航空機産業しごと情報サイト 航空機産業企業見学ツアー

2016年12月14日(水)、「航空機産業企業見学ツアー」が開催されました。このツアーでは京都と岐阜から参加した合計17名が航空宇宙産業の現場を体験しました。 当日は川崎重工(岐阜工場)さま、かかみがはら航空宇宙科学博物館さま、旭金属工業さまの3か所を見学させていただきました。(以下、敬称略)。

スケールの大きさに圧倒!――川崎重工株式会社(岐阜工場)

川崎重工株式会社での会社概要説明まずは川崎重工を訪問し、研修センターにて会社概要、歴史、主要製品などの解説を受けました。その後、岐阜工場で生産されている「P-1固定翼哨戒機」、「BK117C型ヘリコプター」、「ボーイング777」の胴体部分の製造現場を見学。普段は見ることがない塗装前の機体や、内部の複雑な配線の様子などを見せていただきました。

T33前で記念撮影「P-1」の組立工場では大きな機体を目の前にして、思わず声が漏れる参加者たち。「ボーイング777」の製造現場では、胴体に10万個のリベットが打たれるとの説明に驚きの声が上がりました。「BK117C」のヘリコプターは"世界でいちばん売れているヘリ"と言われるだけあって、製造ラインが確立されており、現在では月産5、6機を製造しているそう。1機つくるのに約半年かかり、高価なものは10億円ほどするとか。参加者たちは、その値段を聞いて目を丸くしていました。 また、晴天に恵まれたので、見学途中に工場敷地内に展示してある航空機「T33」前で記念撮影を行いました。

期間限定の貴重な展示品を見学!――かかみがはら航空宇宙博物館(収蔵庫)

かかみがはら航空宇宙博物館午後はかかみがはら航空宇宙博物館へ移動。かかみがはら航空宇宙博物館は、現在2018年のリニューアルオープンのために閉館中ですが、その隣にある収蔵庫では世界に1機しか残っていない戦闘機「飛燕」を期間限定で展示。飛燕は第二次世界大戦時に各務原市で生産されたもので、胴体、主翼、エンジンなどが分解された状態で見学することができました。

かかみがはら航空宇宙博物館その他にも航空機のフライトシミュレーター、ロケットエンジン、人工衛星きらりのレプリカなども展示。特に人気だったのが、フライトシミュレーターで、参加者たちは真剣なまなざしで画面を見つめ、リアルな飛行体験を満喫していました。

航空機部品を一貫生産するこだわりと熱意――旭金属工業株式会社(岐阜安八工場)

旭金属工業株式会社 外観かかみがはら航空宇宙博物館を出た一行は、15時に旭金属工業の岐阜安八工場に到着。まずは工場壁面に設置されたクライミングウォール「安八スカイウォール」前で記念撮影。社会貢献の一環として一般公開もされています。旭金属工業は京都府に本社を持つ企業で、売上の96%が航空機器部品の製造で成り立っています。ここには安八工場、300年工場、東工場の3つの工場が集まっており、塗装、表面処理、ショットピーニング、機械加工などを行っています。

旭金属工業株式会社 質疑応答の様子社屋に入ると3班に分かれ、工場で素材の切削から部品完成までの一貫生産体制を見学。特に参加者の関心を集めたのは、主力製品である主翼関連部品でした。フラップの駆動部組立工程では「パイロットの間ではフラップを出し入れする時間を"魔の10秒間"と呼ぶほど、緊張を感じるそうです。フラップが思い通りに出し入れできないと大事故につながりますからね」と社員の方が説明。FOD(*1)対策を徹底し、品質向上に努めるひたむきさを感じることができました。

旭金属工業株式会社 中村専務工場見学の後はホールにて企業概要と質疑応答が行われました。「女性社員の割合は?」、「研究開発ではどのようなことに取り組んでいる?」などの質問が飛び交いました。最後は先輩社員から参加者たちに向けてアドバイス「学生のうちはやりたいことを徹底してやり尽してほしい」、「英語は大きな武器になるので、真剣に取り組んでほしい」など、現場で働いている社員ならではの助言に、参加者たちは大きく頷いていました。

*1 FOD……Foreign Object Debrisの略称で、製造現場での工具の置き忘れや紛失などの問題を指す。

旭金属工業株式会社 集合写真約8時間に及ぶ企業見学ツアーを終え、岐阜発組はJR岐阜駅で、京都発組はJR京都駅までそれぞれの帰路につきました。バス車内ではさすがに疲れた表情を見せていた参加者たちですが、それぞれの席でアンケートを記入するときは、1日の出来事を振り返りながら、たくさんの感想やご意見を書いていただきました。皆さまからの感想を元に、今後もより良い見学ツアーを企画していきますのでご期待ください!

参加者の声

外板の板厚など、細部までチェック!

航空宇宙産業はスケールの大きさが魅力。参加してみてその醍醐味を存分に味わえました。修士課程では材料について研究しているので、航空機に使用されている材料に興味が湧きました。普段見ることのできない航空機の内部を見ることができたのは収穫。外板の板厚などもチェックしちゃいましたよ(笑)。
(Y.Sさん 大学院2年生・京都)

複雑で大量の配線に驚き!

航空宇宙関係の工場見学は初めて。とにかく「すごい!」の連続でした。特にすごかったのは川崎重工で見たヘリコプター。無数の配線が天井から垂れ下がっているんですけど、あんな複雑な配線を1本1本人の手でつないでいくのには驚きました。ミスのない仕事が安全を支えているんだなぁ、と感心しました。
(O.Yさん 大学3年生・京都)

少人数のアナログ仕事にビックリ

航空機の組立工程を見ることができ、すごくリアリティがありました。ここで完成したものが、ほとんど形を変えず大空に飛んでいくことを想像できました。また、思ったより少ない人数でアナログな作業をしていることにもビックリ。航空機の見方が変わりましたね。(S.Kさん 大学3年・京都)

航空機ができていく様にワクワク!

旭金属工業さんで見た主翼内のリブ構造は興味深かったですね。計算されつくした形に究極の美を感じました。川崎重工さんの組立工程もおもしろかった。航空機ができていく様を見るのはワクワクしますね。院では燃焼関係を研究しているので、エンジンをつくっている会社にも見学に行きたいと思いました。
(Y.Kさん 大学院1年生・岐阜)