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キラリ公設試(中部地域 公設試験研究機関のご紹介)

更新日:平成27年1月9日

キラリ公設試
半導体レーザ加工装置の開発:溶接技術とその装置も研究開発し実用化へ(2/2)
Vol.14石川県工業試験場
そうなると、石川県の中で加工装置から製品まで作ることができるわけですね。
(舟田)
ええ。でもその段階では、唯一レーザの部分に関しては、ドイツやアメリカのメーカー頼りだったのです。 ですからあるとき、『レーザも自分たちで作れないか』と村谷機械製作所さんと話しました。そこまでやらないとビジネスにならないのです。で、作ったんです。自分で。
「作ったんです」と簡単におっしゃいますが(笑)、そんなすぐにできたのですか?
(舟田)
外観および原理図
外観および原理図
レーザ光の設計となると、手探り状態でしたね。最初は10~20Wから始めて、試行錯誤で300Wまで安定して出せるようになり、ようやく使用できるものに。 これはすでに『マルチビーム式半導体レーザ』として製品化して販売しており、いろんな加工機として実用化できる状態になっています。 このとき、レーザも自分で作るのであれば何か独自性がないといけないと考えました。今までのレーザは、レンズで複数のレーザ光を一点に集めています。 でも、いろんな加工をする際には、それが線状になっているほうがいいという場合もあります。 そこで、私が開発したものは、レーザの出てくる形や太さを調節できる機能を付けたのです。
舟田さんはこの技術に関して、村谷機械製作所と共同で3つの特許を出願されましたね。それぞれどういう目的で出されたのでしょうか?
半導体レーザの集光形状
半導体レーザの集光形状
(舟田)
最初は平成19年か20年、次がその2年後ぐらい。これらはアイデア特許だけですね。この研究を進めて実用化するためには、ある程度の資金が必要になってきます。 補助事業に採択されるためには技術的にも確かなものだということを証明できなければなりません。 特許の権利化によってそれが裏付けられますので、そういうことに特許を利用したという側面もありますね。 実際これらが実績として認められて、県からの補助金、さらに2つめの特許を実績として、経済産業省の『サポイン(戦略的基盤技術高度化支援事業)』の採択へと繋がりました。 そうして研究を重ね、平成24年末に、半導体レーザ装置を使った加工まで含めた特許を出願しました。これは事業化に向けた出願になります。
特許の権利化を、さらに研究を推し進める材料にするというという観点は、まさに目からうろこです。
(舟田)
開発されたマルチビームレーザー装置
開発されたマルチビームレーザー装置
左から、村谷機械製作所 左今さん
村谷機械製作所 能和さん
石川県工業試験場 舟田さん
もちろん実用化するうえでその技術を守るという目的もあります。それと同時に、村谷機械製作所さんのような企業にとっては宣伝するということが重要です。 例えば展示会などで特許出願していることを謳えば、それがオリジナルな技術で、我々にしか作れないというPR、技術的な新規性を主張できるわけです。
特許の出願に関して、誰かに相談しましたか?
(舟田)
幸いここ石川県工業試験場の隣には、ISICO(イシコ・石川県産業創出支援機構)がありまして。そこに入っている発明協会がいろいろな相談に乗ってくれたのです。 ISICOの事業のひとつ、特許マップ作成支援事業も利用しました。 これは特定分野の特許にかかる情報を抽出、整理、分析し、かつグラフや図表などにしたもの作ってくれるのですが、市場分析にもつながります。 特許ってニーズのあるところに多いので、この分野でどこにニーズがあるのかが把握できるのです。 レーザ光の形を変えるという私の技術に関しても、実はこの特許マップからそういう技術に注目が集まっていることがわかってヒントになったのですよ。
特許を出す過程において、改めて市場のニーズも把握できる、特許出願にはそういう面もあるのですね。逆に特許の出願で苦労した点は?
(舟田)
弁理士さんに理解してもらう苦労があります。私は理解したもらうために、絵を描いたりとか(笑)。 あと、自分が思っている新規性と、特許での新規性にはズレがありますので、そこを埋める部分ですね。
最後に、今後この研究について、どんなビジョンを持っていますか?
(舟田)
村谷機械製作所のレーザー装置製品群
村谷機械製作所のレーザー装置製品群
おおよそ溶接については、これである程度形になったかなあと思いますので、今後は3Dプリンタにこの技術を応用できたらと思っています。 3Dプリンタである程度形を作ったものに、肉付けしたりとか、コーティングしたりとか。むしろ、3Dプリンタ以外の装置と組み合わせることも考えられますね。
なるほど。可能性はまだまだ広がっているわけですね。今後の展開にも期待しています。ありがとうございました。
【取材後記】
半導体レーザという新たな技術に着目し、それを企業とともに実用化まで研究を進めた舟田さん。この技術もいろいろな分野の製造や加工に応用できそうです。 開発資金を獲得するために特許の権利化を実績として効果的に使う手法、石川県産業創出支援機構による特許マップをもニーズ調査のために使う手法など、参考にすべき点がたくさん見られました。 また研究の過程では、企業のニーズを的確に把握し解決するという公設試本来の役割を担う姿勢が、取材を通して伝わってきました。 石川県工業試験場では企業の技術相談に応じているほか、毎年成果発表会を金沢と能登、加賀で開催していますので、まずはそちらに参加してみてもいいかもしれません。

▼ ワンポイント情報

石川県工業試験場では、中小企業の試験室・実験室を基本コンセプトに、 技術・相談指導、依頼試験・分析、研究開発と業界への技術移転による新商品開発支援に取り組み、既存産業の高度化を支援するとともに、次世代産業の育成に努めています。
同試験場では、研究成果の技術移転の促進や未利用特許をはじめとした知的財産権の利活用促進を図るため、石川県内の各地域において、技術移転促進セミナーを開催しております。 開催地によっては、石川県発明協会による無料相談会も併催され、さまざまな形で企業による新事業展開のサポートを行っております。
詳しくは、石川県工業試験場のホームページからご覧ください。

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公設試の概要
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石川県工業試験場
金沢市鞍月2丁目1番地
浅井豊樹
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FA
076-267-8090
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石川県工業試験場 外観写真

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