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キラリ公設試(中部地域 公設試験研究機関のご紹介)

更新日:平成27年1月23日

キラリ公設試
バイオレメディエーションの国産化:油を分解する微生物を使った環境浄化技術(3/3)
Vol.15石川県工業試験場
目に見えなくてもしっかり結果を示してくれるんですね。では逆に、研究を行う上でどんな苦労がありましたか?
A重油分解率の経時変化を調べる実験
A重油分解率の経時変化を調べる実験
(井上)
眼に見えないことが起こっているので、最初はみなさん、『そんなことはない』ってなかなか信用してもらえないんですよ(笑)。 そこが最初のハードルでしたね。ほかに苦労といえば、実験のスパンが非常に長くなってしまうことです。 ひとつの実験が1週間ぐらい、それを何サイクルか重ねてやっとひとつ実験結果が出てきますので。気の長い人じゃないとこの研究は難しいかもしれません。 実は当時業界の支援としてメッキの担当をしていまして、微生物の研究との切り替えが大変でした。研究に使える時間も限られてしまいますから。
そんな環境でよくぞここまで成果を出してくれました。その成果として、井上さんは株式会社ゲイトと共同で、特許を2つ出願しています。植物油と燃料油それぞれ分解する微生物に関する技術ですね。これら出願の目的は?
(井上)
鉱物油の処理を行う様子
鉱物油の処理を行う様子
ひとつはこの微生物を使った処理法について、株式会社ゲイトとともに権利化したいと考えました。 ひょっとしたらどこかで微生物を盗られて、別のところで勝手に使われていてもわかりませんから。 今回の微生物は非常に優秀ですから、なかなかこれに勝る微生物というのは見つけられないと思います。 ですから実際にしっかりこの微生物だということを定めて権利化すれば、ほかでは使えないということになります。 特許出願によりこの微生物を使うという技術を守ってくれることが目的ですね。
特許を取ったことでのメリットはどんなところでしょうか?
(井上)
株式会社ゲイトに関してですが、会社が特許を持っているということで技術力のアピール、会社の信頼につながると思います。 もちろん特許を取ったということで、その製品に対してもプラスのイメージが付きますので製品を売りやすくなるというメリットにもつながるのではないでしょうか。
なるほど。ではこれら出願に際しての手続きなどはスムーズにいきましたか?
(井上)
工業試験場では、はじめての特許出願でしたが、株式会社ゲイトのほうで弁理士さんを用意してもらいましたので、私の方は技術資料の提供ということでそれほど苦労はなかったですね。
今回は企業との共同研究という形での特許でしたが、こちらの石川県工業試験場では単独で特許を出すこともあるのですか?
(井上)
井上さんの研究中の写真
井上さんは油分解の研究だけでなく、
現在は、石川オリジナル清酒の開発にも
取り組んでいる
やはり県内の企業を支援するという立場上、企業との共同出願が多くなりますね。 ただし例えば漆関係の技術に関しては、研究開発した新しい技術を単独で特許を取って、県内企業に限ってライセンス契約を行うということもあります。 これは特定の企業と共同で取ってしまうとほかの企業が使えなくなってしまいますので。地域産業の発展ということはやはり優先されますね。
最後に、井上さんとしてこのバイオレメディエーション技術がどんな広がりができそうか、ビジョンはありますか?
(井上)
そうですね。今は給油所など小さなところでの修復ですが、最終的には石油化学工場など大きなところでも利用されるようになってほしいですね。 そういうところで老朽化したりちょっとした事故で油が流出した際の修復ということにも使われると思います。 この研究を始めたきっかけも環境浄化であったように、少しでも環境がいい方向になるよう使ってもらえれば。
ありがとうございました。 まだすぐには難しいかもしれませんが、今後ナホトカ号のような事故が起こった際にもこの技術が環境を守ってくれるかもしれませんね。
【取材後記】
肉眼では全く見られない小さな小さな微生物の世界。そんな体でも彼らは驚くべき偉大な能力を持っており、中には私たちの環境を浄化するものもいたのです。 膨大な種類のある微生物の中から油を分解するものを根気よく探し出し、彼らにきっちり仕事をさせるのが井上さんの研究開発でした。 特許にその微生物の名前も明記され、今まで誰にも知られていなかった彼らにスポットライトが当たりました。今後はより大きなステージでの活躍も期待できそうです。

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公設試の概要
Public research organization
石川県工業試験場
金沢市鞍月2丁目1番地
浅井豊樹
石川県工業試験場 ホームページ外部リンク
TE
076-267-8081
FA
076-267-8090
E -Mail
service@irii.jp
富山県工業技術センター 生活工学研究所 外観写真

このページに関するお問い合わせ先

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