してきたものだそうです。しかしなぜ、今「ジビエ」が話題なのか。それは、日本の農業や林業が抱える鳥獣被害に端を発します。日本では狩猟をしなくなったことにより野生動物の増えすぎてしまったなど原因は諸説ありますが、シカやイノシシなどに農作物やブナ、ヒノキなどの木材が食べられたりといった被害が跡を絶たないのです。その対策として今、再び「ジビエ」が注目されているというわけです。

しかし、この「ジビエ」。食肉にするためには、捕獲してから1時間以内に血抜きや内臓の取り出しなどの1次処理をしないといけないなど、各自治体によってガイドラインが敷かれているため、捕獲場所から処理のできる施設へ運ぶ時間がひとつの課題となっているそうです。そこで、白羽の矢が立ったのがトレーラーハウス。下処理のできる施設が遠くて行けないのなら、低コストで作れ移設も可能なサテライトユニットを作ろうという発想です。

大起産業株式会社 イメージ写真

すでに、大手自動車メーカーの保冷車を活用した移動式解体処理車の試作され実証実験が開始されているのですが、価格が1,600万円近くするため、より費用対効果の大きく、ランニングコストのかからないものとして、同社の車輪ユニット脱着式トレーラーを活用した『ジビエサテライトユニット』への期待が高まっています。

他にも、岩手県で町おこしに携わる方たちから声がかかり、都市部の優秀な人たちに移住し定住してもらうのではなく、トレーラーハウスを活用していつでも入居していただくことでさまざまな地域で活動してもらえるようにするプロジェクトに関わったり、ビジネス交流会で出逢った多治見の映像制作会社からは「プロジェクションマッピングを川に投影させるなど、屋外でやりたい」という話が発端となり、映像が投影できるトレーラーだけではなく、もっといろんな人に使ってもらえるマルチユース(多目的利用が可能)キャビンのプロジェクトが進行しているなど、奥村社長が投じた一石が、大きな広がりを見せています。

農家のIOT化
それから、冒頭でも触れた『農産物を販売しているネットショップ』についても尋ねてみました。

「もともとは、頼まれて始めたんですよ。貸農園で使用するトレーラーハウスを販売しようとしていたとき、簡易のトイレやベッドなんかを送るといくらかかるのかを大手運送会社に聞きに行ったら、逆に『岐阜県の農産物を販売できませんか』と言われて。地元に貢献したいという思いもあったものですから、生産者が直接サイトに収穫した野菜をアップできるようなECシステムを作ったんですね。ただ、実際に生産者さんにやってもらったら、『むずかしい』と。だから今、専用のプリンターでネット販売用のQRコードラベルを出力して、そこに記載されてるコードを読み込めば、自動でWEB上に反映されるというシステムをつくっているところです。賛同してくれる生産者が増えて売れるということわかれば、もっと増えていくはずですから。」

型にはまったらあかん!!
プラスチック金型の設計にはじまり、製品設計や3D-CADの技術支援、とここまでは、自社の技術を活かしてさらに上流の工程を手がけたり、横展開をしたりと、そこまでは自然な流れ。しかし、トレーラーハウスやモバイルプロジェクショントレーラー、農産物を販売するECシステムなどは一見、つながりがないように思えます。お話を伺っていると、「人との縁」で始まることがひとつの共通点かと思ったのですが、一体、どのような観点で新しい事業を始められているのでしょうか。

「まず、根底には『みんながやっているビジネスモデルは、やらない』という気持ちがあります。みんなが同じようなことをやっていたら、そこから抜きんでるのは大変ですよね。だからこそ、誰もやっていないところに参入するようにしているんです。『型にはまったらあかん!!』という企業理念もそこから来ています。もちろん、誰もやっていないだけではなく、きちんと世の中に必要とされていて、競争力のあるものを選んでいるつもりです。」

――子どもの頃から、「みんなと同じはいやだ」と思ってらっしゃったんですか。

「いや、こどもの頃はそうでもなかったですね(笑)ただ、今思えば影響を受けているなと思うことが2つあって。ひとつは、自分の親が商売をしていたことです。このあたり(各務原市)は繊維業で発展してきた歴史があるんですが、みんな横並びで同じ市場へ参入し、ウチも織物屋をやっていました。しかし、オイルショックかなにかで繊維業そのものが厳しくなった途端、ウチの経営も立ち行かなくなってしまって、親が『勤めに出たほうがいいんじゃないか』と話していた姿を子どもながらに覚えていました。そこで学んだんですね。他と同じことをやっていてはダメなんだなって。

もうひとつは、中学生の頃の先生に言われたことです。昼休みのそうじの時間、ホウキを取りに行くのが遅くて、そうじ道具入れには何も残っていなかったんです。何もないやと思ってぶらぶらしていたら、先生に言われたんです。「仕事は、自分でつくるものだぞ」って。当時、働くことをイメージできていたわけじゃないんですが、今だと『そういうことだったのか』とわかります。」

――誰もやっていないことは、つまり前例がないこと。苦労も大きいんじゃないですか。

大起産業株式会社 イメージ写真
「そうですね。でも、まず『やりたい』という気持ちがあるから、乗り越えられるんだと思います。やりたいことがある。だったら、それをどうやったらできるようになるかを考える。おっしゃるとおり、新しいことはリスクを伴います。それは、資金のことしかり、そのあとの手間のことしかり。だからこそ、さまざまな補助金やビジネスプランコンテストのようなものを活用しながら、進めるようにしています。申請が通る通らないで、その事業が成り立つか成り立たないのかのひとつのヒントにもなりますしね。社員の提案で、補助金で3Dプリンターなんかも導入しました。」

チャレンジスピリットを受け継いでほしい
プラスチック金型の設計から始まり、トレーラーハウスやECサイトなど新しい事業を生み出してきた同社。お話を伺っていると、次はどんな事業を手がけるのかと期待せずにはいられません。今後のビジョンについてお伺いしてみました。

「いろんな事業を手がけているとはいえ、今はプラスチック金型の設計や製品設計が会社の柱です。もともとは私が担当していたのですが、今は他の役員や社員にまかせて、私は今トレーラーハウスやECサイトなどに注力しながら、第2、第3の柱を育てているイメージです。ひとつの事業が環境の変化などで立ち行かなくなっても社員を守れるように、どんなことがあっても力強く立っていられる会社にしたいと思っています。私は現在58歳。あと5年、63歳には一線を退けるように日々、手を打っているところです。」

社長には、ご自身が退いたあとの会社の姿が見えているよう。後継者を含めて、そこで働く人たちに求めることはどんなことでしょうか。

「やはり、新しいことにチャレンジすることですね。時代は常に変化している。今、この時代のことを、10年前には予想できなかったですよね。つねに今、世の中では何が必要とされているのかを観察しながら、機を逃さずに自分たちの技術や時間を投じていく。そうしながら、柔軟に変化できる会社をつくっていってほしいですね。

今、社員が新しいことにチャレンジできるように、会社として毎月一定金額を積み立てたりもしています。『やりたい』と思う気持ちを尊重し、それを実現できるような環境を整えることも、私の仕事です。」

――これから採用する人に求めることはなんでしょうか。

「結局は、『人柄』に尽きると思います。一緒に働きたいと思えるかって、大切ですよね。技術力ももちろん大切ですが、それは後からでも身につけることができる。実際に、文系出身で設計のことがわからなかった人も、今ではお客様に頼られる存在になっています。だから、それよりも時間を守るだとか、質問に対してきちんと答えを返すだとか。基本的なことかもしれませんが、その基本をきっちりできる人に、仕事は集まるのだと思います。

それから、もちろん、『型にはまったらあかん!!』という会社のスタンスに共感してくれる人がいいですね。」

大起産業株式会社 イメージ写真
ただの自動車部品ではなく、エアバッグなど人の命に関わる部分や、燃料電池車など最先端の分野において大手企業から信頼を得ているモールデック。一方で、他社がやっていないことで、かつ世の中に必要とされていることに飛び込んでいく姿はまさに、『型にはまったらあかん!!』という理念そのもの。

社長が第一線でチャレンジをつづける会社だから、どれだけ頑張っても“浮く”ことはありません。設計という手に職をつけ、そこに軸足を置きながら、新しいことにチャレンジしたい、人と違うことをやりたいという人に、ぜひおすすめしたい会社です。




 

会社概要
会社名:
株式会社モールデック
法人番号:
4200001008679 
代表者:
代表取締役 奥村 靖
住所:
〒504-0923 岐阜県各務原市前渡西町927番地1
URL:
http://www.moldec.net/別ウインドウ

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 地域経済部 地域経済課 地域人材政策室 
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052‐951‐2731
FAX番号:052‐950‐1764
メールアドレス:chubu-jinzai@meti.go.jp