トップページ > 施策のご案内 > 技術開発支援 > キラリ公設試(地域公設試のご紹介) > Vol.10 あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター

キラリ公設試(中部地域 公設試験研究機関のご紹介)

更新日:平成26年10月1日

キラリ公設試
セルロースナノファイバー:
植物資源からナノ材料を製造する新技術を企業と共同開発(2/2)
Vol.10あいち産業科学技術総合センター
産業技術センター
セルロースナノファイバーは植物から作る材料ということですが、どんな点が優れているのでしょう?
(伊藤)
平成20年から3年間、私たち2人で県のプロジェクト研究であるバイオエタノールの生産技術開発を行ってきたのです。 バイオエタノールの製造コストを下げるには粉砕工程が重要であると考えており、様々な粉砕機を検討していました。
吉田機械興業(株)さんの粉砕機は、さきほど述べたように、加熱・加圧・粉砕が連続ででき、粉砕品の分散性が非常に高いものとなりました。 セルロースを粉砕した際に、粉砕すればするほど液が透明となったのです。これを乾燥したところ、透明なフィルムができあがりました。 それを発見したときに、森川さんが『これは面白い!面白い!』とずっと呟いていたのが印象的でした(笑)。
調べたところ、これが、セルロースナノファイバーだったのです。

現在では、セルロースナノファイバーの他に、この特許技術を用いて、愛知県の未利用資源であるトマトの葉・茎からエタノールを作り、残渣は肥料などに利用する取り組みを行っています。
今回共同開発した技術は特許出願し平成25年4月5日に登録されました(『発明の名称:バイオマス粉砕方法及びバイオマス粉砕装置並びに糖類製造方法(特許第5232976号)』)。この意義について教えて下さい。
(森川)
加熱・加圧・粉砕の連続処理は非常に特長的で、今後のセルロースナノファイバーの製造に優位な技術だと認識しています。
権利化することは重要なことだと考え、私たちと吉田機械興業(株)で共同出願の相談をしました。
特許出願したことにより、様々な業界の方から注目を集めることができました。
ですからこの特許出願は、知的財産を防御する意味よりも、攻める道具として使えています。

愛知県の担当者及び吉田機械興業(株)の協力により、出願から登録までもスムーズに進めることができました。 その結果、吉田機械興業(株)では、同特許技術を活用した粉砕装置の販売やセルロースナノファイバーそのものの提供も実現しています。

(仲田)
愛知県、あるいはうちのように決して大企業ではないような会社が、特許を出したおかげでセルロースナノファイバーに関してはずいぶん知名度を上げることができました。 すでに100社ぐらい、いろんな企業からの引き合いも多く、その問い合わせの数が1年経っても落ちないということで、注目されているのがわかります。
この技術によりセルロースナノファイバーの普及が一層進みそうで楽しみです。どんな分野での利用が期待されていますか?
(森川)
例えば愛知県の自動車関連メーカーでは、自動車に使用するプラスチック部品に混ぜる開発を始めています。 強度が上がること、かつ、軽量化により燃費の向上が期待できます。まず内装材用として検討しているようです。
現在は、電池の膜の材料として、また、透明性が高いという特性を利用してカメラなどの光学レンズへの使用について検討されています。 愛知県内の企業からもこれらの技術について問い合わせが来ており、利用が期待されています。あと、化粧品や食品関連で話があります。
食品に使われるというのがちょっとイメージしにくいのですが、セルロースナノファイバーを食べるということですか?
(森川)
原材料に混ぜて物性を変えることができるようです。例えばラーメンなら麺の特性が変わり、アイスクリームは溶けにくくなるといった特徴があります。 一方、化粧品においては、セルロースナノファイバーのもつ保水性を利用した高保湿性の商品の開発が進んでいるようです。
私たちは吸着剤として、空気清浄機などのフィルターに応用しています。建築材料としての使用方法も検討が進んでいます。 他にもプリント基板などの電子機器分野や、人工皮膚をはじめとする再生医療の分野などでの利用が期待できます。
本当にいろんなジャンルで利用されつつあるのですね。今後のビジョンはいかがですか?
(森川)
セルロースナノファイバーをできるだけ安価に作る方法、そして様々な製品に合わせたセルロースナノファイバーを製造する技術の開発が私たちの役割だと思っています。
親水性だったものを少し撥水性にするとか、水でしか分散しなかったものを少し有機溶媒系でも分散させる技術など、よりいろいろな使い方ができるような研究をしていきたいです。
こうした中で、産業上有用となる新たな発明があれば、さらなる特許出願も考えています。
期待しています! ありがとうございました。
  2
【取材後記】
今後使用されそうなジャンルがびっくりするぐらい多岐にわたっていて、本当に未来に向けて期待できる材料がセルロースナノファイバーです。 木など植物が原料の環境に優しい材料という面でも注目を集めそう。 取材を通して研究員の2人の熱心な姿勢、そして彼らの要求に応える吉田機械興業(株)の技術力、彼らの信頼関係もしっかりと伝わってきました。 特許により知的財産の権利をしっかり確保しながら、研究機関も企業も業界内での存在感を高め注目を集めるという、大きな効果をもたらしてくれたというお話も印象的でした。 今回の画期的な装置の開発により、その普及速度が飛躍的に上がることが期待できそうですね。セルロースナノファイバー、10年後にはその言葉を誰もが知っているようになるかもしれませんよ。

▼ ワンポイント情報

成長戦略(「日本再興戦略」改訂2014)において、「ナノセルロースの研究開発等によるマテリアル利用の促進に向けた取組を推進する」と記載されたことを踏まえ、その達成に向けた取組を推進しています。
具体的には、ナノセルロースに関係する農林水産省、経済産業省、環境省などが連携してナノセルロースに関する政策を推進することとし、政策連携のためのガバニングボードとして「ナノセルロース推進関係省庁連絡会議」を本年8月に設置しました。
関係省庁は定期的に連絡会議を持ち、各省の取組について情報共有を図るとともに、各省間で施策の連携について模索する予定です。

産総研コンソーシアム|ナノセルロースフォーラム別ウインドウ

公設試の概要
Public research organization
あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター
愛知県刈谷市恩田町一1丁目157番地1
センター長
伊藤俊治
相談
(セルロースナノファイバー)環境材料室 担当 森川、伊藤
(一般的な相談)総合技術支援・人材育成室 担当 松崎、森
あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター ホームページ外部リンク
TE
0566-24-1841
FA
0566-22-8033
E -Mail
acist-sangyou@pref.aichi.lg.jp
 

このページに関するお問い合わせ先

中部経済産業局 総務企画部 情報公開・広報室
住所:〒460‐8510 愛知県名古屋市中区三の丸二丁目五番二号
電話番号:052-951-0535
FAX番号:052-951-0557

ページ上部へ戻る

Adobe Reader バナーPDFファイルをご覧いただくためにはAdobe Readerが必要です。外部リンク